11/3 山古志闘牛 薬師大力-山王

第七回:薬師大力(五歳/中野)-山王(十二歳/神戸)

いよいよ取組は後半戦に入ってきました。場内もざわめいています。
出番待ちの牛が大きく唸りました。出番はまだかとアピールしてる ?
まずは薬師大力の入場。
まだ若いですが、力を付けてきました。来年、再来年が楽しみな牛です。
そして、後から山王が入ってきました。牛持ちは女性です。
五歳と十二歳。年齢差はかなり大きいです。どんな闘いになるでしょう。

取組が始まりました。勢子も声を出しています。
若い薬師大力が、ベテランの域に入った山王の胸を借りる一番です。
双方が様子を伺いながら、まずは頭を合わせます。
勢子の掛け声が一段と大きく、あちこちから被さるように聞こえます。
薬師大力が仕掛けたところを逆に、一気に山王が前に出る ! !
(客席から、「あーっ、あーっ ! 」と大きな声が上がりました)
そして、途中で金属にぶつかる音。薬師大力が柵まで押されたのです。
場内は大きな盛り上がりを見せます。ざわめきが治まりません。
「すっげぇなぁ」思わず呟いてしまいました(笑)
そして、そのまま分けられました。

「柵際のお客さんは十分に注意して下さい。」というアナウンスをどうして
取り組み開始前に行っているのか、これがまさに説明されたシーンでした。
牛の速さというのは、これは見ないと解りません。
何度かこれを見てここでも触れていますが、牛が柵の前にやってきても、
人間は仰け反るか横に避けようとすることしかできません。無力なのです。
それほどまでに速い。牛が飛び出たら、間違いなくタダでは済みません。

とはいえ、ここで若い薬師大力の素晴らしいところが出ました。
柵にぶつけられると、痛くて牛は鳴くことがあります。
しかし、薬師大力は全く声を上げませんでした。
これはまだ、薬師大力に余裕がある証拠です。
双方の綱が伸び、引き回し。薬師大力、山王の順に引き上げました。

まだ1年程度の観戦歴という「にわか」ではありますが、予感めいた
ことがあったので、この取組には注目していました。仮説を立てて。
それは「山王の法則」。
「悔しいことがあったら必ず次の場所でリベンジする。」というもの。

8月11日:小豆丸戦 悔しい ! !
9月22日:闘龍戦 どりゃあ ! !
データベースはこの2つだけですが、9月22日の取組を見て撮って、
これは悔しかったことを覚えていて、ぶつけたのかなぁと思ったのです。
10月13日:角栄号戦 ちょっと悔しい ! !
そして前回。角栄号との一番では、ちょっと悔しい思いをしました。
そこで、この取組では悔しさをまたぶつけるのではないかと考えました。
ツアーのお客さんにお配りしたレジュメで、千秋楽の取組の見どころを
ワンポイントで説明していたのですが、この展開を予想しました。
11月3日:薬師大力戦 どりゃあ ! !
相手の牛にとってはたまったものではないですが、これで2回です。
来年の観察ポイントの一つにしたいですが、これでほぼ確定かなと(笑)

さて、前置きが長くなってしまいました。
山王は取組開始直前の時点で、モウかなりのやる気を見せていました。
頭を低く構え、合わせる際にも前足で泥を後ろに跳ね飛ばします。
これを見ていた薬師大力は、ちょっと驚くような表情でした。
そのまま当たりますが、薬師大力は山王の気迫を感じていたのかも。
それでも薬師大力、怯むことはありません。
堂々と頭を山王にぶつけて、時には角を山王に入れたりもしました。

一度頭を離したあと、薬師大力が仕掛けようと入ってくるところ、
山王はまず長い角でブロック、逆に薬師大力の体に角を差し込んで、
そのまま突進しました。薬師大力もなんとか角を入れ返しましたが、
山王の圧力がここは上回ったようで、そのまま柵に押し込まれます。
後ろ足の一部とおしりが柵の外側に出るほどの力です。
おしりをダイレクトに柵柱に当てられたので、かなり痛かったはず。
この間も山王は押し続けます。後ろに座っているお客さんはたいへん。
なんとか脱出した薬師大力ですが、山王は攻撃の手を緩めません。
今度は両方の角を体に差し込んでいきます。これは強烈ですね。。。

双方が走って中央付近に戻り、分かれたところを勢子が止めます。
最後、それでも薬師大力は山王に近付こうとしていました。
※記事作成にあたり、MC勢子・松田さんの解説を参考にしています。

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↑左:薬師大力、右:山王。山王の気合がすごい。そして角がでっかいです。
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↑開始直後。薬師大力も頭を低くして、臨戦態勢に入りました。
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↑両牛、頭を付けてがっぷり組み合いました。山王の気合は変わらず。
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↑アップで。頭をピッタリ付けます。薬師大力も目線が強くなってきました。
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↑いったん離れました。薬師大力も頭をやや下げて、山王の様子を伺います。
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↑薬師大力の防御に対し、山王はどうやって攻めようか考えている ?
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↑薬師大力が攻め込もうと入ってきました。山王は角でブロックします。
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↑そして山王、大きくて長い角を薬師大力の額に当てました。
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↑続いて山王。今度は薬師大力の耳元を狙います。目を瞑った薬師大力。
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↑薬師大力はタフです。目を見開き、攻撃に怯まない姿勢を見せます。
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↑山王、薬師大力の体の左側に角を差し込みました。
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↑そのまま押し込もうとします。薬師大力の足が浮きました。
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 ↑さらに押す山王。目元は真剣そのものです。ピントが外れて残念。。。
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↑柵に当たってそのまま脱出したように見えましたが、山王は追いかけます。
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↑横からの山王の攻撃。またしても薬師大力の足が浮きました。
(7DMarkII/シグマ C 100-400mmF5-6.3 DG OS HSM )
by keiji_takayama | 2019-11-17 22:14 | 山古志闘牛場

いつもは中古カメラ店でカメラやレンズを売ってます。休日になると、望遠レンズを担いで各地の動物園や闘牛場で撮影活動。動物たちの表情を追い続け16年が経過しました。旅行会社で撮影ツアー講師を務めています。


by keiji_takayama