カメラバッグを立てる

チャンスだ!と思った。それまで何度、様子見に来たのだろう。ウンピョウである。
関東ではズーラシアで飼育しているが、檻が厳しいこともあり、なかなか撮れない。
撮れないどころか、その姿を見られることさえ希である。だから、ガラス越しだけど
たいへん貴重な場所なのだ、天王寺は。そんな考えから、どういう形でもいいので、
レンズを向けたかったのだ。とはいえ、そうそう簡単に事は進まない。到着してから
ずっと偵察していたが、なんとも絶妙に狙いにくい場所にいた。記録として押さえる
ことは簡単だが、それじゃ絵にならない。こちらの思惑を知られているようだった。

ようやく巡ってきたチャンス。それは、ウンピョウが間近の位置でお客さんのほうを
眺めていた。でも、そこには人はいない。すぐさましゃがんでレンズを向けてみた。
ところが、である。レンズフードはガラスに対して角度がついている位置で止まる。
つまり、写り込みがあった。ファインダーを覗くと、左半分はコントラストもあって
きちんとウンピョウの姿が確認できるが、右側はガラスの反射で真っ白けであった。

こんなことでフイにするのはどうしても納得がいかないので、瞬時に体が反応する。
右膝を地面について太腿で置き台を作り、その上にカメラバッグを立てる。こうして
失われていた画面右側のコントラストを得ることができた。幸いお客さんも少なく、
時間も短く済んだので助かった。端から見たら、なんとも奇妙な光景だっただろう。

光が当たっているところとそうでないところ。闇の中から目が光るイメージなのだ。
カメラバッグを立てる_b0016600_23532171.jpg

AB (1D MarkⅡN/EF100-400mmf4.5-5.6L)
by keiji_takayama | 2011-09-08 22:57 | 天王寺動物園

いつもは中古カメラ店でカメラやレンズを売ってます。休日になると、望遠レンズを担いで各地の動物園や闘牛場で撮影活動。動物たちの表情を追い続け16年が経過しました。旅行会社で撮影ツアー講師を務めています。


by keiji_takayama