もの凄い地鳴りのような唸り声ととともに、山仁が入場です。
面綱を顔にかけて入ってきました。大相撲の化粧まわしと同じ。
これを掛けて出ることが、牛の正装とされています。
山仁はずっと唸っています。
近くの女性が「おお〜っ」「低音だね〜」と話しています。
山仁、羽黒山ともに八歳。小さい頃から鎬を削ってきた両牛です。
あとから羽黒山が入場しました。
双方がどう声を出して、相手を威嚇しています。
取組開始。
のっけから、勢子の声が大きいです。まずは羽黒山が仕掛けました。
これを山仁が頭を低く下げて受けます。
何人かの「よしたー」の声が重なりました。
今度は山仁が左から仕掛けます。羽黒山はこれを落ち着いて受けます。
場所の中央で、双方がどうやって仕掛けようかと作戦を練ります。
相手の角の下を取って持ち上げる、捻ったりして前に出たい。
それを鼓舞するかのように、勢子の声が飛び交います。
どちらの牛も、相手に隙を与えません。
相手の角をどう取るか、相撲の「まわしの取り合い」のような状況です。
山仁が仕掛けて出る、客席は盛り上がります。勢子も声を張り上げる。
「はい、はい」と手拍子。勢子の皆さんは全員で取組を盛り上げます。
山仁が仕掛ければ羽黒山が返す。羽黒山が仕掛ければ山仁が返す。
やがて勢子の走る音が聞こえ、客席はざわめきます。
勢子により両牛が分けられました。
近くに座っているグループの皆さんは、何度か会場に来ている様子です。
若い男性が「いい闘いだった、そうでもないですか ? 」と問うたところ、
女性の声で「ちょっと自分がほら、もうちょっと入って行かないと。」
通な人はちゃんとそこまで見ているんだなぁ。と感じました。
この両牛、おそらくこれからもライバルとして、盛り上げてくれるでしょう。
先に山仁、後から羽黒山の順で引き上げていきました。
※記事作成にあたり、MC勢子・松田さんの解説を参考にしています。
撮影カットは158でした。
山仁は入場時にも面白いシーンがあったので、そこそこ撮っています。
取組も終盤に差し掛かり、場内に入る勢子の数も多くなってきました。
ツアーのアンケートでは、勢子を避けるのに苦労したという感想もよく
見かけます。ただ、勢子の皆さんはただ立っているだけではありません。
当然それぞれの役目を担っているわけで、牛に注意を払いつつ、取組を
盛り上げているわけです。そして牛と同様に、絶えず動いています。
ということは、待っていれば必ずそうしたチャンスは訪れるものです。
勢子の動きを予想して、タイミングを図って撮ればなんとかなります。
画面の構成を考えて、あとからトリミングするのも有効でしょう。
あとは、「写真を選ぶ」時にどれを使うか、考え方の問題ですね。
まずはチャンスを有効に活用しないと、勿体ないことになるわけです。
多いと20人近い勢子の皆さんが場内に入ります。
ストーリーがあり、勢子が画面に入ったほうがいいケースもあります。
とまぁそんなことを考えつつ、条件反射で撮ることが多いです。
さてこの取組ですが、何度か通っているうちに、相手が誰であっても
面白い取組になる牛、という存在に気付きます。山仁もそんな牛です。
今回も攻防のある角突きになりました。動きが速くてビックリします。
そして、何となく撮っていた最後の1コマ。
そこには山仁が写っていましたが、目元から血を流していました。
激しい闘いを象徴するようなシーンですが、同時に強さも感じました。
※記事作成にあたり、MC勢子・松田さんの解説を参考にしています。
↑左が山仁、右が羽黒山。。。だと思います。足の踏み出しがワンポイント。
↑羽黒山の仕掛けを、山仁が受けたところ。頭を低く下げています。
↑睨み合い。定番ではありますが、なんだかんだで最も好きなシーンです。
↑山仁の角が羽黒山の目元スレスレに。肉眼ではほぼ解らず、後から知ります。
↑頭と頭をくっつけて睨む。昔の格闘技を思い出しました。。。
↑羽黒山の突進に、山仁もちょっとビックリ ?
↑左側、山仁の意地が感じられるシーン。「絶対受けてやる ! 」
↑ちょっと離れて。これからどうしようか、お互い考え中 ?
↑天候もよく、キラキラ輝いていた両牛です。
(1D X /EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM)