8/2 山古志闘牛 景虎号-庵

第八回:景虎号(十五歳/栃尾)-庵(八歳/釜ヶ島)

前の取組、おそらく最後の場面で山闘が足を痛めてしまいました。
このあと牛や勢子に怪我がないよう、塩を蒔いて場内の清め直しです。

さて、この一番。
景虎号は十五歳。人間に例えると七十代です。対する庵は八歳。
大先輩の景虎号に、庵が挑む展開です。
景虎号はこれまでの闘いで角の片方が折れ、左右の長さが異なります。
体にも年齢が出ていますが、まだ怖さを持っている、そんな牛です。
まずは景虎号の入場。ゲートに入ってすぐ、角で地面を掘る仕草。
体重は全盛期より100kgほどは落ちているでしょうか。
それでも気迫、気合が感じられます。今日は乗っている様子です。
あとから庵、面綱を顔にかけて登場。こちらも地面を掘っています。
牛持ちが家族皆で大切に飼育している庵。応援団も準備万端です。

黒牛が景虎号、赤牛が庵。
取組開始と同時に、カンッカンッと角がぶつかる音が響きました。
体を見れば、七つ年下の庵の方が大きいです。体重差もあるでしょう。
しかし景虎号は、「隙があったら飛び込んで一気に決着をつけてしまおう」
そんなことを考えているかのような、怖さを持っています。
景虎号、右角で庵の額を掘る ! 庵は怯むことなく頭を合わせます。
「いおりー、がんばってー」「いおりがんばれー」声援が届きます。
庵の牛持ちさんの一人は、四歳の女の子です。応援団長も務めます。
ゲートのところで、一生懸命。大きな声で庵を応援しています。
景虎号が右角を使えば、庵も右角を返していく。また景虎号、角を振る。
「いおりー、がんばってー」声援は庵にもきっと届いていますね。
その声に応えるように、右角を振って景虎号に挑んでいます。
勢子も声を出して、両牛の気持ちを高めています。
庵は力で出ようとしますが、迂闊に攻め込むと景虎号に狙われる。
それを庵は理解しています。それほど景虎号の気合が乗っています。
「いおりがんばれー」「いおりー、がんばってー」応援団も声を出します。
庵は押し込みたい、でも景虎号はここまでの経験を見せつけている。
なので、迂闊に飛び込めない庵。角を振って、様子を見ているようです。
右角を掛けて前に出ようとする庵。景虎号は距離を詰めていく。
庵、右角を使う。応援の声に、なんとか応えようとしている感じ。
双方、額から赤いものが滲んでいます。そのくらい角を使ってます。
しかし、相手がそれに怯まない。勢子も大きな声を出しています。
そして時間いっぱい。
まず景虎号の足が取られました。しかし、庵の足は綱が外れフリーに。
綱が掛けられている景虎号ですが、なんとそのままぐるっと回ります。
庵はフリーの状態で、同じく回る。両牛が離れ、勢子が庵の鼻を取る。
しかし庵が向きを変えて走り出す。目の前には景虎号の姿。
これで景虎号が刺激されたのか、猛然と庵を追い始めました。
やや興奮状態の庵。この場面、応援団はフォローを忘れません。
「いおりおちついて」と声を飛ばしていました。
やがて両牛がそれぞれに別れ、引き分けとなりました。

引き回しでは、応援団長の女の子が笑顔で庵を引いていました。嬉しそう。
まだ四歳なのですが、立派に場内を歩いて庵の健闘を讃えていました。
足取りもしっかりしてます。それでいて女の子らしく、カラフルな長靴。
景虎号も堂々の引き上げです。その凄さ、七十代とはとても思えない。。。

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※記事作成にあたり、MC勢子・松田さんの解説を参考にしています。
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↑左が景虎号、右は庵。角や頭がぶつかるたびに、砂埃が舞っていました。
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↑景虎号の角の立派さがよくわかるシーン。庵のヒゲみたいに見えてしまう。。。
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↑庵の左角が当たったのか、表情を変える景虎号。庵はいい動きでした。
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↑庵はこのように、やや斜めから角を入れる攻撃が何度か。とてもいい表情です。
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↑両足で踏ん張る景虎号、強い目線で立ち向かう庵。意志の強さが垣間見えます。
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↑頭を下げて、角を使おうとする庵。それにしても、日差しが強かった。。。
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↑今回は庵も気合が入っていたように思います。いつになく真剣な表情でした。
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↑写真を見るまで気付きませんでした。景虎号、左角の根元を負傷しています。
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↑庵は何度か、景虎号の左角根元を狙っていました。景虎号、よく耐えました。
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↑庵の角も立派です。こうして見ると、刀を振り回しているような印象が。
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↑景虎号の血が庵の角に付着しています。激しい闘いになりました。
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↑庵のこの表情、カッコいいです。景虎号はかなり痛かったと思うのですが。。。
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↑景虎号の角、この距離でも届きます。刃(やいば)をピタッと向けるイメージ。
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↑角で仲良く四角形を作っている。。。はずもなく、ただの偶然です。
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↑最後まで気も力も抜かず、素晴らしいオトコっぷり。こんな七十代、いないぞ。
(1D X /EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM)
by keiji_takayama | 2020-08-15 08:00 | 山古志闘牛場

いつもは中古カメラ店でカメラやレンズを売ってます。休日になると、望遠レンズを担いで各地の動物園や闘牛場で撮影活動。動物たちの表情を追い続け16年が経過しました。旅行会社で撮影ツアー講師を務めています。


by keiji_takayama