まずは、牛や勢子たちに事故や怪我がないよう、場内を御神酒と塩で清めます。
その後、勢子の皆さんが集まり、取組が告げられて拍手が起きます。
これをもって、「本日の取組」が正式に決定することになります。
昔は開催日だけが指定され、当日集まった牛の顔ぶれで決めていたそうです。
これが現在では10日ほど前に「取組審議会」で決定するのですが、
やむを得ない事情などにより牛が出場を取りやめることがあります。
そこで、闘牛場内で手をたたいて取組の最終決定を行うのです。
このあと、山古志闘牛会会長・松井さんからご挨拶がありました。
お話の最中も、牛の鳴き声や唸り声がいい具合にシンクロしていました。
第一回は響(三歳/新潟)と、赤武者(三歳/山古志)の一戦です。
まだ涼しいとはいえ、場内では蝉の鳴き声も聞こえています。
黒牛が響です。
この両牛は三歳同士。この春デビューしたばかりの若い牛です。
牛の三歳というと、人間では小学校高学年から中学生くらいだそうです。
ちなみに闘牛用の牛はすべて雄牛。去勢をしない「玉付き」です。
これが闘争本能を掻き立てるわけです。
繁殖用の牧場では、雌牛多数に対して雄牛、種号は一頭しかいません。
二頭入ると必ず種号同士で喧嘩をして、勝ったほうしか種を付けないからです。
これが雄牛の闘争本能の所以です。
さあ取組開始。
若い牛の取組は、綱を付けての対戦になります。
頭を合わせながら、響が横に横に回ろうとしています。
若いとはいうものの、赤武者は650kg、響は700kg近くの重さです。
正面突破より横から押すのが最も簡単で、まだ経験もない牛とはいえ、
本能で横に回ろうという仕草を見せるのです。
赤牛の赤武者は、響の押しを落ち着いて受けています。
若い牛はまず闘牛場に慣れ、相手の牛に慣れ、大勢のお客さんや勢子に
慣れていきます。こうやって、この場所で何をするのかを理解していきます。
そして経験を積むと、やがては綱を取っての対戦を行うようになります。
勢子の掛け声はずっと続き、そして判断によって引き分けになりました。
山古志の闘牛は、すべて勝敗をつけず「引き分け」にするのが特徴です。
響の牛持ちは女性です。引き回しで颯爽と歩いていたのが印象的でした。
さて、写真を見てみると。
初戦はたいてい、撮影枚数が比較的少ないのですが、今回は違いました。
見どころや攻防があり、けっこうシャッターを押しています。
ところがなぜか、最初から26カットまでが全ボツでした。
惜しいとか○○だったら。。。ではなくて、完全なるボツだったのです。
とはいえ、なんとか残せる写真があってよかった。
たくさん撮っていたのは、こうしたことの防衛本能だったのかもしれません。
※記事を作成するにあたり、MC勢子・松田さんの解説を参考にしています。
↑響の表情がなんだか愛らしい。。。
↑赤武者の真剣な表情。
↑響の横からの攻めを受ける赤武者。
↑それぞれの目線が面白いかな。
↑ちょっと虚を突かれた感じ。
(1D X /EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM )