未亡虎

かみね動物園とトラ、これには思い出がたくさんある。数年前、トラ年を前に
年賀状用の写真を撮ろうというツアーを企画したことがあった。会社は多摩を
想定していたらしいのだが、それを押し切ってかみねにした。理由は、確実に
こちらのほうが写真は撮りやすい、という確信があったからである。結果は、
追加コースも出る人気となり、80名近いお客様にご参加いただけた。そして、
当時モデルを勤めてくれたアキラ君との事前打ち合わせが功を奏して、見事な
ポーズをキメてくれたのだ。後から聞いた話だけど、この時に撮られた写真は
年賀状だけではなく、各コンテストなどに入賞することがあったようである。

こんな伝説があっただけではなく、行くとマトモなカットが複数は撮れるので
とても助かった。ここ数年は写真のストックを切らすことが常態化しつつあり
その都度かみねのトラ写真に救われてきた感がある。ところが、最大の功労者
であったアキラ君が昨年亡くなってしまった。残されたのは♀のさわさんだ。
こちらのほうは、撮るのがけっこう難しいと思っている。チャンスが少ない。
どちらかというとやんちゃ坊主みたいなところがあったアキラ君と比べると、
おしとやかなお嬢さん、という雰囲気。さて今回はどうだろう、そう思った。

午前中から隣のライオンと交互に様子を伺っていたのだが、ずっと寝ていた。
頭数が多くて何かしていることの多いライオンは人気を集めていたが、トラは
パッと見てすぐ離れてしまうお客さんが目立ち、閑散としている。午後になり
2時頃になってようやくむっくり起きる。でも、位置を変えまたごろんと横に
なってしまった。それを何度か繰り返していたので、寝る前のひとときに撮る
ことはできたのだが。いかんせん近すぎた 。1000mmだと画面からはみ出て
しまっている感がとても強く、苦笑するのみである。アキラ君を知っているが
亡くなったことを知らないお客さんもいる。「アキラくんだ、アキラくんだ」
「アキラーアキラー」なんていう声が飛ぶこともある。そんな時には振り返り
反応することも。いなくなってしまい、彼女なりに気にしているのだろうか。
未亡虎_b0016600_252683.jpg

AB (OM-D E-M5/FD500mmf4.5L)
by keiji_takayama | 2014-01-19 02:05 | かみね動物園

いつもは中古カメラ店でカメラやレンズを売ってます。休日になると、望遠レンズを担いで各地の動物園や闘牛場で撮影活動。動物たちの表情を追い続け16年が経過しました。旅行会社で撮影ツアー講師を務めています。


by keiji_takayama
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