7/14 山古志闘牛 充号-庵

前半戦最後の一番、第五回は充号(四歳/池谷)と庵(七歳/釜ケ島)です。

山古志の牛の角突きは、基本的に勝負を付けることはしません。
闘っている牛の状況を見て、引き分けという形を取っているのです。
では、牛をどうやって引き分けにするのでしょうか。
場内には、肩に綱を掛けた綱掛(つなかけ)と呼ばれる勢子がいます。
この綱掛が合図を出して、まずは牛の後ろ足に綱を掛けます。
掛けた綱を引っ張り、牛の動きを抑えたところで鼻を取って分けます。

先に入場したのは充号。まだ四歳ですが、とても大きくなりました。
来年、再来年あたりには、この牛が最も大きい牛になっているかも。
後から入場の牛は庵(いおり)です。面綱(おもづな)を顔に掛けています。
これは大相撲で言う化粧回しのようなもの。牛の正装とされます。
庵はゴォーッゴォーッという低い声を出してずっと唸っていました。
この時点でもう相手に対して威嚇しているのです。
さぁ、取組開始です !

いきなり角と角がぶつかる音が響き、場内がざわめきました。
かなり激しくぶつかるので、時には角が折れてしまうこともあります。
そして、折れてしまったら再生することはありません。
折れ方が悪いと、その牛は引退せざるを得ないこともあるのです。

まずは先輩の庵が角突きの厳しさを若い充号に教えようと、積極的に
仕掛けます。これに対して、充号はどうやって凌いでいくのでしょう。
庵は横に回り込もうとします。充号は首を柔らかく使って受けます。
柔らかい物を折ってしまうのには力が必要なわけで、充号としては
庵の攻めを自分の最小限の力で受け流し、攻めが外れたところで攻撃を
仕掛ける、そんなチャンスを狙っています。しかし庵が許しません。
先輩の庵が仕掛け、それを充号が何とか切り返そうとする。そんな展開。
勢子の掛け声が大きくなり、やがて両牛が分けられました。

「自分の牛がいい角突きをしたのは、相手(あなた)の牛のおかげですよ」
闘い後は相手の牛に感謝して、それぞれの引き回しは対戦相手の牛を。
こうやりながら、この角突きを次の世代に繋げて行きたい思いです。
そして、飼育は家族の支えがあってこそ。一家で牛を一緒に楽しみます。

《写真の密着》
角が上に向かって伸びているのが庵、横に広がっているのは充号です。
充号の取組を見るのはこれで3度目ですが、これまでの闘いぶりから、
相当に心の強い牛だという印象を持っています。とにかく見どころを
作ってくれるんですね。撮影枚数も、200カット近くになりました。
今回も年上の庵に対して、堂々と渡り合っていました。しかし、庵も
なかなかの試合巧者です。充号が横目で睨み付けているカットからは、
「うぬぬ。。。こいつ、できる ! 」みたいな雰囲気も感じ取れました。
この、まだ若いながらも積極的で、年上にだって物怖じしない感じ。
大相撲だと、前頭上位から関脇に上がる頃の朝青龍を思い出します。
常に気合い満点で、勝ちに拘る。負けると悔しさを隠しもしない。
その結果、朝青龍は強い横綱になりました。充号も続きそうです。
庵の角のちょうど真下に、充号の角が刺さっている場面もありました。
ちょっと痛そうな表情の庵。でも、その直後に反撃していました。
そして、頭をぶつけているシーンの多かったこと。正にガチンコです。
時間いっぱいまで、どちらも攻撃の手は緩めませんでした。
そして終盤。頭を付けて当たってきた充号を、上から押さえつける庵。
庵の力強いところも見られ、とてもエキサイティングな一戦でした。

※記事を作成するにあたり、MC勢子・松田さんの解説を参考にしています。
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↑充号の表情に注目。闘志の塊みたいな、ものすごい形相で睨み付けました。
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↑奥が先輩の庵。落ち着いた雰囲気です。
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↑左が充号、右が庵。角の形状が異なっています。
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↑充号はヤル気満々です。庵は淡々と戦略を練っている感じ。
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↑充号、大きいなぁ。。。
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↑庵の下からの攻撃。落ち着いてますねぇ。
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↑ごっつんこ①
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↑ごっつんこ②
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↑ごっつんこ③
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↑充号の攻撃がヒット。庵の目元が歪んでいます。
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↑睨み合い。
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↑庵、地面スレスレの攻撃。
(1D X /EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM )
by keiji_takayama | 2019-07-19 02:58 | 山古志闘牛場

いつもは中古カメラ店でカメラやレンズを売ってます。休日になると、望遠レンズを担いで各地の動物園や闘牛場で撮影活動。動物たちの表情を追い続け16年が経過しました。旅行会社で撮影ツアー講師を務めています。


by keiji_takayama