10/23 山古志闘牛 角栄号-庵

第六回:角栄号(十一歳/相川)-庵(七歳/釜ヶ島)

庵が4歳年上のベテラン、角栄号の胸を借りる一番になります。
この取組は、知る限りでは三度目です。
いい稽古をつけてもらっている、そんな印象があります。

先に角栄号が入りました。唸り声が場内に響いています。
あとから庵が登場。少しの静寂のあと、取組が始まりました。
「ほれいけ ! ほい ! 」 「はいはいはいはい」勢子も声を出します。
角のぶつかる音。
横に開いた大きな角を持つ角栄号。丸太のような角を振ります。
ボクシングのパンチのようです。これを叩き(はたき)といいます。
またしても角のぶつかる音。庵の額を、角栄号が叩きます。
これに対して庵は、角栄号の角が外れたところを、自分の角を使って
下から跳ね上げたり、右角で角栄号の額を掘るように攻撃します。
双方が自分の角の形をよく知り、理解をした中で、攻めています。
「いおりがんばれ〜 ! 」声援も聞こえてきました。
角栄号が横から叩けば、庵は下から角を使おうとする。
また角がぶつかる音。「いおりがんばれ ! 」の声。
角栄号、右角で叩きます。一発二発三発と叩く !
これが外れたところを、できれば庵は入りたい。応援も力が入ります。
勢子の声が盛んに飛んでいます。
庵は右角を使って、角栄号の額を取りたいところ。
ここで場内が少し盛り上がり、数人が拍手していました。
角栄号はここで、右角ではなく左角から仕掛けて押し込みました。
これを、庵が頭を下げて受け止めます。応援を力にしているよう。
再び角栄号が押し込みますが、庵は上手く体を横に回して受けます。

ここで、場内が笑いに包まれました。
両牛が頭を離したんですね。ここで拍手が起きました。引き分けです。
「初めて見るお客さまは、今何があったんだと思いますよねぇ」
角栄号の牛持ちさんは「牛が疲れました ! 」とごあいさつ。
解説の松田さんは、絶妙なトークで客席の笑いを誘います。
実はこれ、牛同士が、勢子が動いたのを見たんですね。
てことは、これから引き分けに入るんだと。(場内爆笑)
牛がもうそれをサッと判断しちゃった。(場内は笑いの渦)
まぁ言うなれば、自分が疲れたし、大変な思いをしないために、
ここでパッと、「牛同士が引き分けにした」わけです。これは大拍手。
見事な解説、そして角栄号の牛持ちさん「ありがとうございました。」
一際大きな拍手が場内を包みました。角栄号、庵の順に引き上げです。

角栄号の叩きは、ファインダー越しで見ていてもすごくカッコいい。
角を左右にブンブン振って、当てようとします。
でもこれ、振り始めた時に切ってもほぼ確実にタイミングがズレます。
動きを予想しないと瞬間は撮れません。これがとても難しいです。
集中しているつもりが、どうしても角栄号の角を目で追ってしまう。
解ってはいるのですが、どうにもうまくいかないです(笑)

その角栄号、耳に付いている黄色いタグの番号が「46305」です。
大きな角と相まって、こちら側を向いてくれれば見分けがつきます。
庵には「家族」という何より心強い味方がいて、常に応援しています。
その声を背に、今場所もいいところをたくさん見せてくれました。
勇敢に立ち向かっていく逞しさ、堂々とした振る舞いが印象的。
年の上では大先輩の角栄号を相手に、全く見劣りのしない闘いぶりです。

休む間もなく動き回り、力の限りを尽くして闘った両牛。
「牛同士が引き分けにした」というのが実はホントのことなのではないか、
そんなことを考えてしまいました。お互いにそれぞれ攻撃を受けています。
ただし庵の側からすれば、これは大きく成長した証になります。
角栄号の角がダイレクトに当たるところもありましたが、耐えました。
痛かったと思うけど、そんな素振りも見せず、表情も大きく変わりません。
最後は、離れてしまった角栄号を追う素振りも見せていました。
両牛ともよく頑張りました。素晴らしい角突きでした。
※記事作成にあたり、MC勢子・松田さんの解説を参考にしています。

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↑左:角栄号、右:庵。真剣な目つきで大先輩の角栄号に向かって行きます。
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↑序盤からこのように、頭を合わせて睨み合いました。気合満点です。
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↑このブログでも何度か触れてますが、いつ見ても角栄号の角はぶっとい。
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↑これは庵の力強い表情。さすがの角栄号も、ちょっと気圧されている感じ。
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↑角栄号の大きな角は、攻撃の時だけでなく防御の際も有効ですね。
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↑ちょっとタイミングが早かった。振ってくる角栄号の角を、冷静に見つめる庵。
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↑庵が角栄号の攻撃を受け止めているところでしょうか。頭でぶつかります。
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↑最初から最後まで、このような力と力の攻防が続きます。
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↑庵の攻撃に、頭を低くして身構える(?)角栄号です。
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↑これまた距離が近い ! 角を比べると、その差がよく解りますね。
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↑少し引いて撮影。双方の前足は、ほぼ平行な位置関係なんですね。
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↑角栄号の角が、庵の額を直撃しました。それにしても庵はよく耐えました !
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↑あっ ! なんか相談してるように見えるぞ ! ! 「そろそろかなぁ」「分けてもいいよ」
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↑角栄号の叩きが庵に決まったところ。こりゃ痛いよ。。。
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↑時間いっぱい頑張りました。それにしても、角栄号の角はすごいなぁ。
(1D X /EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM)
by keiji_takayama | 2019-11-01 23:33 | 山古志闘牛場

いつもは中古カメラ店でカメラやレンズを売ってます。休日になると、望遠レンズを担いで各地の動物園や闘牛場で撮影活動。動物たちの表情を追い続け16年が経過しました。旅行会社で撮影ツアー講師を務めています。


by keiji_takayama