2010年 05月 16日 ( 1 )

作例に非ず

仕事帰り、大型量販店に寄った 。階段を上っていると、壁にはたくさんの作例写真が
貼られている。ニコンとキヤノンの高級機を使い、レンズは定価で100万を超える、
大口径望遠を使用していた。となれば、被写体は限られている。カワセミだったり、
北海道だろうか、の野鳥が捉えられていた。遠くから何となく眺めていると、とても
よく撮れていてある意味プロ級なんだろうが、近くでじっくり見たら猛烈な違和感を
感じることになった。ニコンのほうではない。キヤノンである。鳥の写真のカットに
「トリミングあり」という表記がある。それが作者の意図なら全く問題はないのだが
写真が崩壊していた。デジタル写真にありがちな「ノイズ」が目立つ、という評価を
する人もいると思うが、ノイズに関してはフィルムの「粒子が荒い」と同等であると
考えていることから、基本的にあまり気にしていない。現物を見ないと解りにくいが
直感的に感じたのが「崩壊」だったのだ。過度なトリミングを施したのが原因、だと
思うのだが、これを展示するときに撮影者が気付いていなかったとは到底思えない。
だとすると、写真の選択眼が機材に対して比例していないのではないか、と感じた。

一応「個人的には」と書いておくが、作例写真というならあくまでも、その機材での
少なくとも平均レベル以上の写真を見たいものだ。使用されていたレンズに対して、
現実的ではないが大きな興味を持っていたので、これには正直、心底ガッカリした。
ウチの店でも同じことがいえるかもしれないが、作例写真であるからこそ、目にした
お客さんがきちんと納得いくものにしたい。まだ買っていない、欲しいと思っている
ユーザーには、購買意欲を少しでも高めるように。そして、所有しているケースでは
「自分にもこういう写真が撮れる」という意識を掘り起こすために。そうでなければ
ただのスタッフ展示会だ。店で写真を飾るのは責任がある。でなければ意味はない。
作例に非ず_b0016600_13103914.jpg

AB (1D MarkⅡ/Ai-s Nikkor ED 600mmf5.6)
by keiji_takayama | 2010-05-16 13:11 | 上野動物園

いつもは中古カメラ店でカメラやレンズを売ってます。休日になると、望遠レンズを担いで各地の動物園や闘牛場で撮影活動。動物たちの表情を追い続け16年が経過しました。旅行会社で撮影ツアー講師を務めています。


by keiji_takayama