11/3 山古志闘牛 龍皇-三五兵工


第十一回:龍皇(八歳/長岡)-三五兵工(十二歳/中野)

「うわぁ暗いなぁ」と呟いてます。陽が陰ってきました。

牛が入ってくる前に、このような解説がありました。
「柿乃花黒ダイヤ、そしてこの取組に登場する龍皇、千秋楽は出場して
いなかった新宅、加えて先ほど対戦した山仁。こうした牛たちが、来年
この地域の角突きを素晴らしいものにしてくれる 、そう思ってます。」

「ああっ、おおー。」大歓声とともに龍皇が入ってきました。
女性でしょうか、「ああ、すごい。」という声も聞こえます。
山古志闘牛会にいる約60頭の牛の中で、最も大きいのがこの龍皇です。
「ヴォォ〜ッ」龍皇でしょうか、大きく唸りました。
体重はもう一トンを超えています。そして、とても足腰がいいんですね。
足が速いです。これだけ大きくて足が速い。こんな牛はそうそういません。
そういう意味では、とても珍しい牛といえます。
そして、三五兵工が後から入ってきました。十二歳。ベテランの牛です。

取組が始まりました。勢子の声がいっぱい聞こえます。
まずは双方が相手の出方を伺います。
「はいはいはいはい」「よしたー」勢子の声も聞こえてきます。
ただ、こういう取組はちょっとでも隙があったとき、一気に動きます。
三五兵工、右から一発二発と仕掛けます。龍皇は落ち着いて受けています。
まるでもう何年も闘ってきたかのような、どっしりした闘いっぷり。
龍皇、左角で三五兵工の右角を掛けて前に出る !
これを三五兵工が切り返して飛び込む !
「よしたー」の声が高らかに響きます。声の主はMCの松田さん。
三五兵工は右、左と角の曲がり方が異なります。
これをうまく使い、右から左から、龍皇の角の下を取って、掛け技から
仕掛けていきます。これに対して龍皇は足を使って、三五兵工の攻めを
うまく受けながら、場所の中央に戻ってきました。
三五兵工は何とか仕掛けますが、龍皇はうまく受け止めます。
右角を掛けて前に出る三五兵工、しかし龍皇がうまく回り込みます。
勢子の声が大きくなってきました。場の雰囲気が大きく盛り上がります。
ベテランの三五兵工は仕掛ける、龍皇は落ち着いて受けていますが、
切り返す隙がなかなか訪れません。三五兵工の仕掛けに対し、龍皇は
体の柔らかさ、重さを使って受けます。やがて勢子の声が消えました。
走る音と緊迫した声が聞こえたあと、大きな拍手が場内を包みました。
両牛見事な闘いぶりでした。龍皇、三五兵工の順に引き上げました。

開始後両牛が最初に行ったのは、角を交錯させることでした。
これが見分け方の資料になりそうな感じです。
三五兵工の角は太くて、左右の形が違う。龍皇はやや細めです。
そして龍皇の体には、白い印のようなものがあります。
色の同じ牛同士はなかなか見分けが付きにくいので、助かるポイント。

そしてがっぷり組みました。迫力ある目線をそれぞれ相手に向けます。
三五兵工の角が龍皇の眉間に当たり、龍皇が目を瞑るシーンも。
こんなぶっとい角が当たればそれなりに痛いと思うのですが、
そこはさすが龍皇です。怯むことなく三五兵工に向かっていきます。
しかし三五兵工も応戦。角の先端が龍皇の目元付近に刺さりました。
これは厳しい。龍皇も目を瞑って耐えています。
もちろん龍皇も反撃を試みます。このあたりの意地はさすがです。
しかし、角の長さがやや短いので、ギリギリで避けられます。
そして再び、三五兵工の太い角が龍皇を襲います。耐える龍皇。
しかしピンチのあとにチャンスあり。龍皇が果敢に攻撃を仕掛けました。
さすがにこの圧力、三五兵工も表情が変わります。

しかし、三五兵工は龍皇のクセというか、何かを見つけたのでしょうか。
角を当てるタイミングをうまく掴んだようで、またも当たりました。
しかも、ほぼすべてが同じ場所、またはその付近を狙っています。
さほど大きなダメージとは思えませんが、狙い撃ちに気付いているかも。
しかし龍皇はめげない。体勢を変えたのか、逆側から突進していました。
中盤から後半にかけ、龍皇のエンジンが回り始めたようです。
頭を低くして三五兵工に向かい、今度は逆に角を当てています。
ここからは龍皇のペースでしょうか。すごい表情で三五兵工を睨みます。
しかし、ベテランの三五兵工には経験があります。
ここでも怯まず、的確に龍皇の耳元を狙って角を当ててきます。
龍皇はここで三五兵工の耳元に一発。見事な両牛の攻防です。
写真を見ているので展開が解りますが、これを肉眼で確認するのは、
相当以上に難しいのではないかと思います。動きがとても速いです。
終盤では、突進してきた三五兵工を受け止めた龍皇が、逆に押し返す。
そんなシーンも見られました、。三五兵工はちょっと驚いた様子です。
最後の最後まで、やられたらやり返すの繰り返し。気合がすごい。
牛の間でも世代間闘争があるのではないか、そんなことを感じます。
五分を超える大一番。見応えのある、素晴らしい角突きでした。
※記事作成にあたり、MC勢子・松田さんの解説を参考にしています。

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↑左:三五兵工、右:龍皇。三五兵工の角はすごい太さです。両牛とも気合十分。
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↑開始直後の様子。龍皇の角が先に当たったようです。三五兵工の目がすごい。
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↑龍皇は頭を低く構えるも、三五兵工の角がかなりの壁になっています。
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↑三五兵工の角が龍皇の目元付近に。さすがにこれは痛そうだ。。。
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↑龍皇が横から三五兵工を攻める。これには三五兵工も表情を変えます。
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↑三五兵工はコツを掴んだか、龍皇の耳元に角をクリーンヒットさせます。
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↑体勢が変わり、手前が龍皇になりました。攻防が続きます。
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↑左が龍皇です。これまたもの凄い目力で、三五兵工を睨み付けています。
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↑龍皇の攻撃を受ける三五兵工。落ち着いた表情を見せました。
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↑同じく三五兵工です。立ち向かうときの表情はグッと強くなります。
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↑そしてまた、三五兵工の角が龍皇の耳元に。しかし龍皇の表情は変わらず。
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↑お互いの意地がぶつかります。どちらもいい表情です。
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↑なんとか攻め込みたい三五兵工ですが、龍皇の角で阻まれました。
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↑三五兵工の角が龍皇の鼻付近に。耐えている龍皇の、強い意志を感じます。
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↑右側が龍皇です。時間いっぱいまで、目が離せない動きのある展開でした。
(7DMarkII/シグマ C 100-400mmF5-6.3 DG OS HSM )
by keiji_takayama | 2019-11-24 18:22 | 山古志闘牛場

いつもは中古カメラ店でカメラやレンズを売ってます。休日になると、望遠レンズを担いで各地の動物園や闘牛場で撮影活動。動物たちの表情を追い続け16年が経過しました。旅行会社で撮影ツアー講師を務めています。


by keiji_takayama