若いけどどこか消極的な男の子が所在なげに佇んでいた。
場所は悪くないのだけど、体のど真ん中に小さな枝葉が被っている。
いつもなら大きく撮ることしか考えないが、この時は違った。
それ用のレンズを持って来ていないというのも理由の1つではあったが、
なぜか全身を入れて狙ってみようと思ったのである。雨が降っていたし、
せっかくの機会なので広く風景として構図を作ってみようと試みた。
といっても、慣れないことなのでどうにも満足できそうにない。
しばらくはそのまま、肉眼やファインダー越しに眺めているだけだった。
ふと、トラがふいに顔を上げて目を瞑った。
雨とともに、風を感じたのだろうか。そんなことを思わせた。
ただ単にそうだったのか、それとも何か思いを馳せているのか。。。
ちょっと切ないシチュエーションだった。
これをいつものようにアップで撮っていたら、印象は違うだろう。
でも今回はこちらのほうが合っている、そう感じていた。
(7DMarkII/タムロン18-400mm F3.5-6.3 Di II VC HLD)