次の取組もかなりの好取組だと思います。「四天王」の一頭、速攻が得意の
柿乃花黒ダイヤ 。一大勢力を誇る、柿乃花軍団の副将にあたります。そして
今回の相手は三五兵工 。今年とても好調です。年齢は十三歳と高齢ですが、
それを感じさせない 、積極的な攻めを見せます。十五歳の牧野郷と同じく、
成長株の若い牛の前に立ちはだかる存在。さぁどうなるか 、ワクワクです。
第十回:柿乃花黒ダイヤ(八歳/岩手)-三五兵工(十三歳/中野)
まずは柿乃花黒ダイヤが入ってきました。
ゲートを通るとすぐに、まま掘り(角で地面を掘る仕草)を見せました。
柿乃花黒ダイヤは「まま掘り大将」だと勝手に思っています。
ただその場で掘るだけではないのです。掘りながらなんと、前に進みます。
まるで黒い鯉が泳いでいるような印象さえ受けるほど。
別の見方だと、まさに畑を耕しているようなイメージでしょう。
角で掘り進むと、土が宙に弾け飛びます。これがまたすごい迫力です。
場内を堂々と歩き、どう声(低い唸り声)を出します。
続いて前掻き(前足で土を蹴り上げる)。
仕草三点セットをすべて見せました。気合満点で相手を待ちます。
そして三五兵工の入場。こちらはベテランらしく、悠然としています。
少しだけまま掘りのような動きを見せますが、すぐに歩き出しました。
かけていた主綱を外し、準備を静かに待っています。
一方の柿乃花黒ダイヤ。早く闘いたいのか、しきりに体を動かしています。
両牛が中央にやってきました。いよいよ始まります!
勢子が最初から声を出しています。角のぶつかる音。
まずは黒ダイヤが左角を一発二発と、三五兵工の額に打ち込みます。
三五兵工はこれを全く意に介さず、黒ダイヤの隙を狙っています。
しかし三五兵工はうまく体を躱し、再び頭を合わせます。
さすがの瞬発力です。そして速い。場内も大いにざわめきました。
これに対し、三五兵工が怒りました。右角で一発。カツーン、と音が。
勢を入れる勢子。
三五兵工は隙を見せないようにしています。
黒ダイヤは「隙を見せたら一発で押し込もう」と狙う。
勢子の声も大きくなります。今度は三五兵工が前に出ました。
黒ダイヤが右角で叩けば、三五兵工も返していく。
押し込もうと試みるも、黒ダイヤが体の柔らかさを使って防ぎました。
すごい対応力。エビ反りのような体勢になっても首を使います。
勢子がいっせいに「よしたー」と声を出しました。
ドンッ、カンッ、ドンッ。攻防がある、ポイントの多い角突きです。
音はまだ響きます。まさに真剣勝負です。
やがて時間いっぱい。勢子が追い、離れたところで鼻を取りました。
引き回し。
三五兵工は再び主綱を着用。客席からは「立派だね」の声が聞こえます。
しかしまだ物足りないのか、低く唸り、向かって行くような素振り。
若い勢子が落ち着かせて、先に引き上げました。
後から柿乃花黒ダイヤも続きます。こちらは軽やかな足取りでした。
※記事作成にあたり 、MC勢子・松田さんの解説を参考にしています。
↑左が柿乃花黒ダイヤ。期待通りの、激しい闘いが繰り広げられました。
↑三五兵工、角が当たったか。なんとも形容しがたい表情を浮かべます。↑序盤のハイライト。一瞬の隙を見つけた黒ダイヤが三五兵工を押した! ↑中央に戻ってきました。三五兵工は油断ならぬと顔を引き締めてます。↑角の大きさを比べると、歴然としています。三五兵工の角、でかいな。 ↑角でガッチリと組み合いました。まるでプロレスの力比べのようです。↑黒ダイヤ、上から押さえつけるような攻撃。三五兵工は角で防御態勢。 ↑太くて大きい三五兵工の角。使い方もいろいろ。眉間にピタリと照準。 ↑位置が変わって、左が三五兵工。すごい睨みで黒ダイヤに対峙します。↑黒ダイヤが鼻から出血。激しい闘いです。でも決して弱音は吐かない。 ↑激しいシーン。双方がぶつかり、砂埃が舞っています。顔は黒ダイヤ。 ↑足じゃんけんやってますか?黒ダイヤはグー、三五兵工はパーですね。
↑斜めから黒ダイヤを見据える三五兵工。この表情、カッコいいなぁ。。↑三五兵工の角、黒ダイヤの眉間に炸裂!さすがに顔を顰める黒ダイヤ。 ↑終了まで激しくぶつかり合いました。両牛とも、目が輝いていますね。
(1D X /EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM)