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さて、残すところ三番です。大相撲なら「これより三役」でしょうか。
この三番、闘牛会が自信を持ってお客さんに見て欲しい、そんな三番です。
MC勢子の松田さんからも、そのようなアナウンスがありました。

十一回は、山徳号(十四歳/竹沢)と、銀時(七歳/山古志)の一戦です。
山徳号(やまとくごう)は、ベテランながらも厳しさを持っている牛。
銀時(ぎんとき)は伸び盛り。若さに加えて恵まれた体、馬力があります。
ベテランと若い牛。どのような対戦になるのか、楽しみな一番です。

先に入ってきたのは山徳号。
冷静に、まずは闘牛場のコンディションを見ています。
そして、気合いの入った銀時が入場してきました。
この銀時、体の毛の中に、白い毛が混じっています。
こういう牛のことを「粕毛牛(かすげうし)」と呼びます。
昔から「喧嘩をしない粕毛牛はいない」と言われているそうです。

さあ取組開始。
まずは銀時が、若さと馬力で一発仕掛けます。
これを山徳号が落ち着いて受け止めます。
山徳号は右角で、銀時の額を掘るように攻めます。
この攻撃は効果があったようです。
銀時の痛いところに当たったらしく、一、二歩下がりました。
しかしまた体勢を立て直します。
銀時は仕掛けたいのですが、山徳号が非常に落ち着いています。
前の方にグッと曲がった角を的確に当てていきます。
しかし銀時も考えて、攻めの展開を変えます。
山徳号の攻めを受けながらも、タイミングを狙っています。
勢子の掛け声も、どんどん大きくなってきました。
やがてたくさんの人が走り回る音、取ったかぁ ! の声。そして拍手。

両牛の見せた、綱が掛かってからの意地、それに負けない勢子の意地。
牛と牛、牛と人が織り成すこの角突き、これこそが山古志の角突きです !
(MC勢子、松田さんの解説から)

さて、写真を見てみます。
ちなみにこの闘牛シリーズは、まず音声を聴きながら文章を書きます。
「写真を見る」と書いて初めて密着をすべて確認します。
載せるカットが先に決まっている動物園の記事とは、まるで逆なのです。
これがけっこう面白くて、すっかり楽しんでいます。
あっ。「動物園の記事最近全然ないじゃん ! 」という突っ込みはなしで(笑)

ううむ。どっちがどっちだか、なかなか難しいですねぇ。
先場所の写真を見てみると、おでこの毛が多いのが銀時のようだけど。
これまた泥だらけの闘いになりました。
やられても目の強さだけは変わらない。そんなカットがありました。
6/16 山古志闘牛 山徳号-銀時_b0016600_23413894.jpg

↑泥の飛び跳ね具合から、動きの激しさを感じます。
6/16 山古志闘牛 山徳号-銀時_b0016600_23415125.jpg

↑低い体勢から、鬼、じゃなかった牛の形相で睨み付けます。
6/16 山古志闘牛 山徳号-銀時_b0016600_2343328.jpg

↑あれ、カメラ目線 ?
6/16 山古志闘牛 山徳号-銀時_b0016600_23433368.jpg

↑目を充血させて、力が入ってます。
6/16 山古志闘牛 山徳号-銀時_b0016600_2344821.jpg

↑うおっ、長え。こんなので突かれたらたまったもんじゃねえぞ。と思ってたりして。

ハイライト
by keiji_takayama | 2019-06-28 23:46 | 山古志闘牛場
さぁ、取組はいよいよ終盤戦に入ります。
第十回は、三五兵工(十二歳/中野)と、柿乃花黒ダイヤ(七歳/岩手)の一戦。
結果から書いてしまうと、こちらも壮絶な、ものすごい一番でした。
三五兵工は、「さっこべえ」と読みます。

先に入場したのは三五兵工。どう声でお客さんを沸かせます。
ここ数日涼しいので、牛は元気いっぱいなんだそうです。
柿乃花黒ダイヤが後から入場、さぁ取組が開始されました。

まずは柿乃花黒ダイヤが左右に角を振って、三五兵工の隙をうかがいます。
三五兵工は落ち着いて、柿乃花黒ダイヤの角をさばこうとしています。
一瞬柿乃花黒ダイヤが下から仕掛けようとしたところ、上から三五兵工が
潰しにかかりました。これを瞬時に判断し、柿乃花黒ダイヤは少し下がる。
こういう見応えのある攻防がありました。このあたりから場内の声援や、
勢子のかけ声が大きくなっていきます。そして、柿乃花黒ダイヤが柵の
前まで押し込まれるシーンも。柿乃花黒ダイヤが仕掛けると、三五兵工は
まず下から、場合によっては上から押さえる。しかし上手く回り込んで、
柿乃花黒ダイヤは隙を狙います。場内もこの時点で大興奮状態です。
やがて、たくさんの足音が聞こえてきます。勢子が引き分けにしました。
終わった後も、どちらの牛でしょうか、大きな声を出しています。
たくさんの大きな拍手に包まれて、場内引き回しです。

この一戦では190コマ撮りました。シャッター押しまくりです。
泥が弾け跳び、牛の顔は茶色く変わってしまいました。
マスクを被っているのではないかと錯覚してしまうほどです。
泥が、ちぎった紙のように飛び散っています。両牛見事な闘いぶり。
そして、載せる写真が、というか減らすのにとことん迷いました。
オトコの根性を見せつけられたような一戦でした。素晴らしかった。
今回のベスト取組の1つといえるでしょう。写真見て興奮します。
6/16 山古志闘牛 三五兵工-柿乃花黒ダイヤ_b0016600_22581060.jpg

↑顔は泥だらけ。力のある一撃を加えると、泥が弾け飛ぶのです。
6/16 山古志闘牛 三五兵工-柿乃花黒ダイヤ_b0016600_22591432.jpg

↑手前が柿乃花黒ダイヤ。見事な攻撃が決まりました。
6/16 山古志闘牛 三五兵工-柿乃花黒ダイヤ_b0016600_22595356.jpg

↑頭を下げて突進を止めた ? 跳ねる泥の形が面白いです。
6/16 山古志闘牛 三五兵工-柿乃花黒ダイヤ_b0016600_2305596.jpg

↑柵の手前まで一気に押し込まれたところ。さすがにちょっと慌ててるかな。
6/16 山古志闘牛 三五兵工-柿乃花黒ダイヤ_b0016600_2314130.jpg

↑「こんの野郎〜」みたいな表情です。
6/16 山古志闘牛 三五兵工-柿乃花黒ダイヤ_b0016600_233090.jpg

6/16 山古志闘牛 三五兵工-柿乃花黒ダイヤ_b0016600_2331128.jpg

6/16 山古志闘牛 三五兵工-柿乃花黒ダイヤ_b0016600_233461.jpg

↑顔の色が茶色になってしまいました。牛というより、犬に見えます。
6/16 山古志闘牛 三五兵工-柿乃花黒ダイヤ_b0016600_23539.jpg

↑激しいぶつかり合い。

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by keiji_takayama | 2019-06-27 00:30 | 山古志闘牛場
続いては9回目、八剣志(山古志/十歳)と山王(神戸/十二歳)の一番です。

ちなみにこの山王も、牛持ちは女性です。
先に入場したのは黒牛の八剣志。沖縄から導入した牛だそうです。
入場してからずっと、唸っていました。やる気満々の様子です。
山王は赤牛です。さあ、どんな闘いになるでしょうか。

まずは八剣志が右から左から角を振ります。
山王は頭を上げることなく、逆に下げて八剣志の攻めを受け止めます。
ここでザザーッという音声が記録されていました。押されたのかな。
八剣志は下から角を使います。(ここでお客さんからどよめきが起きます。)
対して山王のほうが回り込もうとしましたが、ややタイミングが合わず。
牛同士が繊細な状況で闘っているのがわかるシーンという解説でした。
こういう時はやはり、動画で見てみたくなりますね。。。今後の課題かな。

どうもいったん離れてしまったみたいですね。
その後、再び頭が合って、相手に向かって行ったようです。
双方とも相手の角の根元を狙って、自分の角を使っていました。
山王がパッと切り返したので、八剣志がちょっと考えるシーンも。
取組を盛り上げる勢子たちのかけ声、手拍子はずっと聞こえてきます。
八剣志は角を使い、山王は切り返す展開が続きました。

写真を見てみると、山王の攻撃が決まったと思いきや、なぜかその後に
別方向に走ろうとしている姿がありました。タイミングがズレたので、
やや不利と感じたのでしょうか。これを八剣志が追っていました。
しかしその後は再び向き合い、角を絡めて力比べの様相です。
八剣志が考えた、というのはこれかな ? というカットもありました。

この取組も、両牛泥だらけ。でも、立ち姿は堂々としていました。
6/16 山古志闘牛 八剣志-山王_b0016600_0542063.jpg

↑激突。両牛の角の攻防にも注目です。八剣志の体がすごい。
6/16 山古志闘牛 八剣志-山王_b0016600_0553319.jpg

6/16 山古志闘牛 八剣志-山王_b0016600_0554613.jpg

↑やっぱり顔は泥だらけ。
6/16 山古志闘牛 八剣志-山王_b0016600_0561038.jpg

6/16 山古志闘牛 八剣志-山王_b0016600_0562483.jpg


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by keiji_takayama | 2019-06-26 00:30 | 山古志闘牛場
第8回は、羽黒山(八歳/大久保)、角栄号(十一歳/相川)の闘牛です。
おっ、角栄号の登場ですね。
注目したいのですが、まだ名前と顔が完全には一致していません。

現在の山古志闘牛場にはフェンスや柵がありますが、かつてはそうした
安全対策が施されていませんでした。これは当時の写真で確認できます。
MC勢子の松田さん、この状態で闘牛をやってみたいそうです。
すると勢子は真剣、牛も真剣、これに加えて観客も真剣になります。
牛がいつ突っ込んでくるか解らないからです。
確かに面白そう ! でも、写真撮ってると怖い思いをするかもしれません。

角栄号が先に入場しました。後から羽黒山が登場。
この羽黒山、昨年までは「大和屋」というしこ名で対戦していました。
さぁ取組開始です。この両牛は、角の形が対照的。
角栄号は横に大きく開き、羽黒山は前の方にグッと向いています。
両牛の持ち味を上手く生かしながら、それぞれの角で攻撃していきます。
まず角栄号が大きな角を鉈のように振って、そこから攻めていきます。
対して羽黒山。前に向いた角を使って、角栄号の角を振らせないように
しています。続いて羽黒山が角を掛けつつ角栄号の角の中に入って、
自らの角を使おうとします。これに対して角栄号は外から角を振る。
やがて角栄号が馬力で前に出ます。それが外れて、勢子も動き出します。
(MC勢子・松田さんの解説から)

写真で見ると、最初に羽黒山が泥を角栄号の顔に飛ばします。
ベチャッという音が聞こえてきそうなカットがありました。
先場所と同様、耳に黄色いタグが付いているのが角栄号になります。
羽黒山に押されて横になった時はちょっとピンチでしたが、表情はまだ
落ち着いているようです。このあと、見事に立て直していました。
羽黒山に体当たりしたカットは、顔に付いた泥の飛沫が舞っています。
目に泥が入りながらも、気合いの入ったところを見せた羽黒山も立派。
互いの持ち味がよく出た一番でした。
6/16 山古志闘牛 羽黒山-角栄号_b0016600_0394100.jpg

↑角栄号の体当たりに、泥が舞う羽黒山。虚を突かれた表情 ?
6/16 山古志闘牛 羽黒山-角栄号_b0016600_040143.jpg

↑横になって押される角栄号。最大のピンチでしたが、見事に立て直しました。
6/16 山古志闘牛 羽黒山-角栄号_b0016600_0405582.jpg

↑立ち合いでいきなり泥をかけられてしまった角栄号。目を細めて意外な感じ。
6/16 山古志闘牛 羽黒山-角栄号_b0016600_042172.jpg

↑泥の中で睨み合い。
6/16 山古志闘牛 羽黒山-角栄号_b0016600_0423223.jpg

↑羽黒山の目の中にも泥が。

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by keiji_takayama | 2019-06-25 00:30 | 山古志闘牛場
いよいよ後半戦。
第7回目は平畑(十五歳/池谷)と、庄八(五歳/中野)の取組です。
この庄八、新宅に続いて顔と名前が早くから一致した牛です。
理由は、もうこの姿を見れば解りますね。顔の模様が特徴的なのです。
勝手にパンダみたいだと思ってまして、気になる牛の一頭なのです。

山古志闘牛会では約60頭、隣の小千谷闘牛振興協議会では45頭くらい、
合わせて100頭を超える牛がこの地域で飼育されています。これはすべて
闘牛用の牛。そして8割ほどの牛は岩手県を中心とした東北生まれです。
角突き牛というのは、自分たちで生産することはほぼなく、他の地域から
導入することが多いです。今回の平畑は島根県隠岐の島出身。黒牛です。
隠岐の島の牛には、角が上の方に上がっているという特徴があります。

先に入場した平畑は、どう声を出して庄八の出を待っていました。
さぁ取組開始。
年齢差10歳。大先輩である平畑の胸を、庄八が借りる展開になります。
まずは平畑が長い角を使って庄八の額を攻めます。庄八は距離を詰めて、
平畑の角を使わせないようにしたい。角と角がぶつかる音が届きます。
牛の角は、年間10回を超える本場所のなかで、1頭から2頭くらいは
闘いの中で折れてしまうことがあります。再生することはありません。
折れ方が悪ければ、そのまま引退ということもあるのです。
平畑は下から、距離を保ちながら長い角をまず使おうとします。
これに対して若い庄八は、角を使わせないように距離を縮めます。
庄八は動いてうまく回り込みます。
(ここまでMC勢子・松田さんの解説から)
勢子の動く音、ハイハイというかけ声、場内のお客さんの歓声とどよめき。
引き分け後はたくさんの拍手が沸き起こりました。

そして写真の密着。この取組だけで200コマ以上切ってました。
壮絶な、とても厳しい闘い。両牛の大きな力と意地がぶつかり、漲る。
そんなシーンの連続でした。泥は大きく跳ね上がり、平畑の目にも泥が。
写真で見ると、角の大きさ長さの差がハッキリとわかります。
しかし、庄八の角が見事にクリーンヒットしているカットもありました。
角を使ったボクシングだという印象があり、まさにクロスカウンターです。
両牛の顔はすっかり色が変わってしまいました。ものすごい闘牛でした。
写真は15カット載せています。これでもかなり減らしました。。。
6/16 山古志闘牛 平畑-庄八_b0016600_22315518.jpg

↑平畑の角は当たらず。庄八の見事なクロスカウンターが決まった瞬間。
6/16 山古志闘牛 平畑-庄八_b0016600_2233894.jpg

↑角の長さは随分と差があります。平畑の目には泥が。
6/16 山古志闘牛 平畑-庄八_b0016600_223416.jpg

↑平畑の攻撃。長い角はまるで、クワガタのようです。
6/16 山古志闘牛 平畑-庄八_b0016600_22345669.jpg

↑睨み合う両牛。庄八の心の強さを感じます。年の差に負けていません。
6/16 山古志闘牛 平畑-庄八_b0016600_2236128.jpg

↑ガッチリ押さえられると、なかなか攻撃はしにくいようです。
6/16 山古志闘牛 平畑-庄八_b0016600_22383832.jpg

↑あれれ、庄八がポーズ決めてカメラ目線 ?

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by keiji_takayama | 2019-06-24 00:30 | 山古志闘牛場
6回目は山仁(八歳/大阪)と、薬師大力(五歳/中野)の一戦です。
薬師大力(やくしたいりき)が、先輩山仁(やまに)の胸を借りる展開になります。

まずは双方が相手を見ました。
「今日の俺の相手はどういう力を持ってるのかなぁ」
「今日の俺の相手はどういう牛なのかなぁ」と相手の力を見た上で。
山仁が一発仕掛けます。
若い薬師大力に「角突きというのはこうなんだよ」と教えているようです。
これを薬師大力が切り返しますが、また山仁が下から跳ね上げる。
薬師大力はこの一番を乗り越えるとまたひとつ成長する、そんな展開に。
角を使ってくる薬師大力。その角が外れた瞬間、山仁が下から角を掛けて、
跳ね上げて前に出ようとします。今度は山仁が入り、薬師大力が切り返し。
勢子の声がたくさん重なっています。牛の背中に気合いを入れる勢子も。
再び山仁が跳ね上げ、薬師大力が落ち着いて切り返していく。
それでも山仁は跳ね上げて出ようとしますが、薬師大力が入れさせない。
(MC勢子・松田さんの解説より)

やがて勢子が引き分けに持ち込もうと飛び込み、場内からはどよめきが。
取組の間、勢子の皆さんの動く音がずっと聞こえていました。
ササササッという音に混じり、大きなかけ声も響いています。
それだけ両牛がよく動いたことになるわけで、聴いているだけでも面白い。
臨場感がすごいですね。

写真もけっこう撮っていまして、最初に選んだ候補は15カットでした。
重量級ということもあり、ちょっとした動きでも泥が跳ね飛びます。
両牛も泥だらけになっていくのですが、精悍さも増していくようです。
それにしても、山仁の積極性は見事なものでした。
絶えず気合が入っているようで、その集中力を見習わないといけません。
対する薬師大力は、そんな山仁のプレッシャーに屈することなく、立派な
闘牛を見せてくれました。通って見続けていったら、今回の一戦が何かの
ターニングポイントになるのかもしれません。とてもいい闘牛でした。
6/16 山古志闘牛 山仁-薬師大力_b0016600_2226345.jpg

6/16 山古志闘牛 山仁-薬師大力_b0016600_2227289.jpg

6/16 山古志闘牛 山仁-薬師大力_b0016600_2227762.jpg

6/16 山古志闘牛 山仁-薬師大力_b0016600_22271128.jpg

6/16 山古志闘牛 山仁-薬師大力_b0016600_22271347.jpg


ハイライト
by keiji_takayama | 2019-06-23 00:30 | 山古志闘牛場

6/16 山古志闘牛 庵-皇翔

続いての取組は、庵(釜ケ島/七歳)と、皇翔(新潟/六歳)です。
この両牛、名前が気になりますね。庵(いおり)と皇翔(おうが)です。

MC勢子・松田さんの解説
取組表にはいろいろな牛の名前が載っています。牛の名前(しこ名)ですが、
かつてはその牛を持っている集落と屋号(家)の名前を用いていました。
牛は集落を代表する存在だからです。現在の闘牛会は全国各地の人たちと
交流をしながら角突きをしています。牛持ちも各地にいらっしゃいます。
岩手、埼玉、東京、大阪、神戸など。これらはすべて、牛のオーナーが
住んでいる地域です。牛はすべて、山古志の地域内で飼育されています。

このお話の直後、たぶん庵が大声で唸り、場内が和やかになりました。
実に絶妙なタイミングです。そして再び解説は続きます。

綱を取っての闘牛は、引き分けの裁定を行う際、本来は牛の後ろ足に綱を掛け、
それを大勢の勢子が引っ張り、牛の動きを抑えてから急所の鼻を掴まえます。
ところが、この「後ろ足に綱を掛けられる」ことが嫌いな牛もいるのです。
この取組に登場する皇翔がその一頭で、しかも足場が悪いという条件です。
思いもしない行動に出ることもあるので、この取組は綱をつけて行います。

不思議なもので、このあとまた庵が大きな声で唸っていました。
その後皇翔が入場します。

さて、取り組み開始。
まずは皇翔が先に仕掛け、庵が落ち着いて受けています。
皇翔はもうこの時点で、勢子が「いる」ことを見て、認識しています。
自分の嫌いな綱を掛けられる、いつか掛けられるんじゃないか、なので
牛の動きと同時に勢子の動きも見ています。それでも皇翔は仕掛けます。
しかし庵がうまく回り込みます。しばし攻防があったものの、牛が人間を
見ていることが明確になったので、無理をさせず引き分けとなりました。
場内は拍手に包まれましたが、どちらかの牛は25回唸っていました(笑)

とこれだけ書くと、取組時間が短く感じられます。確かにそうでしたが、
この取組、けっこうシャッターを押した回数が多かったです。ちゃんと、
と言っては語弊があるけど、両牛しっかりと見せ場を作ってくれました。
庵の攻撃を受けていた皇翔が、目を充血させてギラリと反撃を試みる。
この展開がありました。もの凄い睨みでした。確実にビビリそうです。
6/16 山古志闘牛 庵-皇翔_b0016600_2032546.jpg

6/16 山古志闘牛 庵-皇翔_b0016600_2033487.jpg

6/16 山古志闘牛 庵-皇翔_b0016600_2034893.jpg

6/16 山古志闘牛 庵-皇翔_b0016600_20342061.jpg

(1D X /EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM)
by keiji_takayama | 2019-06-22 00:30 | 山古志闘牛場
MC勢子、松田さんの話
今日は雨の中、牛も勢子も泥だらけになりながら取組を進めていきます。
そして、勢子が動きやすくするために、足元に足袋を履いています。
場内が雨で泥濘み、田んぼのようになってくると、普通の靴とかだと
どうしても泥が纏わりついて動きにくくなります。牛に足を踏まれる
こともありますが、勢子も興奮しているので、痛さに気付くのは角突きが
終わって家に帰ってから、なんてこともよくあります。でも、そうやって
痛い思いをしても、やっぱり角突きはやめられない、そんな魅力があります。

そして四回目の取組は、龍勢(五歳/秩父)と充号(四歳/池谷)です。
そしてこの一番から、綱を取った対戦になりました。

充号のほうが1つ年下になりますが、体がとても大きくなりました。
対する龍勢のほうは、落ち着いて頭を合わせています。
勢子のヨッシャー、ヨシターという掛け声も、場内に響き渡ります。
経験を積んだ牛は、この声に反応して力を出してくれるようになるのです。

龍勢が下から突いているのに対し、充号は切り返して横から押し込みます。
その押し込みを、上手く回り込んで下から龍勢が再び攻めようとします。
両牛の顔は泥でいっぱいです。しかしこんな姿になっても、相手から絶対に
目は離しません。目の中に泥が入っていたとしても、闘っているときは常に
一生懸命なのです。龍勢が下から攻める、充号は龍勢の攻めが外れると、
横から押し込もうと試みます。双方が自分の持ち味を出し切り、引き分け。
牛が分けられると、場内からは大きな拍手が沸き起こりました。

実況をレコーダーで聞いてから写真を見ると、とても納得できます。
ホントにその通りで、龍勢は下から、充号は横から攻めていました。
加えて、この取組はけっこう気に入ったカットが多かったですね。
両牛の実力がぶつかり合う、とても面白い角突きになりました。
そんなわけで、載せる写真も10カットになりました。
似たような雰囲気ではあるのですが、どうしてもボツにできなくて。
6/16 山古志闘牛 龍勢-充号_b0016600_1525472.jpg

↑龍勢の攻撃が決まりました。痛そう。。。
6/16 山古志闘牛 龍勢-充号_b0016600_1533952.jpg

↑顔は泥だらけになりました
6/16 山古志闘牛 龍勢-充号_b0016600_1534973.jpg

↑下から攻撃する龍勢
6/16 山古志闘牛 龍勢-充号_b0016600_1542146.jpg

↑横から押し出そうとする充号

ハイライト
by keiji_takayama | 2019-06-21 01:58 | 山古志闘牛場
続いては、三太夫(五歳/虫亀)と、新宅(五歳/梶金)の一戦。
この新宅、闘牛を撮るようになって最初に名前と顔が一致した牛です。
以前にも書きましたが、顔の中央だけ毛が白いんですね。
なんとも愛嬌のある顔立ちで、かわいいという声援を浴びたりします。
今回も登場ということで、どんな闘いを見せてくれるか気になりました。

入場前にMC勢子の松田さんからお話がありました。
引き分けで取組が終わると、牛持ちは場内を一周、半周ほど引き回します。
牛持ち同士はお互いの健闘を讃え合い、牛は場内を引き回すことによって、
「よし、この次は負けないんだ ! 」と、意地が生まれてくるようになります。
そのためにも、この引き回しが大事なシーンでもあるわけです。
意地の張り合いは真剣勝負に繋がります。これも闘牛の楽しみ方の1つです。

新宅、三太夫とも元気に入場。取組が開始されました。
まずは双方が頭をガツンとぶつけます。それだけで相手の力量を見ました。
「これは、本気を出さないとやられてしまう」そのくらい相手には力量がある、
そう判断しているそうです。そのため、体を固くして力を入れています。
「相手にスキは見せられない、見せたら一発で攻め込まれてしまう。」ことを
牛が解っているので、スキを出さないように、力が入っている状態が続きます。
やがて新宅が前に押し込もうとしますが、三太夫も負けてないです。
勢子の判断で引き分けになったあとも、大きな声で唸っていました。
ちょっと不満だったのかもしれませんが、足場が悪いので無理はさせません。
見ていたかのように書いてますが、これも松田さんの解説です。

写真を追ってみると、それぞれに持ち味を発揮した展開だったようです。
三太夫の頭突きはなかなか強烈で、新宅の顔が歪んでいるようなカットも。
新宅の、気合いの入った表情もありました。随分逞しくなったなぁ。
6/16 山古志闘牛 三太夫-新宅_b0016600_0272879.jpg

6/16 山古志闘牛 三太夫-新宅_b0016600_0274785.jpg


他のカット
by keiji_takayama | 2019-06-20 00:28 | 山古志闘牛場
次の取組は、四歳同士の一戦。
柿乃花怒濤(岩手)と飛将(塩沢)の対戦です。
赤毛の牛が飛将。牛持ちは女性です。
飛将は場内に入ってくるなり、低い地響きのような声で唸りました。
こういう声を出して初めて、角突き牛として一人前と言われるそうです。
声を出しながら、相手を威嚇する体勢に入っていきます。

この両牛、対戦が始まると同時にぶつかり、場内から声が挙がりました。
まずは柿乃花怒濤が先制攻撃、これを飛将が体を上手く回して受ける展開。
続いては飛将が頭を下げて、柿乃花怒濤の角を下から掛けようとしました。
これが「かけ」と呼ばれる角突きの技。最も基本の技です。
これをかいくぐり、柿乃花怒濤が再び仕掛けようと試みます。
以後はそれぞれの攻防が見られ、勢子の判断で引き分けとなりました。

写真で見ると、まさに接近戦です。
両牛が頭をつけて、睨み合っているカットがありました。
地面は濡れて泥だらけ。何かアクションを起こすたび、跳ね上がります。
ただでさえ迫力のある闘牛ですが、これが面白さを演出してくれるのです。
レコーダーで音声を聞きながら写真を見ていると、雰囲気が蘇りますね。

先場所に引き続き、「柿乃花」の名が付いた牛があと2頭登場します。
まだ写真をちゃんと見ていないのですが、どんなカットがあるか楽しみです。
6/16 山古志闘牛 柿乃花怒濤-飛将_b0016600_002293.jpg

6/16 山古志闘牛 柿乃花怒濤-飛将_b0016600_001962.jpg

(1D X /EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM)
by keiji_takayama | 2019-06-19 00:00 | 山古志闘牛場

いつもは中古カメラ店でカメラやレンズを売ってます。休日になると、望遠レンズを担いで各地の動物園や闘牛場で撮影活動。動物たちの表情を追い続け16年が経過しました。旅行会社で撮影ツアー講師を務めています。


by keiji_takayama