10/13 山古志闘牛 ドッコイ丸-薬師大力

相手が誰であってもたいてい盛り上がる、素敵な牛がいます。
新宅もそうなんですが、次に出てくるドッコイ丸もそんなイメージ。
これまで何度か見ていますが、そのすべてで見せ場を作ってくれます。
今回は少し久々の登場、気迫のある角突き、薬師大力との闘いです。

第四回:ドッコイ丸(五歳/平島)-薬師大力(五歳/中野)

先にドッコイ丸の入場。低い声、どう声を盛んに出しています。
これで場内がざわめきました。やる気、気迫が早くも伝わります。
そして後から入ってきたのは薬師大力。主綱を掛けています。
この一番、やはり注目の取組のようです。目が離せません。
さぁ、始まりました。
まずは黒牛、ドッコイ丸が仕掛けます。客席からは「おお〜っ」の声。
ドッコイ丸は鼻を使い、薬師大力の顔を下から掬い上げるようにして
押し込みます。これに対して薬師大力は、左角を使ってドッコイ丸の
角を掛けて、前に出る力を殺そうとします。ゴツンという角の音。
さらにゴツン、ガツンという角がぶつかる音が聞こえてきます。
泥濘んでいる闘牛場は、牛にとっても不安定な状況です。
ドッコイ丸が飛び込み、薬師大力は落ち着いて受けています。
昔から雨降りの角突きほどいいものはないといいます。
足場は悪くなりますが、角突きが良くなる、激しくなるんですね。
ここで場内がまたどよめきました。
先に仕掛けた薬師大力の角が外れた瞬間、ドッコイ丸が飛び込もうと
したんですが、それをまた薬師大力が首で押さえました。
勢子の皆さんが、「よしたー」「よしたー」と次々に声を掛けています。
また場内が盛り上がる !
薬師大力が掛けた右角が外れたタイミングで、ドッコイ丸が飛び込む。
しかし薬師大力はそれを落ち着いて受け止めました。
勢子たちも声を出して、両牛の気持ちを高めていきます。
薬師大力は下から、角を使ってドッコイ丸の角を掛けて出ようとします。
ドッコイ丸は鼻を使って掬い上げ、薬師大力の角が外れた一瞬を狙いたい。
双方が持ち味を発揮しようと、一生懸命に闘っているのです。
客席がまたざわめきます。
ドッコイ丸が首に入って前に押し込む ! 薬師大力は足を使って受けます。
勢子の掛け声も熱を帯びています。男性の興奮する声が聞こえます。
走る音、そして大きな拍手。勢子が両牛を分け、引き分けにしました。
双方の綱が伸び、場内は拍手に包まれました。
両牛、まだお互いに目を離しません。こうやって牛に意地が生まれます。
おおーっという声。先にドッコイ丸、後から薬師大力の引き上げでした。

写真のチェックをして驚きました。なんと557カット撮ってました。
いったい何をどうやったらそんなに撮るのだろう、レコーダーを聞いても
そんなにシャッター音は目立っていません。ううむ、とても不思議です。
ただ、取組の時間は5分を過ぎて、そこそこ長かったように感じます。
攻防もあり、お客さんも盛り上がりました。やっぱりドッコイ丸だ。
熱戦を裏付けるように、ザッと見ただけでも様々なシーンがあります。
まだこの時点では全く選んでいませんが、全体の雰囲気ではこの取組が
最も写真の仕上がりがよかったのではないか、そんな印象を持ちました。
まぁ、たくさん撮っているのだから当たり前と言えばそうなんですけど。

この対戦、いきなり角突きが始まったわけではなかったのです。
まずは両牛が顔を近付けて、ゆっくりと、ピッタリくっつきました。
そこからまず、ドッコイ丸が仕掛けていきます。
角のコントロールが上手いドッコイ丸。薬師大力の眉間や角の根元に、
自分の角を当てています。受ける薬師大力も逃げずに受けています。
しかし写真だけで判断すると、ドッコイ丸のヒット率の高さが凄い。
薬師大力のあちこちに、角を打ち込んでいるような印象でした。
とはいえ、薬師大力。ダメージを抱えているようには見えないです。
そして反撃でしょうか、今度は薬師大力の角がドッコイ丸の体に。
さすがのドッコイ丸も、これには表情が変わりました。
しかし、ここからが凄かった。角が当たったままの状態で、どうやら
ドッコイ丸がそのまま突進しているようにも見えます。強いですよ。
頭というよりも、体全体でぶつかっていくような印象です。
そして、だんだんと薬師大力の顔に泥が付着するようになりました。
動きが激しいことを物語っています。
ドッコイ丸には何度も角を入れられますが、怯む様子はありません。
むしろ、目線が厳しくなっていくようにも感じます。
そして、ドッコイ丸はこれでもかとばかりに攻撃を繰り返します。
狙い澄ましたかのように、眉間を突いています。
それにしても、こりゃ撮りすぎだ !
載せたいのに載せられない、そんなカットが続出しています。
それにしても、薬師大力はタフだなぁ。打たれ強いボクサーみたい。
終盤まで全く攻撃の手を緩めないドッコイ丸も、タフだといえます。

それぞれの攻防があり、それぞれがちゃんと見せ場を作る。
そして、見る側にも堂々の引き分けだとすごくよく解る。
そりゃいいシーンが目白押しになるわけですよ(笑)
山古志の闘牛を象徴する一番、そう言っても過言ではなさそうです。
時間いっぱいまで精一杯、見事な角突きでした。見られて良かった。
※記事作成にあたり、MC勢子・松田さんの解説を参考にしています。

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↑「お前やるなぁ」「お前こそ」そんな会話が聞こえてくるようなシーンでした。
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↑序盤戦から積極的な攻撃を仕掛けるドッコイ丸。こんな展開が続きました。
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↑薬師大力の体のあちこちに、角を入れるドッコイ丸。薬師大力はタフです。
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↑両牛とも目元は真剣そのものです。でも、まだ薬師大力の顔はキレイ。
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↑これはドッコイ丸、ちょっと痛かったかな ?
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↑ドッコイ丸の角が薬師大力の眉間に入る。このシーンは複数回見られました。
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↑激しい攻防。薬師大力の顔に泥がたくさん付き始め、迫力ある表情に。
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↑薬師大力は随分と頭を下げています。ドッコイ丸はなんだか楽しそう ?
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↑今度は鼻付近に角が。これには薬師大力も表情を変えました。
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↑ぶつかり合うと、泥が弾け飛びます。薬師大力、落ち着いているなぁ。
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↑定番の睨み合い。どちらも気合満点です。
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↑薬師大力の角も、何度かドッコイ丸に当たっています。角が太いですね。
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↑けっこう好きなカット。互いのやる気とか意地を感じるシーンです。
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↑ドッコイ丸ミサイルが飛んできて、薬師大力に激突しているイメージ。。。
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↑勢子が止めに入るまで、ずっと動き回った両牛。見応えがありました。
(OM-D E-M1X/M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO+MC-14)
by keiji_takayama | 2019-10-17 08:07 | 山古志闘牛場

いつもは中古カメラ店でカメラやレンズを売ってます。休日になると、望遠レンズを担いで各地の動物園や闘牛場で撮影活動。動物たちの表情を追い続け16年が経過しました。旅行会社で撮影ツアー講師を務めています。


by keiji_takayama