次に登場する雄山は、今年注目している牛の1頭です。
開幕戦では角栄号との壮絶な闘いを見せてくれました。
今場所も、連続して出場します。タフさも魅力の一つ。
会が重なると、強い牛と当たる機会も増えそうです。
第九回:雄山(九歳/山古志)-柿乃花怒濤(七歳/岩手)
先に雄山、あとから柿乃花怒濤が入りました。
唸り声を上げる雄山。
激しい対戦が予想されるとアナウンスがありました。
柵際で観戦しているお客さんに注意を促します。
実際その通りの展開になりました。
赤牛が雄山、黒牛が柿乃花怒濤。
まずは双方、相手の出方を伺っています。
隙があったら飛び込もう、そんな様相です。
雄山はとにかく速い。そんな印象があります。
仕掛けようとした雄山、柿乃花怒濤が受け止めます。
速い動きを予想して、勢子は離れて声を掛けています。
雄山、跳ね上げて前に出ます。
柿乃花怒濤は体を柔らかく使って受ける。
客席から「おおー」という声。続いて牛の声が響く。
そして拍手。勢子が両牛を分けました。
最後は雄山がそれこそ怒濤の攻め、押しを見せました。
ここで中越高校放送部から質問が飛びました。
「牛が鳴いていました。いったい何があったんですか?」
雄山の攻撃が柿乃花怒濤の前足付け根に入りました。
ここはとても痛い場所。どうしても声が出てしまいます。
従って、無理させないタイミングで勢子が分けました。
それにしても、最後。雄山の押しは見事でした。
写真でいうと最後から2つめ、柿乃花怒濤を押します。
しかしこの場面、怒濤は座り込むような体勢を取って、
いったんは止めました。しかし、立ち上がろうとした
タイミングで再び押されます。これで柵際まで一気に。
これがラストに載せたカットです。
とはいえ、怒濤も意地を見せます。
一度は再び正面から向き合うまでのポジションに。
ところが、またしても雄山が横から突進しました。
柵を正面に見る体勢。逃げ場がなくなった怒濤。
雄山の左角は、怒濤の体をずっと捉えていました。
先に雄山が引き上げ。怒濤は残って声を出しました。
思うところがあったのでしょう。
総カット:175
司会:中越高校 放送部
実況&解説:松田さん(山古志闘牛会)
↑左が雄山。殺気すら感じさせる表情にも注目です。 ↑開始直後。もう雄山はスイッチが入っているよう。 ↑柿乃花怒濤の左角、当たっているようだけど。。。 ↑目元がギラギラしてきた怒濤。堂々と顔で受ける。 ↑当たると舞う土埃。まるで火花のように感じます。 ↑お互い睨み合う。怒濤は目元が充血してきました。 ↑前足で踏ん張り「どうだっ!」みたいな雄山です。 ↑雄山、跳ね上げて怒濤を押す。でもまだ余裕あり? ↑怒濤、真正面からぶち当たる。受ける雄山も見事。 ↑今度は目をしっかり開けて、怒濤を見据える雄山。 ↑雄山が見せるこの目線がいい。強さを感じますね。