とってみれば、競技よりむしろ関心が高いのではないかということがある。それは
報道カメラマンが使用している機材のことだ。要はキヤノンとニコンの代理戦争。
これまでスポーツ分野ではキヤノンが圧倒的に強かった。動体のAF撮影といえば、
最も強いカテゴリーだったからである。それが、前回の北京で大きく変わってきて
ニコンの姿が目立つようになってきた。で、4年が経過。直前には揃って、最上級
機種のモデルチェンジがあった。まさに、ものすごいレベルでの競争なのである。
で、今朝の新聞にちらりと記事が出ていたのだが、両社が揃って勝利宣言をした。
ニコンのほうは8競技の会場計64カ所のカメラ席を数えたという。6対4で逆転
していたそうだ。そして、会場によってはこれが7対3であった。実際に数えた、
というのがもし本当ならかなり正確なデータではないかと思う。一方のキヤノンは
「我々が優勢だ」とコメント、ニコンの発表に異を唱えた。その根拠は各競技場の
カメラ席をいろいろな角度から撮影し、写真を引き延ばして数えたらしい。しかし
肝心の数字については、答えられないというのだ。これは勝負あった、と思った。
具体的な数字を示し、きちんと発表したニコンのほうが余裕がある。キヤノンは、
ここのところ新製品の発売も延期ばかりであり、ユーザーの信頼を著しく損ねた、
というイメージが払拭できない。これがそのまま両社の発表に結びついてしまう。
紙面に掲載されていた写真でも、意図的かどうかはともかくニコンの勝ちだった。
AB− (1D MarkⅡN/EF100-400mmf4.5-5.6L)