第三回:伊之助(九歳/山中)-又三郎(十一歳/山古志)
牛の名前には、家号を用いることが多いです。
今回では最初に登場した静也、そして今回の伊之助など。
「その家を代表して角突きに出てくる」わけです。
さぁ、まずは伊之助が入ってきました。
顔には面綱を掛けています。
大相撲の化粧まわしのようで、牛の正装とされます。
闘牛場に入り、ゴウゴウと低い声で吠えています。
「さぁ、今日のオレの相手はどこのどいつだ!」
ということで、相手の出を待っています。
そして、又三郎が入りました。すぐに開始です。
場内が盛り上がります。
沖縄から導入した又三郎がいきなり一発二発!
これで伊之助が怒りました。
頭を低く下げています。
相手の角の下に、自分の角を入れたい。
引っ掛けてそこから攻め込みたい。
又三郎は右角で伊之助の左角を掛けます。
そこから出ようとする。
伊之助は、それが外れた瞬間を狙いたい。
又三郎がとても積極的です。
伊之助は年下ですが、見た瞬間に理解しました。
「今日はもう全力を出さなければいけない相手だ。」
又三郎が仕掛ける!
伊之助はどっしりと、落ち着いて受けます。
右角を掛けて押し込まれても、伊之助は慌てません。
慌てると足の配りが悪くなり、押し込まれることもあります。
粕毛牛の伊之助、落ち着いています。
又三郎、今度は左から仕掛けます。
これも伊之助、首で押さえる!
又三郎が積極的に仕掛けます。
ここで、勢子の判断により引き分けました。
このまま続けると、牛を分けられなくなる可能性があります。
牛が真剣になってしまうと、急所である鼻を引っ張っても
効かないことがあります。そのため、ここで引き分けとします。
大きな拍手が送られました。
又三郎は本気を出して、いい角突きを見せてくれました。
伊之助は、「オレはこんなもんじゃない」という顔です。
又三郎、伊之助の順に引き上げました。
総カット:114
実況&解説:松田さん(山古志闘牛会)
↑開始直後。伊之助はなんとも不思議な表情です。
↑又三郎が角を振った。伊之助はまだ様子見かな?
↑又三郎は積極的に攻める。そしてこの目線です。
↑次は弾丸のような頭突きを見せる。同時に角も。
↑又三郎の積極性が光る。気合が入っていますね。
↑先程のシーンから21秒後。再びこうなります。
↑立ちはだかる又三郎。伊之助は何を考えている?
↑又三郎が伊之助に、何か言ってるような雰囲気。
↑伊之助も表情を変えて、又三郎に向き合います。
↑右角を掛ける又三郎。伊之助が上から押さえる。
↑伊之助の力を感じたか?又三郎。土が弾け飛ぶ。