これを実演で解説してくれました。まず、綱掛(つなかけ)と呼ばれる勢子が
後ろ足に綱を掛けます。それを綱引きと同じように勢子が引っ張って、牛の
動きを抑えて最後、急所である鼻を取ります。勢子にはそれぞれ役目があり
連携しながら牛を捕まえるのです。広く撮ると、立ち位置も確認できます。
これはとてもわかりやすく、会場から納得の対応がいくつか見られました。
第四回:小文吾(五歳/山古志)-龍勢(五歳/秩父)
まずは龍勢の入場です。鼻息が聞こえてきました。
地面を掘り、角や首を鍛えて気合の入っているところを見せます。
続いて、地響きのような声を轟かせて、小文吾が入ってきました。
両牛のパフォーマンス、会場も盛り上がります。
さぁ、取組開始。勢子の声がたくさん聞こえてきました。
年齢はともに五歳。来年再来年が楽しみな牛です。
龍勢がまずは積極的に仕掛けます。横に入って押し込む !
小文吾はこれを、前足を折り曲げながら受けました。
積極的に攻撃を繰り出す龍勢。首を取って横から攻めようというところ。
小文吾は最初に一発横に決められたので、あまり横を向きたくない。
龍勢の攻めを、首を使って受けます。(どこかで牛が唸ってる。。。)
横を取りたい龍製。 しかし小文吾は龍勢を横に入れたくない。
なので小文吾は回りながら攻めを受けようとします。
しかし、この「まくりあい」は諸刃の剣でして、先に仕掛けた牛が逆に
取られてしまうこともあります。でも龍勢は臆せず仕掛けていきます。
小文吾は落ち着いて、この攻めを受けています。
龍勢が小文吾を柵際まで押し込もうとするも、小文吾はなんとか耐える。
そして勢子の走る音が聞こえて。。。客席から小さなざわめきが。
少し時間差があり、ようやく拍手が沸き起こりました。
龍勢の魅力は、牛と闘うところだけではありません。
勢子との攻防が見どころ満載です。勢子が投げ飛ばされることもあり、
そう簡単に鼻を取らせてはくれません。これを知っている人も多いので、
この一瞬は勢子たち、客席にもちょっとした緊張感が走るのです。
龍勢はある意味いい動きを見せてくれましたが、今回は勢子の一人が、
綱をくるりと丸めて龍勢の鼻先に掛け、鼻を取るという見事な技を。
龍勢の前に立ちはだかり、まさに勇敢なところを見せました。
これには会場大盛り上がりでした。客席からは「うぉぉ〜、うまい ! 」
「カッコいい ! 」「上手だね ! 」の声が。隣に座っていた若い男性が、
「龍製、終わらせない、みたいな」と話していましたが、その通り。
最後まで楽しませてくれます。帰り際、この勢子さんにちょっと話を
伺ったところ、「ああいう技もあるんですよ」と笑顔で話してくれました。
場内を引き回している最中も、両牛は相手から目を離しませんでした。
大きな拍手は、牛と牛、牛と勢子の立派な闘いを物語っているようでした。
撮影カットは197。けっこう撮ってました。
それだけシーンは良かったということになるのですが、どう見てもあまり
意味があると思えないカットがあり、見ながら興奮してついつい切った、
そんな感じでした。なので、意外と選出写真が増えていきませんでした。
全く違うところでやや思うことがあり、それも起因しているのでしょう。
龍勢は飄々と強さを見せるイメージがありますが、小文吾の気合の入った
目線は印象的でした。緑色の小さな輪が鼻についている牛が、龍勢です。
※記事作成にあたり、MC勢子・松田さんの解説を参考にしています。
↑角と角ではなく、頭と頭でぶつかっていきました。迫力のあるシーンです。
↑横から攻める龍勢、踏ん張って受ける小文吾。小文吾の目線がすごいです。
↑その13秒後、再び龍勢が横から。これには小文吾の表情も変わりました。
↑その8秒後。またも龍勢の横からの攻め。小文吾は落ち着きを取り戻しました。
↑そして、ほぼ正面から受け止めました。小文吾の体の柔らかさにも注目です。
↑激突の瞬間には、こうして砂が舞います。小文吾の反撃とも取れるシーン。
↑このあたりから、こういう展開が増えてきました。小文吾の気合を感じられます。
↑頭を離して、睨むというより見つめ合う両牛。お互い感じるものがあったのかな。
↑目、目が近い。。。
↑小文吾の顔が龍勢にめり込みそうな勢いです。
↑龍勢の首回りの毛の模様は、「ステンレスたわし」みたい。たぶん高級です。
↑小文吾の目線、とても鋭いですね。龍勢が作った砂埃も美しいです。
↑お互いの意地がぶつかります。一歩も引かない闘い。
↑取組後半、再び横から攻める龍勢の姿が。見事にヒットしました。
↑これはなんと、その1秒後。小文吾は立ち上がり、体勢を変えています。速い !
(1D X /EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM)