今場所の取組が発表になった時、思わず声が出ました。ずっと楽しみにしていた、
大一番ともいえる組み合わせです。千秋楽結びにも匹敵する、と当初から言われ、
その期待通りの闘いを見せてくれました 。2020年度ベストバウトの一つとして、
ずっと語り継がれる戦いになるでしょう。そして今場所は残り3番となりました。
第十一回:新宅(八歳/梶金)-薬師大力(六歳/中野)
まずは新宅、主綱を掛けての堂々たる入場です。小走りでやってきました。
そして、ゴォーッゴオーッと低い声でずっと唸ってます。気合十分の雰囲気。
もう何かしらこの日の対戦に対して感じるものが大いにある、そう見えます。
そして薬師大力。こちらも主綱を掛けて入ってきました。これまた立派です。
解説の松田さんも「ワクワクする一番」とアナウンス。いよいよ開始です!
頭を合わせて、一斉に勢子が大きな声で「よしたー」と勢を入れました。
ガツンッ、おおー。いきなり角がぶつかり、場内が盛り上がります。
新宅がまず一発二発と叩きました。薬師大力は頭を低く下げて構えます。
「はいっ」「それいけ!ほら!」勢子も盛んに声を掛けます。
ドンッ。おお。新宅が再び叩く。しかし薬師大力は慌てません。
新宅が仕掛けるところを、薬師大力が切り返して出る!
ここまで、取組開始から1分15秒ほどです。
掲載した写真は、最初が14:30:22 最後は14:31:22 でした。
つまり、ちょうど1分しか経過していないことになるわけです。
この1分間に、これだけのドラマが展開されました。
当然まだ終わりません。後編に続きます。
※記事作成にあたり 、MC勢子・松田さんの解説を参考にしています。
↑左が薬師大力。2020年ベストバウトの一つに数えられる名勝負でした。
↑開始直後の先制攻撃は、左の新宅。薬師大力は低く構えて対応しました。 ↑目が近い!接近戦から左の角を新宅に当てる薬師大力。ちょっと痛そう? ↑お互いビックリしたような表情を浮かべています。相手が強いと感じた? ↑新宅、頭からぶつかると同時に角攻撃も仕掛けます。これはたまらんな。↑睨み合う両牛。こんなシーンは意外と少なく、連続の攻防がありました。 ↑これは強烈、薬師大力の右角フック。前足が宙に浮いています。すごい。↑これも薬師大力の攻撃。新宅の前足と薬師大力の後ろ足が浮いています。 ↑薬師大力のジャンピング攻撃?新宅は前足を折って受けます。目は真剣。 ↑新宅、薬師大力の角の下に自分の角を入れてアタック?目がギラギラだ。
↑薬師大力、新宅の角の下に自分の角を入れようとします。踏ん張る新宅。