先に伊之助、あとから三太夫の順で、闘牛場に入ってきました。
この一戦は、勢子の判断により綱を取っての対戦です。
白い毛が混じっている粕毛牛(かすげうし)、これが伊之助です。
勢子の声が大きく響き渡りました。両牛を鼓舞して盛り上げます。
伊之助は随分と大きくなりました。
年齢は三太夫の方が一つ年上ですが、体の大きさはほぼ同じです。
勢子が牛の体を叩いて気合を入れます。その音が大きく響きました。
伊之助が攻撃を仕掛けようとしますが、三太夫は落ち着いています。
両牛とも体を柔らかく使っています。これはとても大事なことです。
心に余裕があり、相手の牛と闘牛場も怖くない。経験を積んだ牛は、
これから徐々に本当の力を発揮していきます。ただし、人間と同じく
早くから力を発揮する牛、晩成型の牛。さまざまな牛がいます。
「よしたー」の声にも力が入ります。手拍子も盛んに聞こえてきます。
双方の目の縁が赤く充血してきました。戦いに熱が入っている証拠です。
牛が一生懸命になっているかどうかは、これで解るのです。
伊之助は目の縁を赤くして、懸命に闘っています。
先輩の三太夫はまだ余裕をもって、頭を合わせています。
(後ろで牛が唸っています)
勢子の判断で牛が分けられました。場内からは、大きな拍手が。
この両牛、これから2年3年と経験を積めば、もっと素晴らしい闘いを
見せてくれることでしょう。(ここでどちらか、大きく一発唸りました。)
三太夫、伊之助の順で引き上げました。
撮影カットは143。そんなに撮っているとは思っていませんでした。
粕毛牛の伊之助は、見るからに闘志満々の顔つきです。
まずはそれぞれが、相手に顔を付けて押そうとしています。
しかし、なぜかとても大きく狙っていて、フレーミングがイマイチ。
どうしてこんなことになったのか、ちょっと不思議でした。
そんな必要はなかったのにも関わらず、慌てていたのかもしれません。
いったんは落ち着いたようでしたが、その後また大きく狙っています。
そのため、牛の鼻先が画面から切れているカットがいくつかありました。
そして、露出補正の数値を入場時と同じまま撮っていたので、当然ながら
露出がオーバーになりました。途中で気付いて修正しています。
三太夫の角が伊之助の額に入っているシーンもありましたが、残念。。。
それにしても、伊之助は気合が入っていました。攻撃も仕掛けるし、
それでいて防御も上手くこなしています。年下ということで、遠慮は
しなくてもいいや、くらいのことは常日頃から思っていそうな感じ。
そんな伊之助に対してちょっと怯みながらも、年上の意地で踏ん張る、
三太夫の気概も感じました。数年後の再戦を見てみたい気がします。
※記事作成にあたり、MC勢子・松田さんの解説を参考にしています。
↑右が伊之助。「負けないぞ ! 」 という両牛の声が聞こえてくるようなシーンです。
↑伊之助は、体毛に白い毛が混じる粕毛牛。ちょっとビックリしてる ?
↑間近に地面が迫ってきました。「ヤバイ ! 」と思っているのかもしれません。
↑9月中旬ですが、まだまだ暑いです。闘牛場は動くと砂埃が舞い、演出になります。
↑闘っているシーンですが、「よぉ、終わったら飲みに行かねえか。」と誘ってるみたい。
↑伊之助の攻撃はなかなか的確でした。力を見せつけているようにも。
↑目の縁が赤いです。飲みに行くのを断られて、ちょっと伊之助は不機嫌そう(笑)
↑角の絡み合い。伊之助の視線がとても鋭く、カッコいいです。
↑三太夫のポーカーフェイスに対し、伊之助のギョロ目が印象的なシーン。
↑三太夫、真剣な眼差しで伊之助の角を躱そうとしています。
↑伊之助はまだ四歳ながら、相手に向ける圧力は相当なものがあります。
↑伊之助の圧力を、前足を踏ん張って耐えている ? 三太夫です。
↑三太夫にも先輩の意地があります。やるときゃやるよ。
↑前足を上げる伊之助。三太夫はそちらを警戒しているようにも。
(1D X /EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM)