扱いはさほど大きくなく、小さな記事である。
2015年1月に高波の被害を受け、不通となっていたJR日高線。
この不通区間を含む、鵡川-様似間(116.0キロ)の沿線7町がついに、
鉄道を廃止してバスに転換することを事実上受け入れたという。
これは日高線の約8割にあたる。
苫小牧-鵡川間(30.5キロ)は沿線自治体の支援を得て、存続する。
もともとJR北海道が「単独では維持困難」としていた路線。
廃止という方針を決めていたが、地元自治体との交渉が行われていた。
バスの路線などを詰めて、来年3月の合意を目指すという。
これで本来なら、鉄道ファンが多数押し寄せて連日大混雑になるが、
もうこの区間に列車は走っていない。このままひっそり終わるのだ。
8月、この鵡川-様似区間をクルマで走った。
失敗したのは、このコースを旅行初日に組み入れたことである。
時間の余裕がなくなった。距離も長くて、しかも風景が素晴らしい。
もっともっとゆっくり、のんびりと進むべきだったと後悔している。
あまり大きい声では言えないが、目の前に広がる光景に、釘付けに
なりそうな瞬間が何度も訪れた。遠目だったけど、馬も確認できた。
それぞれのインターで「各駅停車」し、眺めて歩いたらよかった。
とにもかくにも様似が目的地。とりあえず辿り着いて、そのまますぐ
帰ることになった。途中の日高幌別、東町、浦河駅付近で写真を撮り、
なんとか記録を残すことはできたのだが、せっかくだし全駅を見たい、
そう思っていたのに適わなかったのがとても残念だった。現状から、
おそらくはしばらくそのままの状態を維持するのではと考えている。
また来年行けたらいいのだけど。
北海道にはこうした廃線跡地がいくつもある。とても興味深い。
そして、こうした風景を撮る、残すのはフィルムがいい。
そんなことを考えた。

(OM-D E-M1 X/NewFD 300mm F2.8L)

