12年前の恥

「いま撮った 小さなフィルム 大きな記録」
これは、以前働いていたアロマカラーという現像所のキャッチコピーである。
業界新聞に広告を載せていたのだが、そこに毎回記載されていた。
内情はこのコピーと全く違うじゃないか、と課長に抗議したこともあった。
がしかし、この言葉のもつたいへん大きな意味を、最近感じるのである。

この件については、数年間気合いを入れて撮影したアイドル写真のネガをすべて
処分してしまったということも含まれる。人生に於いての3大失敗を挙げるなら
確実にエントリーするだろう。まさかこんな時代が来るとは。後悔しきりだ。
たくさんの雑誌に投稿しておいたのは不幸中の幸いだ。探せば何とかなる。

これとは別の話だが、動物園で写真を撮り始めた頃はフィルムも使っていた。
ブログを開設するにあたり、掲載上の見栄えの問題から大半をボツにした。
加えて、当時何らかの理由で陽の目を見なかったカットも存在する。
昔の写真が埋もれないように、また見てもらいたくてTwitterに載せているが、
ひょっとしてと思うことがあり、今一度当時のネガをCDにしたものをすべて
チェックしてみた。すると、すっかり忘れていた動物たちがよみがえってきた。

野毛山動物園の写真を初めて載せたのは、2005年3月のこと。
その本文で、「かつて史上最大のボツを記録した」と書いている。
それは2003年の秋だった。フィルムだけで撮影に行き、3本撮ったのだが
当時の判断では全ボツだった。写真を撮りに行って使えるカットが1つもない、
という経験をしたのが初めてだった。完全な黒歴史。ずっとそう思ってきた。
偶然見つけたのはこの写真。昨年5月に亡くなった世界最高齢のフタコブラクダ、
ツガルさんのカットだった。これを見て、いい表情だと感じてしまった。
当時、どうしてこれをボツにしたのか。全くわからない。
それがとんでもない失敗のように思えてならない。これはただの記録ではない。

写真を見る立場としては、大いに恥じなければいけない。
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by keiji_takayama | 2015-11-08 23:12 | 野毛山動物園

いつもは中古カメラ店でカメラやレンズを売ってます。休日になると、望遠レンズを担いで各地の動物園や闘牛場で撮影活動。動物たちの表情を追い続け16年が経過しました。旅行会社で撮影ツアー講師を務めています。


by keiji_takayama