さて、ハシビロコウはどうしているだろう。
そんなことを思いながら、展示している場所に向かってみる。
2つの場所から見ることができるのだが、片方にはいなかった。
陽が当たっているほうで姿を見つけたのだが、非常に複雑だった。
眺めるのにはいい。けっこう檻の近くにいて写真も撮れるだろう。
問題は背景だった。
「さぁて、どう狙ってみる ? 」そんな課題を出されているようだ。
ハシビロコウに全く罪はないのだが、どうにも収まりが悪い。
手持ちのレンズでは、どうしても背景と画面のバランスが取れない。
さてこれは困ったぞ。そんなことを考えつつ、カメラを覗く。
ハシビロコウの前では、ヘビクイワシを見ることができる。
実は直前に前を通ったが、撮影には不向きな場所にいたのでスルー。
こっちを撮ったらまたゆっくり見てみよう、そう考えていた。
ところが、ハシビロコウで迷うことになった。
そこで、カメラを右目で覗きながら、左目でヘビクイワシを見ていた。
撮影時に左目を開けて周囲の様子をチェックする、これはかなり前、
ホテルの写真室で働いていた頃、当時の先輩から教わったことだ。
披露宴スナップなどを撮る際、目瞑りを確認するのが目的だった。
これを徹底的に練習したので、今でも左目を開ける癖が付いている。
動物園での撮影では、これがとても大きな役割を果たすことがある。
左目で見ていたヘビクイワシが、手前に移動してくるのが見えた。
こうなれば、もう狙う対象を変更するべきだ。
しかし、慌てて音を立てて近寄れば、おそらく位置を変えてしまう。
なので、ゆっくり急いで数歩だけ前に進み、その位置から狙った。
こういうタイミングでのピント合わせは、過去の経験が役立つ。
ちょっとでも迷うAFが相手なら、こちらのMFのほうが早い。
というわけで、8コマ撮影できた。これはとてもラッキーだった。
その後再びハシビロコウと対峙することになる。さて、どうするか。
(OM-D E-M1/NewFD 500mm F4.5L)