8/11 山古志闘牛 羽黒山-平畑

さて、取組はいよいよ終盤戦に突入していきます。
小さなお子さんが「さっきの牛、戻っていった」と誰かに話していました。
きっと、悔しそうにしていた山王のことではないかと思います。
お子さんの目にも、仕草などが記憶に焼き付くのかもしれません。
場内はざわざわしています。牛がどこかで、大きく唸りました。

第九回:羽黒山(八歳/大久保)-平畑(十五歳/池谷)

先に入場の平畑ですが、島根県の隠岐の島から導入した黒牛です。
羽黒山が後からやってきました。こちらは岩手からの赤牛になります。
さあ、取組が始まりました。
まずは平畑が頭を低く下げて、上に向いた角を槍のように使おうとします。
対して羽黒山は、平畑の長い角を使わせないよう、頭をくっつけます。
そして、自らの、横に開いた角を使おうとしています。
平畑、右角を使って羽黒山の左角を下から掛けます。
そして、羽黒山の顔を横に向けさせたい。しかし羽黒山はそれを許さない。
逆に馬力を使って、前に前にと圧力をかけていきます。
平畑が横に回ろうとするところを、羽黒山が上手く受け止めます。
平畑、右角で羽黒山の左角を掛けます。掛けて横を向かせて仕掛けたい。
この攻めを十分に解っている羽黒山。顔を曲げられないようにします。
逆に跳ね上げて出ようと試みます。双方、自分の角の形をよく理解して、
これはどうやったら最大限に使えるのか、考えながら頭を合わせています。
攻防があり、やがて勢子たちが走る音。引き分け、拍手で幕を閉じました。
綱が伸びて、また大きな拍手が両牛に贈られました。
暑い中の熱戦を物語るように、両牛のお腹が波打っています。
牛たちは必死になって、一生懸命に力を出そうとしているのです。
先に平畑、後から羽黒山が引き上げていきました。

《写真の密着》
いやぁ、すごい ! !
この取組は両牛がもう最初から頭を合わせ、やる気満々の様子でした。
しかも、撮影開始から4コマめで、平畑にたっぷりと砂埃のシャワーが。
顔が真っ白になってしまいました。羽黒山の密着戦が始まります。
ちょっと動くたびに、砂埃が派手に舞っています。
これだけでも絵になるシーンですが、それがずっと続いているのです。
どちらも積極的に動き、闘っています。互いの意地が交錯する一瞬です。
羽黒山が頭から平畑にぶつかるシーンでは、さすがに痛そうでした。
でも、それに耐えてすぐに戦闘態勢になります。お見事でした。
モニターに写真が写し出されると、「おーすげえ ! 」「うわぁ ! 」など、
独り言が出てきます。しかも、それぞれがちゃんと見せ場を作ります。
どちらかが一方的に攻撃されるのではなく、ちゃんと双方のカッコいい
ところを残すことが出来ました。羽黒山の角が平畑の鼻近くに突き刺さる
場面もありました。これは皮膚を突き破っているのではないか、そんな
感想を抱いてしまうような写真です。手に汗握るとはまさにこのこと。
トータルの撮影カットは159とやや少なめですが、入退場のシーンが
さほど多くなく、殆どが対戦している場面でした。取組終盤まで全く
力を抜くこともありません。これだけ気合を入れて闘っているわけで、
勢子の皆さんが止めるのも必死です。この取組、写真をすべて繋げて、
パラパラ漫画風にして作って見ても、それなり以上に興奮しそうです。
いいもの見せてもらいました。今場所のベストバウトかもしれません。

※記事作成にあたり、MC勢子・松田さんの解説を参考にしています。
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↑年齢差は大きいですが、それを全く感じさせない取組でした。素晴らしい !
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↑開始直後でモウこれです。平畑の顔が真っ白になってしまいました。
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↑し、しかも目の前に太い角が ! !
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↑羽黒山はもちろん、平畑の闘志漲る表情に圧倒されます。般若のようです。
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↑オレは若造なんかに絶対負けないんだ ! ! そんな気持ちが伝わってくるようです。
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↑クロスカウンター。平畑の顔に付着している砂埃が舞います。
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↑こちらも舞う砂埃。平畑はよく受けています。
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↑平畑の角は太くて大きいですね。当たった羽黒山、これはちょっと痛そうだ。。。
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↑こちらも体当たり。砂埃が随分と減ってきたような。。。
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↑自分の上に、大きな角があるのを自覚しているようです。これ、怖いですね。
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↑平畑、辛抱強く耐えているように見えます。弱音を吐いたりしないのはさすがです。
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↑またしても、砂埃が舞います。
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↑これは痛そう。。。羽黒山の角が、平畑の鼻の横に突き刺さりました。
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↑再び耳の後ろを攻められる羽黒山。
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↑すごい。。。この体勢から攻撃しています。しかも、ちゃんとキマッてる。
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↑それぞれの持ち味がよく出ていた、とてもよい取組でした。
(1D X /EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM )
by keiji_takayama | 2019-08-24 08:30 | 山古志闘牛場

いつもは中古カメラ店でカメラやレンズを売ってます。休日になると、望遠レンズを担いで各地の動物園や闘牛場で撮影活動。動物たちの表情を追い続け16年が経過しました。旅行会社で撮影ツアー講師を務めています。


by keiji_takayama