11/3 山古志闘牛 伊之助-充号

第四回:伊之助(四歳/山中)-充号(四歳/池谷)

先に入場は充号。ご祝儀が複数届いています。
先ほどの飛翔も大きな牛でしたが、充号はそれより一回り大きいです。
四歳とは思えないくらい。本当に大きくなりました。
後から伊之助が入ります。こちらも複数のご祝儀が届きました。
伊之助は白い毛が混じる粕毛牛。
昔から、「ケンカをしない粕毛牛はいない」と言われています。
取組開始とともに、勢子が大きな声を出し始めました。

この両牛は四歳同士。
これからどうやって成長していくのか、楽しみにしています。
双方の牛が遊んでいるように見えますが、これは相手の牛が怖くない。
牛が怖ければ、その牛の近くには行かないのです。
つまりは双方が、大物であることの証でもあります。
こういう牛たちが本当の力を出してくれるのは、もう3、4年あとです。
でも、それを待ちたいと思っています。
必ずや素晴らしい牛になってくれる、それは経験によるものです。
しかも双方ともこの体。数年後が楽しみな両牛です。
最も大事なのは、相手の牛から離れないこと。
そして、この闘牛場は両牛にとって、怖い場所ではないのです。
勢子の声があちこちから聞こえてきます。盛り上がる闘牛場。

伊之助の首の使い方、体の使い方。柔らかく使っています。
これは余裕があるからです。
首に入られても、お腹に入られても、全然牛が慌てていません。
どっしりと構えて、体を柔らかく使います。
今度は充号が押し込みますが、伊之助は柔らかく体を使って受けます。
「よしたー」「はいはいはいはい ! 」勢子の声が高らかに伝わります。
こうして声を掛けると、経験を積んだ牛は反応して動き出します。
言うなれば、若い牛に勢子が教えているんですね。
これも若い牛にとっては、大切な経験になるのです。

会場からは、「おー」という声。勢子の走る音がして、やがて拍手です。
MCの松田さんからは、こんなメッセージが。
この両牛、覚えておいてください。
もし3、4年後にまた来る機会があったら、この牛たちがどれだけ
素晴らしい牛になっているのか、そこを是非とも見て欲しいです。

綱が伸び、充号、伊之助の順に引き上げました。

ファーストコンタクトから気合が入っていたのは伊之助でした。
力の入った表情で、充号にぶつかっていきます。
充号はちよっと拍子抜けした感じでしたが、すぐに戦闘態勢に入ります。
その後も伊之助が積極的な攻撃を仕掛けているように見えます。
充号も負けじと、頭をつけて上から押さえつけようとしました。
お互いが横に回り込もうとして、その動きの流れで相手に角を入れます。
充号がこれをやれば、伊之助もやり返す、そんな展開になっています。
下から入ろうとする充号の角で、伊之助が仰け反るようなシーンも。
中盤戦以降も、一進一退の攻防です。
どちらかが何らかのアクションを見せて、もう片方が受ける感じ。
でも、大きな牛同士ですからそれなり以上の迫力があります。
撮っている時には気付きませんでしたが、伊之助の鼻から血が少し。
充号は下からの攻撃を続けます。対する伊之助は気合の入った表情。
しかし、充号の攻撃が止まりません。頭からぶつかっていきます。
序盤は横から当たっていくことが多かった充号。戦法を変えた ?
しかし ! ! 伊之助もやられてばかりではありません。
ちゃんと返すのです。右角を充号の頬当たりにヒットさせました。
すると今度は充号がやり返そうとします。
これで少し頭が下がった伊之助ですが、すぐに立て直して睨み合う。

終盤ですが、この睨み合いからが、この取組最大の見せ場になりました。
充号は再度、角度を変えてそのまま上から押さえつけようとします。
力が入っているのが解ります。
この一連の流れは連写しています。8コマありますが、時間は1秒。
だんだんと充号の頭の角度が下がっていきます。
ここで伊之助、顔を横に向けます。右角を当てたようにも見えます。
目つきが鋭くなり、そのまま体勢を低くして構えました。
充号は、顔を傾けて左角を当てようとしています。
そして伊之助。今度は体ごと横から充号にぶつかりました。
充号は受けていますが、ちょっと意外そうな表情を浮かべています。
しかし、充号にも当然意地があります。
最後はお互いの意地が激突するような、見事な展開になりました。
しかもこの流れは15秒。とても速いです。よそ見したら見逃します。
途中から伊之助の出血も止まったようです。
その後も攻める充号、受ける伊之助。
勢子が分けるまで、時間いっぱいの角突きでした。いやぁお見事 !
引き上げの時も、堂々とした雰囲気が漂っていました。
※記事作成にあたり、MC勢子・松田さんの解説を参考にしています。

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↑左:充号、右:伊之助。序盤でもこの気合。それにしても、充号はでっかいなぁ。
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↑伊之助が攻めて充号が受けてる ? 充号、落ち着いています。
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↑左角を当てる充号。でもまだ序盤戦、様子見のところも。
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↑横に回りながら、伊之助の体に角を当てていきます。
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↑こんな角度でも、果敢に角を当てようとします。右側が伊之助です。
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↑角が交錯するシーン。こういう形になるのは意外と少ないと思います。
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↑充号の体当たり。角が当たっているのか、伊之助はちょっと痛そうですね。
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↑横から攻める充号、受ける伊之助。伊之助の鼻から血が滲んでいます。
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↑充号のジャンピングヘッドバットが炸裂 ! これは強烈だ。。。
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↑上から押さえつける充号。頑張って耐えている伊之助。
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↑今度は伊之助がお返し。気合の入った一撃を見舞う !
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↑終盤、最大の見せ場です。まずは睨み合い。序盤より表情が強くなりました。
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↑伊之助が顔を少し横に。充号の表情、気合が入っています。どうしても押したい。
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↑今度は伊之助が押し込みます。充号はちょっと意外そうな表情を浮かべました。
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↑意地と意地とのぶつかる瞬間。両牛ともよく頑張りました。数年後が楽しみ。
(7DMarkII/シグマ C 100-400mmF5-6.3 DG OS HSM )
by keiji_takayama | 2019-11-14 12:25 | 山古志闘牛場

いつもは中古カメラ店でカメラやレンズを売ってます。休日になると、望遠レンズを担いで各地の動物園や闘牛場で撮影活動。動物たちの表情を追い続け16年が経過しました。旅行会社で撮影ツアー講師を務めています。


by keiji_takayama