7/24 山古志闘牛 充号-柿乃花怒濤

第六回:充号(五歳/池谷)-柿乃花怒濤(五歳/岩手)

充号、入場。まだ年齢は五歳ですが、とても大きくなりました。
来年あたりは、この牛が最も大きくなるかもしれません。
今はまだ骨が大きく、肉がそこまで乗っていません。
しかし、これが来年再来年、肉が乗ってくると体に厚みが出ます。
大きな、素晴らしい牛になってくれると期待しています。
そして、首には六月の場所で受けた傷が残っています。
何度か低い声で唸り(どう声)、後から入ってくる牛を威嚇します。
こうやって、戦闘態勢を整えていくのです。
そして、柿乃花怒濤が入りました。こちらもやる気満々の様子。
最初から目が離せない展開になりそうです。
黒牛の柿乃花怒濤は、速攻型の牛。さて、どうなるか。

取組が始まり、まずは柿乃花怒濤が挨拶代わりの一発。
いったん頭を外すも、すぐに柿乃花怒濤が入って押し込みました。
場内が大きく盛り上がります。歓声も大きく響きました。
充号はこれを、首の柔らかさで受け止めます。
柿乃花怒濤が先に仕掛けようとしたものの、これが外れたところを、
充号が切り返します。前席から「すごいすごいすごい」と女性の声。
ドンッと鈍い音がしました。
頭の切り替えの早さ。
充号が仕掛けたと思いきや柿乃花怒濤が切り返す。
柿乃花怒濤が仕掛けたと思ったら充号が切り返している。
双方が見せてくれます。
勢子も大きな声を出します。「それいけおら ! 」気合が入ってます。
ドシッという音。
双方、相手に飛び込まれてもそれぞれが切り返しを狙っています。
充号が仕掛けるも、柿乃花怒濤がうまく受け止める。
またもや、客席が一気に盛り上がります。まさに興奮のるつぼ。
ドンッという音。
充号が仕掛けて角が外れたところ、柿乃花怒濤が飛び込む ! !
それを充号が首を預けて受けます。「よしたー」勢子の声。

合図のあと、勢子が両牛を止めようとします。
ところが、両牛はまだ闘っていました。充号は柿乃花怒濤を押します。
これを避けるかのように柿乃花怒濤が走り、勢子が追う展開に。
充号、柿乃花怒濤。それぞれの足には綱がかかっています。
しかし、勢子が六人で引っ張ってもまだ充号は前に進もうとします。
柿乃花怒濤はこの間、勢子から離れるように走ります。
こちらも勢子が五人で追いますが、なかなか追いつきません。
速い、牛が速い。
なんとか追いついて鼻を取ると、場内からは大きな拍手が。
これはまさに牛と勢子の攻防でした。動画で見ると解りやすいです。
充号、柿乃花怒濤の順に引き上げ。再び大きな拍手が送られました。

この一戦。
充号はどうやら、勢子が引き分けに入る瞬間を狙っていました。
このタイミングで、勝負を決めに出ようとした、そう思えました。
この地域独特の、「引き分け」の習俗。
経験のある牛からすれば、勝負どころにもなるわけです。
勢子はそういう牛を解っていますので、皆で止めに入ろうとします。
ところが、この闘いは牛同士が速すぎて勢子がついて行けない、
そんな場面がありました。多くの人は、牛はのんびりしているという
イメージを持っていると思います。ここを知るまではそうでした。
しかし、牛に本気で走られたら、人間は絶対に付いて行けません。
それでも勢子は、綱のない状態で走る牛を、なんとしても捕まえます。
牛と人との真剣勝負。
牛同士の素晴らしい闘い、それに負けない勢子の動き。
こんなところも、闘牛の大きな魅力だと思います。
もう少し撮影の経験と知識を積んだら、いずれはこういう瞬間の写真を
狙いたいですね。勢子と牛の、意地が交錯する瞬間。難しそうだけど。

※動画は山古志闘牛会のYouTubeチャンネルで。登録もお願いします。
※記事作成にあたり、MC勢子・松田さんの解説を参考にしています。
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↑左は柿乃花怒濤、右が充号。仕掛ける柿乃花怒濤を見据える充号の目線。
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↑一発挨拶のあと。柿乃花怒濤が充号を押し込みます。気合が入った表情。
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↑セリフ入れ選手権の課題になりそう。柿乃花怒濤の角、当たってるのか。。。
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↑躍動感のあるぶつかり合い。弾け飛ぶ泥。
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↑充号の表情がすごい。冷静沈着に相手を倒していく、そんなイメージです。
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↑充号の目の先には柿乃花怒濤の角が。そしてこのあと、角が当たります。
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↑別のタイミング。柿乃花怒濤は左角で、充号の目元付近を執拗に攻撃します。
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↑これまた左角。充号「そんなの効かねえよ」目線が強い。意志も強そうです。
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↑柿乃花怒濤、充号の見えないプレッシャーを感じるのか。角は当ててるけど。
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↑頭が当たって火花が飛び散る(?)シーン。露出オーバーだったのは残念。
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↑今度は充号の攻撃。足を広げて踏ん張る柿乃花怒濤。
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↑時折見せる、充号の冷徹な表情。首元の傷はこれでしょうか。
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↑両牛とも気合入ってます。やがてこの取組が、「結び」になるかもしれません。
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↑柿乃花怒濤、何か感じてる ? 充号のプレッシャーはかなりのものです。
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↑柿乃花怒濤の後ろ足には綱が掛けられています。それでもまだ闘っています。
(1D X /EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM)
by keiji_takayama | 2020-07-30 00:54 | 山古志闘牛場

いつもは中古カメラ店でカメラやレンズを売ってます。休日になると、望遠レンズを担いで各地の動物園や闘牛場で撮影活動。動物たちの表情を追い続け16年が経過しました。旅行会社で撮影ツアー講師を務めています。


by keiji_takayama