涼しくなり、牛の動きがより活発になった10月の角突き。いよいよ結びです。
ここで牧野郷が登場します。牛の名前だと充号、魚沼号などのように「号」を
使うケースをよく見かけますが、牧野郷は「郷」なんですね。気になったので
調べてみたら、「郷」という字は田舎や里、村の集合体の意味を持つのでした。
ああそうか、という感じです。この牧野郷は、長岡藩の現在の藩主に贈られた
牛でした。いわば殿様ですね。柿乃花ゴールドと同じ十五歳。まだまだ強い。
上を目指す「四天王」の壁となり、厳しさを教え込んでいたように思います。
第十三回:龍皇(九歳/長岡)-牧野郷(十五歳/長岡)
まずは龍皇の入場。元気に走ってきました。
大きい牛が飛び跳ねたので、客席からどよめきが起きています。
体重は1,100から1,200kgくらいありそう。それでいて動きが速い。
まだまだ年齢は若いですが、素晴らしい牛になってきました。
後から登場は牧野郷。のんびりと入りましたが、角で土を掘ります。
高齢ですが、厳しい攻めを持っている牛です。
両牛が中央に歩み寄り、頭を合わせて取組開始です!
両牛とも黒牛。お腹の下に斑が入ってているのが龍皇です。
まずは一発、牧野郷が仕掛ける。さらに牧野郷が角を振る!
右から左から角を細かく揺さぶって、前に出ます。
これに対して龍皇は、落ち着いて受けています。
牧野郷、右角で掛けます。柿乃花ゴールドと同じく、両角使いの牛です。
左角で掛けたと思ったら、今度は右角。右角で掛けたと思ったら次は左角。
これは相手にとってはたまったものではありません。
両利きの牧野郷に対し、龍皇は若さと柔らかさで挑んでいきます。
龍皇、左角で浅く掛けます。これでなんとか前に出ようとします。
牧野郷はこの角が外れたところを逆に仕掛けていこう、そんな戦略でしょうか。
勢子も大きな声を出し、手拍子を打っています。
牧野郷、さらに前に出る!龍皇、体の柔らかさで返していく!
勢子も一斉に「よしたー」と大きく声を出しました。
柵際、一瞬で牧野郷の横にくっつき、首を折り返して返す刀で前に出ていく。
若い龍皇が見せてくれます。
これに対して牧野郷、前から左右の角を使って前に出ます。
そして左角で掛ける。ここから龍皇の顔を横に向けさせたいところ。
しかし、龍皇は柔らかさと返す力を持っています。牧野郷は慎重です。
角が外れました、逆に龍皇が前に出る!カンッ、ドンッ、と音が聞こえます。
勢子の声がいっそう大きくなりました。両牛を分けます。
しかし、なかなかやめない両牛。
「足取ったかーっ!」勢子の緊迫した言葉も聞こえてきました。
見事に両牛は分けられ、闘牛場は大きな拍手に包まれました。
残りは10/23の特別場所、そして11/3の千秋楽。いよいよ2場所になりました。
※記事作成にあたり 、MC勢子・松田さんの解説を参考にしています。
↑左が龍皇。お互いの意地が感じられるカット。牧野郷の角、当たってる。
↑開始直後、牧野郷の先制攻撃に負けじと龍皇が放った一撃。お見事です。 ↑左が牧野郷。年齢を感じるところもありますが、気力と角力は若々しい。 ↑頭を付ける龍皇。横幅のある角が鼻先に届きます。表情を変える牧野郷。↑でも、角度によっては牧野郷の角が火を噴きます。右角が目元に当たる。
↑牧野郷、右角で掛けるシーン。さすがの龍皇も、これには感じるものが。↑龍皇の闘争心は強い。牧野郷に反撃します。目元スレスレに角の先端が。 ↑牧野郷の鼻の上に、龍皇の角の先端が届く。牧野郷はちょっとビックリ? ↑牧野郷、今度は左から。耳の下に当たったのでしょうか、まさに直撃だ。 ↑それぞれの角。牧野郷は筋肉モリモリポーズの腕みたいな角だなぁ。。。