綱を付けたまま頑張る牛がいれば、ついに綱の取れる牛もいます。
次に登場する文平がそうです。これ、牛にとっても嬉しいと思います。
「オレは解き放たれた!」そう感じ、嬉しく動き回ることもありそう。
そしてこれは、牛持ちにとっても嬉しい瞬間になるのです。
ある意味、記念すべき角突きになるでしょう。そして相手は二つ年上。
第四回:小太郎(六歳/山古志)-文平(四歳/虫亀)
闘牛場に牛が入る前から、大きな唸り声が聞こえてきました。
これはたぶん、出番待ちの柿乃花黒ダイヤ。アピールしています。
でも、番が回ってくるまでもうちょっと時間がかかるかな。。。
さて、先に小太郎が入ってきました。年上らしい、堂々とした姿です。
後から文平。少し飛び跳ねるような、小走りで元気いっぱいの様子。
中央に歩み寄って、頭を合わせて、取組が開始されました。
勢子も盛んに声を出しています。
初めて綱を取っての対戦となる文平、一生懸命攻めようとしています。
対して小太郎は、落ち着いて受けています。
体の柔らかさを使って、若い文平の攻めを受け流しています。
さらに文平は押し込みますが、小太郎は柵際でもうまく回り込みます。
そして、柔らかさを使って場所の真ん中に戻ってきました。
文平、小太郎の角の下に自分の角を入れて、掛けて攻めようとします。
しかし、柔らかさでこれをパッと外す小太郎。文平の攻めを躱します。
攻め込まれても、慌てる素振りが全くありません。
小太郎、若い文平に「お前もっと攻めてみろよ」と言っているかのよう。
なんとか攻め込みたい文平。ガツン、という音が響きます。
双方とてもよく動いています。頭と角を振って、休む暇はなさそうです。
いったん頭を離し、ちょっと考えるような仕草を見せたのは小太郎。
「こうたろぉ!」男の子の大きな声援が飛んでいます。
そして合図が出ました。勢子が牛と一緒に走りながら、鼻を取ります。
牛が見事に分けられました。大きな拍手。
この文平は、解説を務める松田さんの愛牛。
「初めて綱を取り、なんとか無事に突いてくれてホッとしています」と笑顔。
文平が先に、あとから小太郎が引き上げました。
※記事作成にあたり 、MC勢子・松田さんの解説を参考にしています。
↑左が文平。二歳年上、小太郎の胸を借りました。一生懸命頑張った!
↑角を当てるけど、やや不安げな文平。上から角を振り下ろす小太郎。
↑横から顔ごと体当たりの文平。捨て身の攻撃に、小太郎も身構えた。 ↑小太郎の横を攻めようとする文平。天然パーマみたいな体毛も魅力。 ↑低い位置から睨み合う両牛。年下の文平、気迫では負けてないぞ!! ↑前足のつま先を立てて、小太郎に向かいます。目線も一直線ですね。 ↑小太郎、足を伸ばして踏ん張る。文平は気合の入った攻撃を見せる。 ↑右左と絶え間なく、積極的な動きを見せる文平。小太郎は受け流す。↑文平、小太郎とも目の周りが赤くなり、力強い攻防が展開されます。 ↑小太郎は文平を見据え、「もっとやってみろよ!」と教えてる感じ? ↑この写真を見たら、高山VSドン・フライの試合を思い出しました。 ↑文平、再び横から狙う。目線と前足の様子から、気合が伝わります。