2014年 03月 19日 ( 1 )

復活したベラミ

チノンと聞き、即座にカメラメーカーを連想できる人は相当なカメラ好きだ。
だとすれば、そういう1人に入ってしまうのだろう。昨日、新聞を眺めていて
目に飛び込んで来たのが「復活チノン 復古調」という見出しだった。けっこう
大きな扱いを受けている。このチノンというメーカー、一時はコシナと並んで
長野県を代表するカメラメーカーの1つだった。当時の日本写真機工業会発行
「カメラ総合カタログ 1983」を見てみると、チノンは4ページ載っている。
8mmカメラ、映写機、そして35mm一眼レフ3機種、コンパクト4機種と、
けっこう扱っている製品も多かった。写真に30字までのデータが写し込める
インフォバッグ、インターバルタイマー付きパワーワインダーなど、個性的な
アクセサリーも存在していた。この頃の一眼レフはペンタックスKマウントを
採用していたので、50mmあたりは現在でも中古市場で見かけることがある。

話が逸れたが、海外に工場をもち、従業員も2000人以上抱えていたチノン。
ところが 、デジタル化の波に乗り遅れてしまう 。90年代には業績が悪化し、
97年に米コダックに買収された 。しかしこのような状況であっても 、決して
諦めていなかった人がいた。創業者の女婿である茅野正澄氏である。チノンの
技術者らと新会社を作り、2005年にコダックから商標権を買い戻したのだ。
以後は子ども向けトイカメラやOEM製品を作り 、開発資金を蓄えたという 。

そしてついに、フルハイビジョン動画と静止画の撮影ができるデジタルカメラ
「ベラミHD-1」が発売されることになった。ファインダーをのぞきながら、
トリガーを引いて撮影するというユニークなスタイルをもつ 。AFは使えず、
シャッタースピードや絞りもマニュアルである。210万画素1/3センサーを
採用し、オールドレンズ本来の持ち味を活かすのが特徴だ。これでいてISOは
160〜12800まで備えている 。電子式手ブレ補正 、12倍電子ズームなど、
役立つ機能も搭載された。標準レンズとして装着されているのは、Dマウント
と呼ばれる8mm規格のレンズ。専用として新規開発された。これ以外にも、
16mmフィルムシネカメラ用のCマウント、防犯カメラ、工業用カメラなどに
使われているCSマウント、そしてM42マウントのアダプターが用意される。

さてこのカメラ。多彩な表現が出来るのだが、開発者の声としてこんな言葉が
取り上げられていた。「技術がなければ撮れない。」これは楽しそうなのだ。
大手がしない、玄人向けのカメラ。税抜き85,000円という価格はやや厳しい
感もあるのだが、目標販売台数は年6,000台という。ちなみにベラミの名は、
かつて大ヒットしたコンパクトカメラが由来である。巻き上げレバーを巻くと
レンズがポンと飛び出し、レバーを元に戻せばレンズが引っ込みフタが閉まる
というユニークな方式のカメラだった。蘇ったベラミも、生き抜いてほしい。
復活したベラミ_b0016600_745577.jpg

AB− (7D/EF600mmf4L)
by keiji_takayama | 2014-03-19 07:46 | 金沢動物園

いつもは中古カメラ店でカメラやレンズを売ってます。休日になると、望遠レンズを担いで各地の動物園や闘牛場で撮影活動。動物たちの表情を追い続け16年が経過しました。旅行会社で撮影ツアー講師を務めています。


by keiji_takayama