資格

金銭的に余裕のある人がよく陥りそうなのが、いろいろなレンズを買うことである。
「レンズ沼」と表現することもあるけど、個人的にこの表現は、ある程度以上画角の
知識がないと当て嵌まらないと考えている。単純に誰かが持っているとか、どこかで
それを使った写真を見て面白そうだとか、そういう理由で欲しがるのは違うと思う。

これはある意味では残念なことではあるが、周囲にきちんと段階について話をする、
そういう立場の人がいないことも影響しているのだろう。カメラを買えば、最初から
レンズを1つ使うことになる。それがどういうレンズで何をどう撮れるのか、そして
被写体と撮影者の距離が異なると写真はどう違ってくるのか、こういうことをまずは
知っておかないと、次に進む意味がない。比較、基準の対象が存在しないのでは全く
使いこなすことはできないだろう。似たような質問を受けることもあるが、こういう
目的意識の考えを聞いてみると、ほぼ100%の確率で曖昧な答えしか返ってこない。
現在はそれを否定する方が少数派だと思うが、それでは使われるレンズが気の毒だ。

これと似た話で、望遠の場合は「重い」という理由で買ってすぐに交換してみたり、
或いは出番のないまま傷んでいくケースがある。購入するには理由があったはずで、
例えばそれが「そのレンズでなければ」というものでもない限り、意思を持続させる
ことが難しいのかもしれない。断言するが、大きな望遠レンズを使うということは、
つまりはそのレンズを持つ資格があるか、ということだ。言い換えると、レンズから
撮影者が選ばれるかということである。重ければ別の選択はいくらでもあるわけだ。

重たいだのなんだの言っているユーザーは、つまりはそのレンズを使う資格がない。
資格_b0016600_1421079.jpg

AB+ (1D MarkⅡN/FD500mmf4.5L)
Commented by Snowleopard01 at 2011-02-14 21:46
うわー、頭が痛い文です。
しかもその文と写真が絶妙にリンクされているようで
あんたにゃ資格ないんだよ! と言っているような
アシリさんに見えてなりません(苦笑)

Commented by keiji_takayama at 2011-02-15 01:08
☆Snowleopard01さん、こんばんは。コメントありがとうございます。
こういうこと書くのは久しぶりかもしれませんね。最近鳴りを潜めていた
感があるので、ここ最近は珍しくマトモに記事を書いてるように思います。
あ、ちなみに文章と写真は全く関係ありませんよ。アシリをたくさん撮り、
さてどうするかと考えていたところだったので(笑)撮影スタイルの問題も
あるから、当て嵌まるかどうかはまぁ別かな。ホントにこれを読んでほしい
人たちは、たぶんここを見ていないよ。数年前とはかなり状況が変わったね。
by keiji_takayama | 2011-02-14 01:41 | 大森山動物園 | Comments(2)

都内中古カメラ店スタッフ。動物園撮影は20年が経過しましたが、ここ数年は山古志の闘牛写真がメイン。全取組を写真で紹介しています。かつてはクラブツーリズムの撮影ツアー講師でした。


by keiji_takayama
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