モノやスタイルがある。カメラアクセサリーとして長い間、当たり前
のように存在していた「レリーズ」にも、そんな状態が訪れている。
機械式から電子式になり、現在ではカメラメーカーの殆どが、扱いの
機種に対応するレリーズ(リモートスイッチ、ケーブルススイッチ)を
発売している。2013年にここで書いた記事では、品薄により値上がり
したものも複数存在していた。しかし3年が経過し、市場を取り巻く
環境が大きく変わったのである。それは、やっぱりこれもスマホだ。
各メーカーがスマホに対応しているアプリを用意するようになった。
これがなかなか便利で、カメラで撮った画像を転送できるのは勿論、
メーカーによってはレリーズの役目も果たしてくれる。離れていても
それなりの距離なら使えるし、わざわざコードをカメラに差し込んで
準備をする手間が省ける。慌てて差し込もうとして、カメラの端子を
痛めてしまった、なんていうケースもあっただろう。これだけでも、
使わなくなるユーザーが増えるに違いない。理由はこれだけに留まら
ないと思うのだが、昨年あたりからじわじわと広がりを見せている。
スマホを使いこなすのは、どちらかといえば若い世代が多いだろう。
それを象徴するように、若い世代がよく使うカメラ用のレリーズが、
最も暴落する傾向にある。キヤノンのkissシリーズなどに対応する、
RS-60E3は500円になった。そしてオリンパスも、PENやOM-Dの
大半に使えるRM-UC1が、1,000円まで落ちた。以前の半額以下だ。
個人的に、一眼レフからミラーレスに買い替えるユーザーが目立つと
感じているニコン。風景を撮るなど、レリーズを日常的に使っている
ユーザーが多かった。それらが買い換えで手放されるのだと思うが、
MC-30は中古市場に数が増えた。その影響もあって、暴落している。
ボディにインターバルタイマーをもつ機種もあり、MC-36も同様だ。
ちなみに、価格はMC-30が1,000円、MC-36は3,000円。ソニーは
もともとの数が少ないので、この暴落の影響をあまり受けていない。
こうした状況ではあるが、唯一キヤノンRS-80N3はまだ元気である。
一時より値は下がって2,400円になったが 、この相場で需要と供給の
バランスがまだ保たれているようだ。さて、今後はどうなるだろうか。
(5D MarkIII/EF70-300mmf4-5.6 IS II USM)