2009年 12月 16日 ( 1 )

見えてくるもの

中古カメラ店でカメラやレンズの買い取り査定をしていると、見えてくるものがある。
クルマもそうだが、古くなったときにどのくらい価値や性能を残せるか、ということが
たいへん興味深い。自動車評論家の下で働いていたとき、事務所のM・ベンツE320を
よく運転していた。あちこち取材や試乗に出掛けるので走行距離も増える 。20万キロ
近く走っていた。当然あちこちガタがくるのだが、なんと驚くべきことに、走るための
基本的な性能のクオリティは、実際の走行距離を連想させないものであった。これも、
大きな信頼を寄せられる理由なのだろう。国産車がまだまだ足りない点の1つである。

話が逸れたが、学生の頃ポピュラーな存在だった標準50ミリf1.4。今では、カメラを
買うとまず最初に付属されるのはズームだが、かつてはすべて50ミリが付いていた。
この50ミリが買い取りとして持ち込まれると、半数以上は何かしらトラブルをもつ。
レンズの中にカビが生えたり、クモってしまうケースが最も多いのだが、これは大半が
使わずに放置したことによるものだ。しかし、どうやらここにもメーカーの差がある。
これはあくまでも主観によるものだが、ニコンレンズはクモリが少ない。他メーカーが
あまりにも多いので、その優秀さが際立っている。カビは保存状態の差もあるだろう。
しかし、クモリは経年劣化によると思われるケースがあるので、もともとの基本性能が
大きく左右してくる。売られていた当時から30年近い時間が経過し、こうした差として
現れてくるのだ。ライバルであるはずのキヤノンでは、代表的存在だった50/1.4が最も
クモリが多い。これは、この仕事を始めて驚いたことの1つである。そして、これから
また同じ時間が経過したときに、いま売られている機材はどうなっているのだろうか。

それを知ることができるのかどうかは解らないが、この先の進化より楽しみだと思う。
見えてくるもの_b0016600_2201322.jpg

AB (1D MarkⅡ/EF600mmf4L)
by keiji_takayama | 2009-12-16 02:20 | 金沢動物園

いつもは中古カメラ店でカメラやレンズを売ってます。休日になると、望遠レンズを担いで各地の動物園や闘牛場で撮影活動。動物たちの表情を追い続け16年が経過しました。旅行会社で撮影ツアー講師を務めています。


by keiji_takayama