8/3 山古志闘牛 飛将-赤武者

第二回:飛将(四歳/塩沢)-赤武者(三歳/山古志)

さきほどの取組で「玉付きの雄牛」の話が出ました。
人間が食べている肉用の牛は、だいたい生後半年くらいで去勢します。
理由は、やらないと肉が筋肉質になって硬くなり、価値が落ちるからです。
ただし、去勢をしてしまうとほぼ喧嘩はしなくなります。
したとしても、とても弱い牛になってしまいます。
角付き牛はすべて玉付きです。そして、玉付きだからこそ闘えます。
しかし、数が少なくなってきているので大事に育てたいのです。
(この話の途中から、会場がざわめき始めました。牛の登場です。)

先に入ってきたのは四歳の飛将です。
ご祝儀が届いているというアナウンスのあと、低い声で唸りました。
喧嘩をする牛は、この唸り声を出して初めて一人前だと言われます。
そして、後から赤武者が入ってきました。
赤武者はまだ三歳。今年の春にデビューしたばかりの若い牛です。
年齢差は一歳なのですが、牛の大きさを比べると歴然とします。

取組が始まりました。
頭を合わせて、年が一つ違うということを牛が理解しました。
(ここで、複数の「へぇ〜」という声が聞こえてきました。)
大きいほうの飛将は、若い赤武者に胸を貸しています。
(解説に納得するように、客席からは「あぁ〜」という声が。)
牛というのはよく相手を見ていまして、「全力を出さなくてもいいんだな」と
思ったら、胸を出します。若い牛にとってみれば、これは大事な経験です。
大きな牛に対して、自分がどこまで攻められるのかを試せるわけです。

勢子の声が大きくなってきました。
赤武者はなんとか押し込みたいのですが、体重差は100kg以上あります。
(会場の男性が大きな声で「ええ〜っ」と声を挙げていました。)
それもあって、なかなかうまくいきません。
赤武者がどうするか、それも見どころの一つです。
飛将にしてみれば、若い牛を受けることによって、首を鍛える、心に余裕を
持った闘いをすることができるなど、いくつかメリットがあります。
赤武者は何とか仕掛けたい。一生懸命向かって行きます。
しかし飛将がうまくあしらうので、攻める手がなくなってしまいました。
そこで、どうやって大きな相手に立ち向かうか、考えているのです。
ここで、赤武者は横に回ろう横に回ろうという仕草を見せ始めました。
重い牛でも、正面から押せなくても横からならなんとかなる。
必死に考えて、横から攻めようとします。
しかし飛将はうまく首を返しながら、そう簡単には横に入れさせません。
赤武者にとっては大きな経験になりました。勢子の判断で引き分けです。
客席からは、大きな拍手が起きました。
先に赤武者、あとから飛将の引き上げです。
飛将はまだ四歳ですが、去年の秋から冬にかけて成長しました。
将来的には1トンを超えるような、大きな牛になりそうで楽しみです。

《写真の密着》
なかなかに興味深い一瞬が撮れていました。ファーストコンタクトです。
今場所は、勢子が牛の頭を合わせて離れる瞬間でシャッターを押すことに
決めていました。最初に相手と触れる瞬間、チャンスだという認識です。
飛将がすぐに年齢差を理解した、これが現れているようなカットです。
赤武者はまずぶつかっていきますが、飛将は「ほほう。」というような、
余裕のある表情を浮かべていました。そして、赤武者の攻めはなかなか
的確でした。ちゃんと角で飛将を攻めますが、飛将はまだ余裕でした。
赤武者は果敢に攻めますが、飛将はなかなか隙を見せてはくれません。
しかし、まるで気圧されるようにしていた赤武者が反撃するシーンも。
真剣な赤武者の気持ちが入った一撃に、飛将もちょっと慌てたかも(笑)
しかし、そのあとは飛将が見事な攻撃。赤武者にとってはいい経験だと
思っていたら。。。なんと、やり返してました。見せ場を作った ! !
気合の入った表情で、大きな飛将に立ち向かっています。
最後まで諦めず、攻撃を受けても頑張った赤武者の根性。見事です。
この取組では飛翔、赤武者それぞれのカッコいいところが撮れました。

※記事を作成するにあたり、MC勢子・松田さんの解説を参考にしています。
8/3 山古志闘牛 飛将-赤武者_b0016600_1274388.jpg

↑この取組一番のハイライトシーンかも。赤武者、根性の攻撃。見せ場を作りました !
8/3 山古志闘牛 飛将-赤武者_b0016600_128372.jpg

↑ファーストコンタクト。右側、飛将の表情に注目です。
8/3 山古志闘牛 飛将-赤武者_b0016600_1291849.jpg

↑睨み合い。さすがにこれは飛将の貫禄が際立ちます。
8/3 山古志闘牛 飛将-赤武者_b0016600_1295980.jpg

↑赤武者の角は確かに飛将に当たっているのですが。。。飛将は余裕の表情です。
8/3 山古志闘牛 飛将-赤武者_b0016600_1304019.jpg

↑こうなると、飛将の大きさ、圧力の強さを感じます。しかし赤武者は屈してません。
8/3 山古志闘牛 飛将-赤武者_b0016600_1314711.jpg

↑近い。。。
8/3 山古志闘牛 飛将-赤武者_b0016600_1321010.jpg

↑考える赤武者、余裕の飛将。
8/3 山古志闘牛 飛将-赤武者_b0016600_1325314.jpg

↑あ ! 赤武者が見事な一発。飛将の表情が変わりました。
8/3 山古志闘牛 飛将-赤武者_b0016600_1333655.jpg

↑飛将の厳しい攻撃。目元に角が。。。危機一髪のシーンでした。
8/3 山古志闘牛 飛将-赤武者_b0016600_1342320.jpg

↑飛将が下から突き上げます。赤武者はちょっと苦しい展開です。
8/3 山古志闘牛 飛将-赤武者_b0016600_1352576.jpg

↑しかし、チャンスがあればこうなります。見事に立ち向かいました。
8/3 山古志闘牛 飛将-赤武者_b0016600_136234.jpg

↑取組終盤、飛将が見せた攻撃。これは痛そう。。。厳しい攻めでした。
(1D X /EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM )
by keiji_takayama | 2019-08-05 01:36 | 山古志闘牛場

いつもは中古カメラ店でカメラやレンズを売ってます。休日になると、望遠レンズを担いで各地の動物園や闘牛場で撮影活動。動物たちの表情を追い続け16年が経過しました。旅行会社で撮影ツアー講師を務めています。


by keiji_takayama