続いては、九歳の山仁に六歳の斬鉄が挑戦する一番です。結果から書きますが、
押したり押されたりの繰り返しという展開ではなかったものの、激しい角の打
ち合いになりました。山仁は目元付近から出血します。見どころがとても多か
ったこともあり、359カット撮りました。そんなわけで、3部構成になります。
斬鉄は、痛そうな角を持っています。一方の山仁は、これからさらに上を目指
たりも見どころでしょう。痛い角にどれだか耐えられるか、注目していました。
第十回:山仁(九歳/大阪)-斬鉄(六歳/山古志)
先に斬鉄がやってきました。飛び跳ねながら走ってます。
本場所出場は8月以来ですから、とても嬉しかったのかもしれません。
そして、前足を折ってしゃがみ、首と角を地面に付けて左右に振りました。
気合が入ってます。「さぁ今日はどの牛とやるんだ!」相手を待ちます。
その間に再び角で地面を掘り、両前足で交互に土を蹴り上げます。
止まることがありません。
さぁそして、山仁の入場です。こちらも小走りで入りました。
両前足を使って、土を蹴り上げています。
そして中央へ。いよいよ始まります。黒牛が斬鉄、赤牛は山仁。
ぶつかった時点で、相手の牛に力があるということをお互いに判断しました。
先に仕掛けたのは山仁。さらに山仁、前に出ようとします。
しかし斬鉄、落ち着いて受けています。相手の隙を狙っているようです。
斬鉄の角、山仁の根元を傷めます。角がぶつかる音。
勢子の声も大きくなってきました。
斬鉄は派手さはないのですが、山仁の角の根元に右角を当てます。
これを警戒しながら、山仁は仕掛けどころを狙っています。
でも無理矢理仕掛けると、斬鉄に返されてしまいます。
そのことを山仁は知っているので、チャンスの時が来ないと出ません。
勢子が盛んに声を掛けて、両牛の気持ちを高めています。
両牛は角をぶつけ合い、捌き合っています。
細かな動きではありますが、とても早い。目で捉えるのはたいへんです。
前編で載せた写真は、14:17:58〜14:19:29まで。1分半ほどの展開です。
この短い時間に、たくさんのドラマが繰り広げられました。
ちなみに、中編は1分9秒、後編は1分14秒の攻防になります。
うまいこと1分少しで分けられましたが、これは意図していたわけでなく、
たまたま15カットずつ選んだらそうなりました。何とも不思議です。
(中編に続く)
※参考:勢子・松田さん(実況&解説) 、FMながおか・佐野さん(進行)。
↑開始直後のシーン。右が山仁です。最初からすごい目つきで睨んでます。
↑しかし、左の斬鉄も気合十分。足を広げます。山仁はちょっとビックリ。
↑山仁の角が斬鉄の目を覆い隠します。なんだかヒヤヒヤするシーンです。
↑両牛の角が、それぞれの耳下あたりに届きます。クロスカウンター気味。
↑瞑っていた目を開けて、やや上から見下ろす斬鉄。落ち着いています。
↑強い目線で近付いてくる斬鉄は脅威です。対峙する山仁の心中やいかに。
↑山仁の左角、斬鉄の目元付近にヒット!斬鉄の足に注目。浮いています。
↑伸びてくるような体勢から、山仁の耳に斬鉄の角が直撃。これは怖いぞ。
↑逆側ですが、斬鉄の左角が山仁に当たってる?短い斬鉄の角は石みたい。
↑低く構える両牛。山仁の角もかなり太いです。角の捌き合いを見せます。
↑山仁の右角が当たりそうですが、回避した感じの斬鉄。表情に出てます。