若い牛にとってはステップアップ、成長するために大事な取組です。
先輩にとってみれば、自分の体幹を鍛えるいい機会になるんですね。
つまり、双方にメリットのある対戦になります。
第二回:龍勢(五歳/秩父)-響(三歳/新潟)
まずは龍勢が入場しました。すぐに地面を掘る仕草を見せます。
これは闘争本能が出ている証。角や首をこうして鍛えます。
後から響が入りました。客席が一気に盛り上がります。
入ったとほぼ同時に取組が始まりました。
赤牛が龍勢、黒牛が響です。
響はまだ三歳ですが、この夏でグッと大きくなりました。
五歳の龍勢と頭を合わせても、ほとんど変わらないほどです。
勢子の声が大きくなりました。
響はこの時点で「相手が年上」だということを理解しています。
そのため、最初から自分の力を十分に出そうとします。
これに対して龍勢。体を柔らかく使って響の攻めを受けます。
柔らかく使う=まだ心に余裕がある ということになるのです。
自分が先輩だ、相手は若い。今日は胸を出す番だ。こう解っています。
響は先輩の胸を借りる立場。必死に攻め込みます。
龍勢はこれも解っています。
攻め込んでいい領域とそれ以外、これをキッチリと分けています。
響にとっては、これから成長していく糧になる取組です。
勢子は声を掛けて、両牛を鼓舞しています。
響は横に入って出ようとしますが、龍勢がこれを止めます。
「おまえが攻めていいのはここまでだよ。」というわけです。
ここは龍勢が先輩の威厳を響に示しています。
だんだんと、龍勢が響の力を認め始めました。
響に攻め込ませる範囲を縮め、自分がじわりじわりと前に出ます。
「おまぇ若いのにやるなぁ」というところでしょうか。
場内に「おおー」という静かなどよめきが起き、拍手に包まれました。
この一番、響にとってはこれから成長していく上での大きな一番です。
響の牛持ちは女性です。いい角突きができ、笑顔での引き回しでした。
撮影カットは133でした。
響は元気よく走りながら入場し、そのまま頭を合わせて取組開始。
ローリングスタートのようで面白いですね。
最初から頭を合わせる両牛ですが、ときどき離れて考えます。
「やっぱり先輩は強いなぁ」そんな感じの表情も響が見せています。
序盤は龍勢がどっしり構えている、そんな印象でした。
ところがこのあと、響が開き直ったというか、龍勢に立ち向かいます。
龍勢としては虚を突かれたようなところがあり、横目で響を睨みます。
しかし響は挑戦の手を休めません。龍勢に対して果敢に力試しをします。
これがなかなか面白い。龍勢に対してアピールはできたようです。
中盤からは、龍勢とがっちり頭を付けているシーンも。
そして、ハッキリと龍勢が響を意識しているシーンが2度ありました。
横から頭を当てられた龍勢が、響に驚いたような目線を向けています。
残念ながらドンピシャで撮れませんでしたが、印象に残りました。
しかし、これで怯まないのはさすが先輩の意地でしょうか。
最後は思い切り顔を近付け、そのまま一発上から見舞っていました。
※記事作成にあたり、MC勢子・松田さんの解説を参考にしています。
↑開始から10秒後。響の表情からは、遠慮も感じられます。龍勢は余裕な感じ。
↑開始直後。龍勢は両足を揃え、踏ん張っている様子もありません。
↑開始から20秒後。響はちょっと迷ってる感じ。龍勢は足を広げました。
↑響、開き直ったか度胸を決めたか、龍勢に対して仕掛けていきます。
↑取組開始の頃と異なり、響の表情と目線がかなり強くなりました。
↑こ、この角度は。。。響、空中からの攻撃 ?
↑龍勢も表情が変わりました。いい睨み合い。
↑ピントが手前で残念。響、横からの体当たり。
↑アイコンタクトが交わされています。龍勢もこれは、思うところありか ?
↑響は開始の頃と全く変わりました。果敢に攻めていきます。
↑しかしその1秒後( ! )、龍勢は体勢を整えました。足にも力が入っていますね。
↑このアイコンタクト。響の表情が少し、開始直後に戻りました。さすが先輩。
(1D X /EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM )