10/11 山古志闘牛 庵-龍勢

牛持ちご家族の大きな愛を受ける庵。勢子に負けない声援にも注目です。

声が聞こえると、庵も頑張ろうとする。そんなことを感じてしまうほど。

今回は、秩父の花火に因んだ名前を冠した「龍勢」との闘いです。いざ。 

 

第六回:庵(八歳/釜ケ島)-龍勢(六歳/秩父) 

 

先に入場は龍勢。

ゆっくり歩いてきましたが、入場ゲートを過ぎると小走りに。

そして、土の感触を確かめました。立ち上がり、相手を待ちます。

続いて、主綱を付けた庵がやってきました。

こちらも龍勢と同じように、顔の下を地面に付けてゴシゴシ動かします。

やる気を見せたか、七回ほど低い声で唸りました。

顔を斜めにした庵、待っていた龍勢のところへ。いよいよ始まります。 

 

早くも勢子が声を出します。角のぶつかる音も聞こえました。

庵がまずは角を使って、龍勢の額を掘るように狙います。

ここで龍勢、「どうやって飛び込もうかなぁ」と考えました。

左右の角を細かく振る庵。とにかく龍勢の額を攻めようという感じ。

「いおりがんばってぇ〜」小さな体の大きな声が聞こえてきました。

さすがは応援団長!複数の勢子が声を出していても、ちゃんと届きます。

(あっ、ちなみにこの応援団長、なんと営業部長も兼ねているそうです。)

「はいっ!」「よしたーはいっ!」勢子の声。

庵、右角を掛けて前に出ようとする、龍勢は回り込もうとする。

「いおり〜がんばってぇ〜」「がんばってぇ〜いおり〜」

庵に大きな声援が飛びます。これは届いているでしょう。

声援を受けて、庵が右角を掛けて出ようとします。

これに対して龍勢、掛けられた角を外すため、首を柔らかく使います。

庵は角を掛ける、龍勢が外す、再び庵が右角を掛けて前に出る。

「がんばってぇ〜」

龍勢としては、なんとか庵の右角を掻い潜って攻めたいところ。

こんどは逆、左から攻める庵。龍勢はこれを返そうとする!

「おお〜」と会場からどよめきが。庵がパッと頭を離しました。

今場所は会場に赤ちゃんもいます。おそらく何かを感じているのでしょう、

「うー!」という声も聞こえてきます。どう映っているのか興味深いです。

それに混じって、元気な「うんちー!」が聞こえるけど。。。大丈夫かな。 

 

場内を小走りで移動する庵。客席を向き、いったん止まります。

勢子は深追いせず、ゆっくりと庵の様子を見ています。

どうやら足場の悪いところに入って体を回しきれず、頭を離したようです。

この場合、勢子は牛の後ろ足に綱を掛けて捕まえたいところですが、

庵は「足に綱を掛けられる」のが嫌なので、落ち着かせて鼻を取ります。

これも勢子の見事な技の一つ。無事に引き分け、場内は拍手に包まれました。 

 

引き回し。

応援団長もやってきました。鮮やかなブルーの庵パーカーを着ています。

自ら先頭に立って、綱を持ちます。このあたりはさすが営業部長です。

庵、龍勢の順に引き上げました。 

 

※動画は山古志闘牛会のYouTubeチャンネルで。登録もお願いします。

※記事作成にあたり、MC勢子・松田さんの解説を参考にしています 。

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↑右が庵。応援団の声援もあり、龍勢の厳しい攻撃に耐えて頑張った!
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↑開始直後、龍勢が挨拶変わりに一発。できれば遠慮したい挨拶です。
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↑体勢が変わり、右が龍勢。角の先端同士が、見事に触れあいました。
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↑「どんなもんだい」とばかり、庵を押さえつける龍勢。山のようだ。
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↑龍勢はひたすら、庵の顔中心付近を狙います。受ける庵も真剣です。
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↑龍勢、横から左角で庵の眉間に角を当てます。庵は辛抱の時間です。
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↑これは庵がいい表情です。低く構えた龍勢に立ち向かっていきます。
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↑向き合う両牛。庵は角を龍勢の下に入れて、そのまま掛けて出たい。
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↑庵、気合が入ってます。これは龍勢が足を踏ん張って守ってるかな。
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↑龍勢、仁王立ち。押すのはかなり難しそうです。いおりがんばれー。
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↑厳しい龍勢、右角ストレート一閃。さすがに庵も表情を変えました。
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↑龍勢、またも右角を当てます。しかし、庵も右角を当ててるのかも。
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↑強い目線で睨み付ける龍勢、庵は落ち着いているようにも感じます。
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↑またしても龍勢の右!徹底的に、顔の中心を狙っているようでした。
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↑前足を折って耐える庵。このあと頭が離れ、引き分けになりました。 

(1D X /EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM)

by keiji_takayama | 2020-10-17 19:12 | 山古志闘牛場 | Comments(0)

いつもは中古カメラ店でカメラやレンズを売ってます。休日になると、望遠レンズを担いで各地の動物園や闘牛場で撮影活動。動物たちの表情を追い続け20年が経過しました。旅行会社で撮影ツアー講師を務めています。


by keiji_takayama
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