ちょっと考え、結局何も思い出せずに「仕事してた」と答えるだろう。
しかし、実際は1日かもしれないが、休日があったはずである。
ここのブログを遡れば、その答えが書いてあるかもしれない。
去年のことさえそんな感じなので、これが数年先だと完全にアウト。
何をしていたか全く覚えていない。「記憶にございません」である。
だが、ハッキリ覚えているのが1日だけある。昭和60年5月3日だ。
この日、埼玉県にある国営武蔵丘陵森林公園で、「明菜ランド」の公演が
開催された。「明菜ランド」は、中森明菜の野外イベント。年に数回だが、
日頃テレビの中でしか見られない「明菜」が歌うところを撮影できた。
カメラ小僧デビューしたのは昭和59年1月。当時は高校生だった。
その前、中学3年の頃だが、明菜のファンだった。「セカンド・ラブ」の
頃である。LPレコードを4枚、「気になる視線」だったか、本も買った。
そんな経緯があるので、いつか撮る機会があるといい、そう思っていた。
とはいえ、もうその頃には日本を代表するアーティストになっていた。
写真など撮れるはずもない。「レッツゴーヤング」や「歌のトップ10」で
姿を見る程度である。カメラ小僧のキャリアを積むに従って、なんとか
撮る機会がないだろうかと伺っていた。その大きなチャンスだった。
当時の機材はペンタックスLXと400mmだったが、この撮影のために、
500mmF4.5を買った。レンズ名はすごいが、EDなどの低分散ガラスは
使われておらず、当時の定価でも12万で買える。最短撮影距離はなんと
10mだった。まさに子供だましのようなレンズだが、これで大きく撮れる
とワクワクしたものだ。多くの友人に恵まれたおかげで、ポジションも
そこそこの位置を用意してもらえた。ステージが始まり、明菜が歌う姿を
ファインダー上で大きく捉えられたときは、とても感動したものだ。
他のタレントではこうはいかない。「中森明菜」とはそういう存在である。
このことだけが、今も記憶に残っている。ここでどういうことがあった、
どの曲を歌った、何を話した、そんなことは覚えていないのだが、この日
明菜を撮ったということ、それだけが記憶に残るGWの思い出である。
(7DMarkII/EF600mm F4L USM)