2013年 08月 17日 ( 1 )

ばあちゃんの後任

真夏の夜の前、昼の動物園撮影はなかなかに困難を極めた。
暑さも手伝い、動いているどころか運動場に出ている動物が少なかったのだ。
あれもこれもダメ、条件が合わないなどと考えていたら、いつまでたっても
シャッターが切れない。ハシビロコウ2コマ、キリンを10コマほど撮ったが
手応えは全くない。そこで、いつものように。鳥の皆さんに助けを求めた。

といっても、これとていつものようにはいかない。でも僅かな望みを持って、
元気なおばあちゃんのところに寄ってみることにした。厳しい昭和の雰囲気を
ふんだんに兼ね備えている、アオノドナキシャクケイである。これまでにも
何度か撮影しているのだが、いつもシャキッとしている姿は尊敬モノである。
そして、東園隅にあるケージの前に立ってみた。どこか、いつもと違う・・・。
それもそのはずで、ケージの案内ボードには「カンムリコサイチョウ」とあった。
ほかの名前はなく、ここにアオノドナキシャクケイは存在しないことになる。
ではいったいどこに行ってしまったのか。まさか、亡くなってしまったのか。
そんなことを考えながら、ひとまずカンムリコサイチョウにレンズを向けてみた。

眺めてみると、年季の入ったくちばしに様々な歴史が刻まれているようだった。
それはひょっとしたら戦いだったかもしれない。朽ち木を思わせるその風貌は、
歴戦の勇士を想像させるものだった。そこそこ撮りやすい位置にいてくれたし、
意外と友好的な性格の持ち主かもしれない。上目遣いの表情が印象的だった。

あとで調べてみたら、このカンムリコサイチョウ、どうやら井の頭自然文化園の
熱帯鳥温室が6月に閉館したことに伴い、移動してきたようだ。まだしばらく、
この場所に滞在するのだろうか。ちなみに、アオノドナキシャクケイは別の場所で
姿を確認することができた。がしかし、たぶん写真はもう撮れそうもない・・・。
ばあちゃんの後任_b0016600_22385366.jpg

AB− (OM-D E-M5/FD500mmf4.5L)
by keiji_takayama | 2013-08-17 22:39 | 上野動物園

いつもは中古カメラ店でカメラやレンズを売ってます。休日になると、望遠レンズを担いで各地の動物園や闘牛場で撮影活動。動物たちの表情を追い続け16年が経過しました。旅行会社で撮影ツアー講師を務めています。


by keiji_takayama