11/3 山古志闘牛 小文吾-新宅赤パンダ

第二回:小文吾(五歳/山古志)-新宅赤パンダ(五歳/梶金)

先に新宅赤パンダが入ってきました。
いきなり角で地面を掘り、低い声で唸っています。
気合が入っている証拠です。全力で頑張れよ〜。
あとから小文吾が入りました。ゲートの閉まる音がします。
顔に白い斑のある牛が新宅赤パンダです。

さぁ、取組開始 !
まずは新宅赤パンダが果敢に攻め込もうとします。
おっ、客席からも声が出ました。連写の音も聞こえます。
小文吾の首、体の使い方に注目です。
新宅赤パンダが激しく突っ込んでも、体の柔らかさを失っていません。
この「柔らかさ」、牛にとってはとても大事なのです。
体を柔らかく使えるということは、この闘牛場を怖がっていない証拠。
(場内から「おーぉぉぉー」という歓声が響きました。)
体を柔らかく使うことによって、相手の攻めを受け止めることができます。
新宅赤パンダは積極的に攻めますが、小文吾は柔らかく受け止めます。
なんとか攻め込みたい新宅赤パンダ。首を柔らかく使って受ける小文吾。
攻めを受け止めるというよりも、受け流している、そんな状況です。
そして、隙を伺って逆に自分が仕掛けよう、そんな戦法を取っています。

場内が少し静かになりました。そして勢子の走る音、客席のざわめき。
これがだんだん大きくなってきて、いっせいに拍手に変わりました。
勢子の判断で引き分けです。
双方の綱が伸びました。一際大きな拍手に包まれる場内。
新宅赤パンダの引き回しは、ご主人と倅さん。まだ小学校1年生ですが、
綱を引く姿がキマッてます。元気いっぱい、力強く綱を引っ張りました。
この間も、牛同士は相手から目を離しません。
こうやって「次は負けないぞ」という意地を持つようになるのです。
小文吾、新宅赤パンダの順に引き上げました。

新宅赤パンダは、この一年でとても逞しくなりました。
去年の千秋楽も、第二回の取組で出場しています。
しかしまだ慣れていないこともあり、目線は儚げで、少し怖がっている、
そんな印象を持ちました。この頃は新宅と名乗っていましたが、
8月から「新宅赤パンダ」と改名、現在に至ります。
赤パンダといえば、動物園ではレッサーパンダのことを指します。
それも理由で親近感があり、すっかり推し牛になってしまいました。
「赤パンダ」後は対戦相手にも恵まれて、とても強くなりました。
去年とは目力が全く異なります。成長を感じることができました。
兄貴分の「新宅」は、先場所で結びの一番を務めるほどの実力牛。
この「新宅ブラザーズ」、来年の活躍がとても楽しみです。

開始から数秒間は頭を合わせず、お互い様子見の雰囲気でした。
そして申し合わせたように頭を下げて、両前足をしっかりと据えて、
大相撲の立ち合いのような「まったなし」でぶつかり合いました。
そして新宅赤パンダが横から小文吾を押し込みます。
場内が沸いたのはこのシーンだったと思われます。
新宅赤パンダはさらに押し込もうとしますが、小文吾も負けていません。
強い目線で、新宅赤パンダのことを見据えています。
両牛、再びがっちりと角を絡めました。
横から攻めて、小文吾の顔を横にした新宅赤パンダ。
しかし、その後は小文吾が体重をかけた ?
新宅赤パンダが前足を折って、耐えているようなシーンもありました。
しかし、新宅赤パンダもすぐに立ち上がります。それを睨む小文吾。
これで仕切り直し。再び睨み合いからスタートです。
そしてまた組み合い。攻防が繰り広げられ、軽く離れて睨み合う。
小文吾の耳の下に角を押し当て、強い目線を向けているシーンには、
単純な力だけでなく、メンタルの強さも感じられます。意地の塊です。
新宅赤パンダの攻めが目立っていましたが、小文吾は、その先を考えて
攻めを受けている、そんな雰囲気がありました。強い表情が多かった。
そして終盤。お互いの意地がついにぶつかり合うタイミングが。
両牛の顔が押されて変形し、角はクロスカウンター。
そして、強い意志を感じさせる鋭い目線。
パソコンに写真が映し出された瞬間、「すげえこれ。。。」と声が出ました。
その後は少し距離を置いての攻防。そろそろ時間だと解っていたのかも。
でも、だからといって手を抜くことはありません。
両牛とも最後まで力を出し合い、堂々の角突きを見せてくれました。
※記事作成にあたり、MC勢子・松田さんの解説を参考にしています。

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↑左:小文吾、右:新宅赤パンダ。お互いの意地がぶつかる、すごいシーンです。
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↑開始直後。すぐに頭を合わせるわけでなく、まずお互いを観察していました。
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↑新宅赤パンダの先制攻撃。小文吾を横にして、押し込もうとしました。
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↑さらに押したい新宅赤パンダですが、小文吾も負けていません。目線が強い。
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↑新宅赤パンダが小文吾の下に入り、横にしようとしている ? シーンです。
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↑しかし、小文吾が体勢を変え、上から新宅赤パンダを押し込みました。
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↑いったん離れての睨み合い。それぞれの胸中やいかに ?
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↑正面からのぶつかり合い。小文吾は受ける体勢を整えているようにも。
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↑ここでまた睨み合い。新宅赤パンダの表情、攻撃の時と違って落ち着いてます。
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↑力強い一瞬。角で顔を押さえて凄んでいるようにも見えます。心理戦も上手い。
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↑新宅赤パンダの尻尾の先、とても美しい。これが躍動すると絵になります。
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↑攻撃を受けている小文吾。まだまだ余裕があります。首の使い方が上手です。
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↑小文吾の攻撃を受ける ? 新宅赤パンダ。慌てずしっかりと相手を見ます。
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↑そろそろ終盤。小文吾の表情から推測すると、左角が当たっているかな ?
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↑「オレは絶対負けない ! 」相手に立ち向かっていく。ホント、強くなったなぁ。。。
(7DMarkII/シグマ C 100-400mmF5-6.3 DG OS HSM )
by keiji_takayama | 2019-11-12 00:30 | 山古志闘牛場

いつもは中古カメラ店でカメラやレンズを売ってます。休日になると、望遠レンズを担いで各地の動物園や闘牛場で撮影活動。動物たちの表情を追い続け16年が経過しました。旅行会社で撮影ツアー講師を務めています。


by keiji_takayama