8/15 山古志闘牛 新宅赤パンダ-充号 後編

第五回:新宅赤パンダ(六歳/梶金)-充号(五歳/池谷)

話は昨年五月に遡ります。
赤パンダは当時「新宅」を名乗っていました。

2019年5月26日 山古志闘牛 新宅-充号

この日、新宅(赤パンダ)は充号との取組でした。
内容は充号の見事な展開。横に回られて、下から突き上げられます。
これで体が浮いた新宅は、戦意を喪失したようにも見えたのです。
客席からは「充号の勝ち ! 」という声も聞こえるほどでした。
牛自身も、ひょっとしたらそれを感じていたかもしれません。
赤パンダにしたら、とても悔しい思いをしたことになるわけです。
牛の記憶力については全く知りませんが、もし覚えていたとしたら。
そして、リベンジのタイミングをずっと待っていたとしたら。

今回の充号戦は、またとない絶好の機会だったわけです。

では、どこでそれを思い出したのか。
闘牛場で入った瞬間に解ったのか、あるいは闘いを始めるために、
充号の前に連れてこられた時だったのか。
そう考えると、先制攻撃の一発はまさに「挨拶」だったことになります。
充号にしてみれば、以前とても有利に闘いを進められた相手です。
何か思い出したとして、それを肯定できない「気」を感じたとしたら。
慎重な行動にはこんな背景があったのではないか、そう感じるのです。

そして、「オレはあの時のオレではない。必ずリベンジをする。」

もしも赤パンダがそう考えていたとしたら、それが大きな力となって、
充号に立ちはだかっていた、そう思ってしまうのです。
実際、赤パンダの気合は相当なものでした。しかも冷静です。
これは相手にとっては脅威でしょう。まして、一年越しの思いです。

そして結果的に、赤パンダは見事な攻撃を見せました。
以前何度か書いた山王のように、牛は悔しさを忘れないのでしょう。
この日撮影した280カットのすべてを見て、そう解釈しました。
毎回そうなのかもしれませんが、赤パンダの写真では1カットも
目を瞑っているシーンがありませんでした。
怖いほど落ち着き、そして冷静な表情を見せていたように感じます。
手放しで喜べるような状況ではありませんが、一段と強くなった。
そんな感想を抱くのに時間はかかりません。まだ若い六歳ですし、
これからが楽しみです。ケガに注意し、新宅と兄弟横綱を目指そう。

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※記事作成にあたり、MC勢子・松田さんの解説を参考にしています。
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↑左が充号、右は新宅赤パンダ。向き合うシーンは少なめでした。
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↑赤パンダが下から跳ね上げようとしてる ? 去年はこれをやられてしまったのです。
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↑またしても赤パンダの角が充号の目元に。完全に狙っているような感じです。
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↑がっぷりと組み合う両牛。どちらも気合が入ってます。
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↑赤パンダの左角、今度は充号の瞼上のところに。
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↑充号は上から。下を見ると、ちゃっかり赤パンダが角を当てに来ています。
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↑これまた、赤パンダの目元攻撃。執拗に狙いを定めているようです。
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↑今度は瞼のすぐ上辺りを。赤パンダは相変わらずのポーカーフェイス。
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↑充号の目線もいい感じ。相手が「あの時」の牛だと解っているのかな。。。
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↑またしても、目元に一撃。ちらりと見える赤パンダの表情がすごい。
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↑押された ? 頭がぶつかり合って、土が跳ね飛びました。
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↑充号の横に入る赤パンダ。様子見の充号でしたが、このまま押されます。
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↑横にして、そのまま突進していきます。あまりの速さにビックリでした。
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↑首が上がりました。まだ余裕があるような表情の充号でしたが。。。
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↑このあと追われますが、再び赤パンダに向き直って闘おうとしました。凄い。
(1D X /EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM)
by keiji_takayama | 2020-08-29 11:37 | 山古志闘牛場

いつもは中古カメラ店でカメラやレンズを売ってます。休日になると、望遠レンズを担いで各地の動物園や闘牛場で撮影活動。動物たちの表情を追い続け16年が経過しました。旅行会社で撮影ツアー講師を務めています。


by keiji_takayama