2010年 04月 03日 ( 1 )

やさしい説明書

フィルムだろうとデジタルだろうと、難しくても簡単でも、カメラを買うと必ず付属
されるものがある。それは使用説明書だ。最近の多機能なカメラは説明書も分厚く、
読むだけでも一苦労である。操作を説明するために別の説明が必要だったりするし、
途中で読むのが嫌になってしまうユーザーも少なくないだろう。こんな話をするのは
店でとても面白い説明書を見たからだ。実に解りやすく、簡潔な説明書なのである。

このカメラは昭和30年代に発売された。初心者でも簡単に扱えるというのがウリ 。
ブローニーフィルムを使用するため、ホルガなどのトイカメラに近いようだ。価格は
1950円。低価格ということも人気の理由で、当時はかなりの台数が売れたらしい。
さて。このカメラの説明書、タイトルが「やさしい写し方教室」だ。小さな冊子で、
24ページしかない。ページを開くと、カメラの写真と「ぶぶん」のなまえがある。
固定焦点で絞りが3つしかないので 、季節によりフィルムを使い分けようと勧めて
いる。そして感心したのは、当たり前のことをきちんと説明してくれていること。

■カメラのもち方
カメラのかまえ方(写すときの様子)は、どんな方法でもよいのですが、いずれにし
ても、しっかり落とさないように持って、シャッターを切ったときにカメラが動か
ないように注意しなければなりません。
■シャッターの切り方
カメラをいくら動かないように持つていてもシャッターを切るときに乱暴にしては
だめです。しずかに、心をしずめて、シャッターボタンを押すことが、よい写真を
作るのです。しずかに押すことがピントのよい美しい写真を作るコツなのです。
■フィルムと絞り
美しい写真を写すには、正しい露光がフィルムにあたえられなければなりません。
それを調節するのは、レンズの明るさ(しぼり)のやくめです。(露光というのは、
光がレンズをとおつて、フィルムにあたることをいうのです。フィルムにあたる光の
量が多すぎるときは、フィルムはまつくろになつてしまいます。(露光過度という)
光が少ないときにはうすくて写らないということになります。(露光不足という)

11から16へしぼるとレンズを通って入って来る光の量は半分にへります。更に、
16から22に絞ると又半分にへります。ですから11から22に絞ると1/4の光の
量になるのです。(ここまですべて原文ママ)

ほかにもいくつか項目があり、このような調子で進んでいく。最後にはアルバムの
作り方が書いてあった。美しい写真を撮影しても、そのままにしておくのは無駄な
ことだという。丁寧にアルバムに整理し、人に見せても恥ずかしくないように工夫
するだけでも、写真の楽しみがいっそう深く広くなると説いている。人情味のある
素敵な説明書だというのが率直な感想だ。今にして学ぶべきところが多々あった。
やさしい説明書_b0016600_23362523.jpg

AB− (D3/AF マイクロニッコール105mmf2.8)
by keiji_takayama | 2010-04-03 23:37 | 上野動物園

いつもは中古カメラ店でカメラやレンズを売ってます。休日になると、望遠レンズを担いで各地の動物園や闘牛場で撮影活動。動物たちの表情を追い続け16年が経過しました。旅行会社で撮影ツアー講師を務めています。


by keiji_takayama