11/3 山古志闘牛 飛将-柿乃花怒濤

※牛が出血している写真を掲載しています。どうぞご注意ください。

第三回:飛将(四歳/塩沢)-柿乃花怒濤(四歳/岩手)

まずは飛将が入ってきました。
いよいよこの一番から、綱を取った対戦になります。
飛将は四歳、昨年デビューした牛です。今年とても大きくなりました。
低い声でずっと唸っています。相手を威嚇する体勢に入りました。
今回の闘牛では、「柿乃花」と名の付く牛が3頭出場します。
この間にも、飛将は低く唸り、前足で泥を跳ね上げます。気合十分。
たくさん唸ったのか、声がちょっと枯れ気味なのが印象的でした。
四歳の牛たちは、素晴らしい牛が揃っています。数年後が楽しみです。
後から柿乃花怒濤が入ってきました。こちらも気合が入っています。

ゲートの閉まる音がして、いよいよ取組開始です。
赤牛が飛将、黒牛は柿乃花怒濤。
牛が相手をキッと睨み、威嚇しています。
その直後、場内から一斉に「あーっ」という声が響きました。
先制攻撃は柿乃花怒濤。下から持ち上げ、飛将の体が宙に浮きました。
しかし、飛将が返します。ここでも客席から声が。
勢子の声も大きくなってきました。
双方の足の踏ん張り方、これを見ると、力の入っているのが解ります。
牛にとって最大の武器は角ですが、それだけではありません。
首、体、足、全身を使って相手に向かって行きます。
そして、今日は足場がやや悪い闘牛場。
こうなると、足の運び場所が一か所違うだけで、バランスが崩れます。
体の全神経を集中させて、この二頭が相手に向かっているのです。
柿乃花怒濤の先制攻撃で、飛将が少し怒りました。
客席がまた盛り上がる ! 飛将が出て、柿乃花怒濤がうまく受けました。
この受け方。相手の牛の横に、自分の体を持っていく。
人間でもそうですが、体の真横に押すのはすごく大変なんですね。
角のぶつかる音。客席から驚きの声が出ます。
(どうやら柿乃花怒濤は出血しているようです。撮りながら呟いてる。)
飛将が仕掛けた角が外れた瞬間、柿乃花怒濤が飛び込む !
勢子の走る音、緊迫した声が聞こえてきました。
そして大きな拍手。両牛が分けられました。
「いやぁ、飛将すごいなぁ。」そんな呟きも録音されていました。
双方の綱が伸びました。柿乃花怒濤、飛将の順に引き上げです。

うわぁ、悔しい。。。
柿乃花怒濤の先制攻撃、捉えてはいたけど撮れなかった。。。
ファーストコンタクトでいきなり下に潜り、角で持ち上げました。
最初の一瞬。これを狙うため、400mm側にズームしていました。
引きに切り替える必要がありましたが、対応できなかったのです。
あああ、と思いながら、シャッターを切るのがやっとでした。
そこそこ流れは解るのですが、写真としては使えないですね。。。
それはそうと、柿乃花怒濤。最初闘う素振りを見せませんでした。
飛将が「あれ、どうしたんだよ ! 」みたいな目で眺めています。
下に顔を向けた次の瞬間、下に潜って。。。というわけです。
奇襲殺法とも取れるような展開でした。

しかしそれを飛将が返すのですから、闘牛は面白いし興奮します。
そして、それぞれの攻防が展開されます。
飛将の体には半円状の傷が付きました。血が滲んでいます。
そして、13:19:57から13:20:03 まで、ほぼ同じ体勢でした。
といっても、全く動かなかったわけではありません。
飛将は意地でも押し込もうと、力を入れて前に進もうとしています。
それを柿乃花怒濤が耐えている。
時系列で写真を比べると、飛将の力の入れ具合が解ります。
時間にしてたった6秒ですが、とても興味深い流れでした。
ここは柿乃花怒濤がよく耐えた、そういうことになるでしょう。
このピンチを抜けた柿乃花怒濤、今度は攻撃に転じます。
飛将の眉間にうまく角を当てました。その後も当てていきます。
ところが、角が当たったままなのに、飛将が突進しています。
このあたりから、飛将は「怒って」いたのかもしれません。
ものすごい気迫です。
しかし、柿乃花怒濤だって負けません。果敢に角を入れます。
そして、先程と同じ体勢になりました。飛将は押し込もうとしています。
「絶対にこれで柿乃花怒濤をやっつけるぞ ! 」そんな感じでしょうか。

そして終盤。柿乃花怒濤の角が飛将に当たります。返す飛将。
どうやら地面にぶつけたのか、柿乃花怒濤の鼻から出血がありました。
それでも怯むことなく、積極的に立ち向かう柿乃花怒濤です。
むしろ、それまでとは気迫のレベルが異なったように感じました。
飛将も最後に見せ場を作り、両牛ともいいところを出していた、
そんな感想を持ちました。まさに意地と意地のぶつかり合いです。
※記事作成にあたり、MC勢子・松田さんの解説を参考にしています。

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↑左:飛将、右:柿乃花怒濤。飛将はとても美しい顔立ち、しかも落ち着いています。
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↑積極的な攻めを見せたのは、柿乃花怒濤でした。目元が早くも充血気味です。
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↑真正面から当たりました。堂々と受ける飛将です。
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↑ 13:19:57、飛将の押しを、柿乃花怒濤は角で遮っています。
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↑アップにしてみました。柿乃花怒濤、頑張って耐えていますね。
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↑13:20:00、飛将の押しに力が入ります。柿乃花怒濤の表情が変わりました。
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↑これはすごい。柿乃花怒濤の角が飛翔の眉間に。飛将の表情もオトコらしい。
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↑その6秒後、再び角が眉間に入りました。これはちょっと痛かった ?
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↑しかし、それで怯む飛翔ではありません。気合の表情で立ち向かいます。
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↑ここでがっぷり組み合いました。気持ちはちょっとだけ、飛将のほうが強い ?
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↑角の切っ先が目元に迫り、柿乃花怒濤はどんな心境だったのだろう。。。
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↑角ヒット数だけで言えば、おそらく柿乃花怒濤のほうが多かったと思います。
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↑柿乃花怒濤、鼻から出血。飛将の目線を辿ると。。。この鼻を見ているようです。
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↑これで逆に気合が増したのか、柿乃花怒濤の攻撃が厳しくなったようです。
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↑飛将も最後に一発。いいのを入れました。終盤までこの迫力が続きました。
(7DMarkII/シグマ C 100-400mmF5-6.3 DG OS HSM )
by keiji_takayama | 2019-11-13 22:47 | 山古志闘牛場

いつもは中古カメラ店でカメラやレンズを売ってます。休日になると、望遠レンズを担いで各地の動物園や闘牛場で撮影活動。動物たちの表情を追い続け16年が経過しました。旅行会社で撮影ツアー講師を務めています。


by keiji_takayama