第九回:一颯(十四歳/八王子)-龍勢(十歳/秩父)
先に入ってきたのは龍勢です。
秩父地域で打ち上げられる花火が名前の由来です。
どう声を出して、相手がやってくるのを待ちます。
対する一颯は、この日出場する牛の中では最年長です。
牛の十四歳は、人間で言うと70代くらいでしょうか。
高齢ですが、まだまだ素晴らしい闘いを見せてくれます。
ゲートが閉まりました。
一颯のような、下側に下がった角を持つ牛。
この場合は、相手の角の外側から角を使います。
相撲で言うところの小手投げ。
上から角を振って、相手の目の付近や耳の根本を狙います。
「よしたーい」
勢子さんの声が飛びます。
ちょっと考える両牛。
客席からは笑い声も出る、なかなか面白いシーンです。
しかし牛同士は、頭を離して相手を睨み、威嚇しつつ。
「どうやって戦おうかな」と考えているわけです。
龍勢が少し角を振りました。
しかし一颯、うまく距離を保っています。
「はいっ!」「よしたーい!」声が掛かります。
「先に動くと、相手に隙を突かれる!」
お互いがそう考えて、無理な動きはしません。
その中で、どうやって相手の隙を狙おうかと考えます。
この状況で、勢子が勢をかけます。
「ここで頑張るんだよ!」牛の動きを後押しします。
これに牛が応えます。
双方、隙がありません。
無理やり仕掛けると、外れたところを飛び込まれる。
そのことを両牛がちゃんと解っています。
どうにかして相手の隙を探したいところ。
そして両牛の目の向き。
黒目が必ず、相手の方を向いています。
一生懸命に相手を見て、考えているわけです。
振り方が悪かったら。
自分の目に相手の角が入ってくるかもしれません。
それでも、絶対に相手から目を離しません。
勢子の皆さんの声援が一段と大きくなりました。
さぁそしてつかまえる!
「とった?」
綱が掛かってからの攻防がありました。
意地を持つ牛、それを負けない勢子の意地。
いい闘いを見せてくれた両牛に、大きな拍手が送られます。
一颯、龍勢の順に引き上げました。
総カット:99
実況&解説:松田さん(山古志闘牛会)
実況アシスタント:樺沢さん















(1D X MarkII /EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM)

