隠れた注意点

デジタルカメラがまだ存在していなかった頃は、中古カメラ選びはとても楽だった。
購入に際して注意するところは当然あったけど、それはたいていが目に見えている、
或いは音で教えてくれたりした。ファインダーにシミがある、プリズムが剥離した、
シャッターや巻き上げに鳴きがある、メーターの値がズレているなど。外観の状態が
ほとんどすべてを現していた、といっても過言ではないだろう。ところが、である。

デジタル一眼レフの場合は、これに「シャッター回数」が加算されている。連写する
機会が以前に比べると格段に増え、且つ連写速度もフィルム時代の倍以上になった。
つまり、カメラをずっと三脚に据えたまま固定、撮影はフル連写なんてことになると
外観はAランクだがシャッター回数はメーカー指定耐久数を超えている、なんていう
個体がザラザラ増えてしまうことになる。さすがにここまでは、査定の段階で調べる
ことも事実上不可能だ。個人的には、撮ろうとする時にきちんと役目を果たすなら、
シャッターが何回使われていようが全く気にしない。それで安く買えるなら、大いに
得であると思っている。以前に使っていた1D MarkⅡはそれこそボロボロの状態で、
聞くところによるとシャッターは25万回を超えていたという。それでも、ブログに
載せる写真はたくさん撮れたし、ただの一度も壊れることはなかった。今使っている
1D MarkⅡNも外観はかなり使い込まれているので、おそらくシャッターもかなりの
回数が押されているはずだ。確かに、キレイな状態ということで購入したカメラだと
シャッター数は気になると思う。ただし、フィルムの頃は耐久10万回と言われても、
なんだかピンと来なかった。そんな枚数撮らないよ、と感じたからだろう。でも今は
そのくらいだと1年経たずに超えてしまうユーザーも大勢だ。古いカメラの説明書に
載っている作例を見ると、今さらながら技術の高さを知ることになる。ビックリだ。
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AB (7D/FD500mmf4.5L)
by keiji_takayama | 2011-08-18 23:23 | 上野動物園 | Comments(0)

いつもは中古カメラ店でカメラやレンズを売ってます。休日になると、望遠レンズを担いで各地の動物園や闘牛場で撮影活動。動物たちの表情を追い続け20年が経過しました。旅行会社で撮影ツアー講師を務めています。


by keiji_takayama
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