CP+2017 パネルディスカッション③

さて、お次はレンズの話。
このあたりから、時間のことを司会者が気にし始めたように思う。

オリンパス M.ズイコー12-100mm
目玉レンズ
f2.8通し、いわゆる大三元の次は?の回答が、12-100のf4だった。
小三元2本分のスペックをもつレンズ。
1.5cmまで寄れる。
手ブレ補正は6.5段まで。
広角望遠、近接夜景まで何でも撮れる。

ブレ→レンズ補正、ボディ補正、両方入れた方がいいに決まっている。
これがようやく実現できた。

キヤノン70-300mm
レンズの液晶表示を初めて採用。
ナノUSM メカ的に難しかった。
将来的には、についていろいろアイデアが出ているがまだ言えない。
可能性を秘めている。
深度目盛りはAFになってやめてしまった部分
あったほうが良い、という思うユーザーもたくさんいる。

シグマ
精力的に新しいレンズを出しています(司会者)
ウチは昔から新製品をたくさん出すんですよ(笑)

明るいレンズは受ける
20mmから85mmまで、F1.4のレンズが5本ある。
14/1.8、135/1.8で両脇を固める
1.4でやろうとしたが、どうにもならないので1.8にした。
作りやすい。

500mmF4はマグネシウム合金採用。
高画質化によりレンズが重くなってしまうのが悩みどころ。
マグネシウムは強くない。金属感が出せない。
ARTと噛み合っていないので、議論している。

ソニー 100/2.8STF
シャープさとボケ味が特徴。
前ボケ後ボケとも、息をのむほどのものが手に入る。
ボケを徹底的に生かす。

ニコン 105/1.4
ピント面は解像を追っかける、点は点として徹底的に。
ただしこの場合、ボケがあまり良くなくなる傾向がある。
ピント面を出して、とにかくボケをキレイに。
これを光学設計で実現する。
社内のレンズチームは元気がよい(笑)

シグマ
周辺光量の口径蝕
シミュレーションをやりながら設計している。
85/1.4はそれの集大成。ガチ勝負を挑んだ。
「ツァイスには勝ったかなと」

甲田教授:やはり、レンズは写してナンボの世界ですね。

パナソニック
エネルギーを感じる。
レンズ内と本体との同期、今後はそのコンセプトで攻める。
振り回せる→マイクロフォーサーズならできる。

ライカとGレンズについては、商品特徴で分けている。
Gレンズ→ベースになる。小型、機動性を上げる。
ライカ→性能に拘っている。

フジフィルム
GFレンズは、マクロにだけ手ブレ補正が入っている。
手ブレ補正は一生懸命じゃない。
そんくらいは写真家で頑張ってください(笑)

続いては、「カメラのシャッター音は是が非か」について。

オリンパス
18コマ連写時は音がしない(電子シャッター)
劇場などの撮影では便利
リズムやタイミングの感覚については、ユーザーと作っていく部分。
シャッター音でモデルの気分が良くなることがある。

甲田教授:シャッターを切ったという情報がないと、リズムが取りにくい。

ソニー
この話はガソリン車と電気自動車の関係に似ている。
走る楽しさがないと言われるが、電気自動車も音を出す仕組みがある。
ユーザーを混乱させないために、議論はある。
ユーザーのシチュエーションによって、柔軟に対応する仕組みを作っていく。

リコー
ペンタックスKPの静音モード、ライブビューは電子シャッター。
絞り込むと作動音は発生する。
スチールモードでは幕の振動を抑える

オリンパス
覗いて構図を決めて、シャッターを切る。
いかにしてリズムに追いつけるか。

シグマ
ファインダーレスポンスは気にしていない。
余談だが、ニコンD4、D5のシャッター音はとてもカッコいい。
クルマのエンジン音に近く、感動する。

ニコン
きちんと音のするカメラがいい。
ユーザーの意見もある→それは大切にしたい。
D810は機構ブレ、振動を抑えている→一眼レフとしては静か。
官能的なところとエンジニアとしての要望、この両立は難しい。

甲田教授:「ミラーが上がって見えなくなるから、写真を撮ったと感じる」
という声がある。

フジフィルム
X-Pro2は音色を目指した。
シャッター音もいろいろと研究して、今の音を選んでいる。
いい音は気分が高揚する。

時間が完全に押してしまい、ちょっと急ぎ足で最後のテーマ。
「楽しいカメラ」について一言。

リコー
使っている人が、使っていて楽しいと感じてくれるカメラ。
道具としても愛着が湧く。
それに答えていくなかで、新しいギミックを入れて上を目指す。

フジフィルム
楽しさは、数字には置き換えられない。
だから、触って楽しさを感じてください。

パナソニック
これからも、楽しいカメラを作っていきたい。

ニコン
ウチはカメラ屋。
クリエイティビティをどうするか
思ったことをすぐカメラで表現できるように

ソニー
プロの要求に応え、ユーザーに提供する。
開発をしっかりと行っていきたい。

シグマ
ウチはカローラじゃなくていい。
10人中1 人でもワクワクしてくれればそれでいい。

キヤノン
写真データだけではなく、写真としてちゃんと残していきたい。
プリントを含めて、システムを良くしていきたい。

オリンパス
ライバルと敵との違い。
敵は相手の失敗を喜ぶが、ライバルは相手の失敗を高める。
日本のカメラメーカーをライバルとして、最後に勝てたらいい。

これで終了になりました。本当に時間いっぱいまで語ってくれました。
今回はパネラーが増えて、それぞれの発言時間が短くなるのではという
懸案がありましたが、全くの杞憂でした。笑いもあって、とても楽しい
時間になりました。CP+、もう1日行きたかったですね 。メーカーの
セミナーをちゃんと聞いてみたかったです。確か去年も、こんなことを
書いていたような気がするけど。ニッシンストロボなど、ライティング
関係のセミナーは大人気でしたね。あと、ブース内で撮影体験ができる
展示が多かったように思います。CP+は26日まで。よかったらぜひ。
CP+2017 パネルディスカッション③_b0016600_155414.jpg

(OM-D E-M1/NewFD 500mmf4.5L)
by keiji_takayama | 2017-02-24 01:06 | 千葉市動物公園 | Comments(0)

いつもは中古カメラ店でカメラやレンズを売ってます。休日になると、望遠レンズを担いで各地の動物園や闘牛場で撮影活動。動物たちの表情を追い続け20年が経過しました。旅行会社で撮影ツアー講師を務めています。


by keiji_takayama
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31