そういえば、彼岸花の季節になっていた。
乗っている列車の窓から、やや控えめに咲いているのを見て思い出した。
そう意識して久々にSNSを見てみると、すぐに彼岸花の写真があった。
去年出掛けた巾着田とか寺坂の棚田も、いい雰囲気になっているようだ。
しかし、それらの写真をも見ても「よーし ! 」という気分にはならなかった。
目的というか、ベクトルが完全に違う方向を向いているので仕方ない。
昔からそうなのだが、何かにハマるとそれしか見えなくなることが多い。
あくまでも興味を惹いたら、という条件付きだし、滅多なことではそこまで
没頭しないのだが、そのまさかが起きてしまった。子供の頃からの憧れが、
ようやく形を成したのだから、これはやはり楽しくて仕方がないのである。
しかし、1日中列車に乗ってスマホの画面を見ているのはさすがに厳しい。
帰ってくるともう、文字通りヘトヘトなのだ。
いったいいつまで続くのだろうか。
と思うのだけど、地方のローカル鉄道に乗るとそんなことは忘れる。
気動車のあの大きな音と、車窓に広がるのんびりした風景。
カメラは敢えて持ち歩かず、記憶の中だけに残す。
物覚えがすっかり悪くなっているから、いつ見ても、同じ場所に行っても
新鮮な気分で楽しめるのはいいことだ。交通費はバカにならないけど。