ほぼ全員が、隣にいるオオワシにレンズを向けていた。こちらも、
なんというか絶好の位置にいる。勝手な解釈をすれば、撮ってよと
アピールしているかのようだった。居場所を変える素振りもない。
これは運がいいぞと思いつつ、少し遠くからカメラを構えてみた。
ううむ、カッコいい。鋭い目線はどこに向けられているのだろう。
そんなことを思いつつ、最も凜々しく見える角度を探してみる。
こちらも雨に濡れていて、顔周りの羽がとても美しく感じた。
なので、これが均一に、しかも立体的に見えたらいいと思った。
と書くといろいろ拘って考えているようだけど、実際は横顔だ。
全く違う生き物に見えてしまう正面顔も面白いのだが、まずは
カッコいいこの角度からの写真をメインにしたかったのである。
こういう場合、深度を稼げるマイクロフォーサーズが好みだ。
平面上に並べれば、目元と嘴のピントが近くなる。これが理由。
使ったレンズはかつての高性能タイプだが、発売は1981年。
しかも、レンズの中にはクモリもカビもある。
とはいえ、こういう機材を使って撮るのがとても面白く感じる。
ここ数年、新しく買い求めるのはフィルムカメラだ。
しかも、何らかの瑕疵がある商品ばかりである。
一度はジャンクなどというレッテルを貼られたカメラが、生き返る。
写真を撮れることで価値を上げていく、それがとても楽しいのだ。
(OM-D E-M1/NewFD 300mm F2.8L)