それもそのはずで、撮影環境がどこの動物園でも著しく厳しいのである。しかし、
2005年だったかに高知県・のいち動物公園に行ったときは驚いた。なんと屋外、
檻なしの状態で飼育されていた。今でもそうなら是非またチャレンジしてみたいが
そうそうは行けない場所である。そんなわけで、どこかで撮れたらいいなと思う。
で、かみね動物園である。ここは最近「サルの楽園」という施設ができた。様々な
サルの仲間を見ることができるのだが、ここにマンドリルがいたのだ。実は前から
飼育していたのかもしれないが、それすら知らない存在だった。気になったので、
ちょっと試しに覗いてみたら。なんと、挑発的な顔でこちらを眺めていた。たぶん
勝手な解釈をしているだけかもしれないが、とにかくそう感じたのだ。だとしたら
これは負けられないと思った。そして「この距離感ならいけるかもしれない」と。
そう思ったら早速実行である。とはいっても、ポジションはほぼしゃがんだ状態。
しかも正座に近かった。サルの檻の前で、40代のおっさんがしゃがんでレンズを
上に向けているのである。端から見たら完全に浮いていた。平日で良かったのだ。
で、どうせ撮るならこのふてぶてしさを全面に出したいと思った。そのイメージで
撮ったのがこれ。フレーミングは檻の線を消すギリギリのところだ。これより広く
してしまうと、余計なものがちまちまと画面に入ってくる。ちょっと上向き加減で
挑発しているような雰囲気を演出する。そこそこイメージ通りのカットになった。
ところが。撮影後は両足が完全に痺れてしまい、しばらく動けなかったのである。
(50D/EF600mmf4L+EF25)