10/11 山古志闘牛 伊之助-響

次は、赤い毛に白が混じった「粕毛牛」の伊之助と、黒牛の響が闘います。
初めから写真の話になりますが、この組み合わせは撮影泣かせなんですね。
伊之助に露出を合わせると響はアンダーに。逆はオーバーになるからです。
陽が当たるとそれなりに解消されますが、曇りだとコントラストが低いし、
難しいと感じることが多いですね。頑張ったところが記録できたのでよし。

第五回:伊之助(五歳/山中)-響(四歳/新潟)

先に響が入ってきました。小走りで、小さく跳ねてます。
今回から綱を取っての対戦となる響。
事前にそれを知らされていたのか、ワクワクしているようにも感じられます。
前後左右によく動き、気合が入っている様子です。
そして、後から入場は伊之助。年上らしく、堂々たる足取りです。
牛持ちさんのことを、首を少し傾げながらずっと見ています。
一方の響。そわそわしていました。対戦が楽しみなのでしょうか。
両牛が近付きました。頭を合わせて、取組開始です。

頭や角をぶつけ合っているかのような両牛。やや静かなスタートです。
まずは響が先に仕掛けました。年上の伊之助に対し、胸を借りる立場です。
これに対しての伊之助ですが、なんと。。。響の周りで飛び跳ねました。
どうやら、喜んでいるようです。広い場所に出てきて、嬉しくてたまらない。
とはいえ、こんなことができるのは「相手が怖くない」からです。
そして年上の伊之助が怖さを見せなかったので、響にも余裕が出ました。
両牛のこの対応。闘牛場に慣れてきて、「自分の場所」になった証です。
そうこうしているうちに、離れてしまいました。そのまま回るような仕草。
遊んでしまってはいけないと、響にはここから綱が付けられました。
頭を合わせて、勢子が大きな声を出します。手拍子も聞こえてきます。
それに反応するかのように、それぞれが動きます。
伊之助は響に対して余裕を見せます。
勢子が「よしたー」と声を掛けて、牛に気合を入れ始めました。
響は伊之助を押したいのですが、重たい伊之助、なかなかうまくいきません。
勢子の声が場内に響きます。
伊之助は少しずつエンジンがかかってきました。響はまだのようです。
年下ではありますが、心には余裕がありそうです。「大物」の片鱗でしょうか。
こうした牛が意地を持つようになると、素晴らしい牛に成長します。
伊之助は右角を使って掛けながら出ますが、響は首を預けてこれを受けます。
響は伊之助の横に付いて受けようとしています。
しばしの攻防が続き、二人の勢子がスッと鼻を取って引き分けました。

双方余裕がありすぎたようにも感じられる取組でした。
こうした牛が本当の力を出してくるのは、もっと成長してからです。
そんな課程を見るのも、角突きの楽しみ方の一つといえるでしょう。
大きな拍手が送られ、響、伊之助の順に引き上げです。
引き上げる際にも、双方がお互いに視線を投げていました。

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※記事作成にあたり 、MC勢子・松田さんの解説を参考にしています。
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↑開始直後。左が伊之助です。響は何か別のことを考えているのかな。
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↑いえいえ、そんなことはありません。きりっとした顔を見せました。
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↑上から押さえつけるような攻撃を見せます。見据える目線が厳しい。
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↑と思ったら、離れてしまいました。横目でちらっとお互いを見てる?
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↑何か考えているのか、伊之助。このあと勢子が再び頭を合わせます。
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↑響、肘鉄ならぬ角鉄を見せます。鼻についた輪っかもいい感じです。
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↑横につく響を押すのか押されるのか。伊之助が気合の乗った表情に。
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↑おっ、響の横から攻撃で伊之助が押されそう。踏ん張って耐えます。
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↑「あら、おっとっと。」みたいな伊之助。でも、まだまだ余裕あり。
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↑響に向かう伊之助の表情。顔を横向きにして、睨み付けていました。
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↑響の突進を受け止める伊之助。響がなんだか競走馬に見えるのです。
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↑低く構える両牛。響は随分頭を下げて、角で防御しているようにも。
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↑今度は伊之助が押し込みます。響は左前足を折り曲げ、耐えました。
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↑躍動感のある伊之助。そろそろ、エンジンがかかってきたようです。
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↑再び伊之助に押される響。今年はこれまで全場所に出場しています。

(1D X /EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM)

by keiji_takayama | 2020-10-16 22:26 | 山古志闘牛場 | Comments(0)

都内中古カメラ店スタッフ。動物園撮影は20年が経過しましたが、ここ数年は山古志の闘牛写真がメイン。全取組を写真で紹介しています。かつてはクラブツーリズムの撮影ツアー講師でした。


by keiji_takayama
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