これはだいたい30年くらい前に売られていた、シグマやタムロンのズームレンズ。
この当時はズームが単焦点よりも人気があって、またそれを販売するメーカーも大小
さまざま存在していた。そのため、市場に出回っている製品もかなりの数にのぼる。
価格が純正より安いという魅力から、とてもよく売れた。ちなみに、初めて手にした
ズームレンズは、サンというメーカーの70-210/3.5という望遠だ。当時は鉄道の
写真を撮っていたので、このクラスのズームが欲しくてたまらなかった。近所の店で
17000円で売られていたのを、なんとか工面して買った記憶がある。当時中学1年。
この頃にとても欲しかったシグマのズームなどが、時を経てジャンクとなり525円。
だいたい症状は決まっている。レンズの中にカビが生えているか、クモっているかだ。
前にも何度か書いているが、使えないことはない。むしろ、独特の描写に興味がある。
ある日、いつもの棚に1本白いレンズが置かれていた。価格はやはり525円だった。
初めて見たスタイルなので、とても興味が湧いた。すぐ売れるだろうと思っていたが、
ジャンク品は広角が人気で、望遠と標準ズームは売れ残る傾向にある。個性的だったが
このレンズもそうなるかと思われた。しかし。ちょっとチェックしてみたら問題なし。
確かにレンズの中は汚れているし、修理時についたと思われる拭きキズもかなり多い。
とはいえ、これは使えると判断。こうして、525円の白レンズがやってきたのである。
調べてみたら、このレンズの素性はすぐに判明する。タムロン85-210/4.5だった。
ブラックとホワイトの2種類が販売されていたようだ。最短撮影距離が1.5mなので、
これは当時としては頑張ったほうだろう。1973年発売。生産終了が推定1976年だ。
つまり、3年ほどしか売られていなかったことになる。カメラに興味を持ち始めたのが
1979年頃なので、このレンズの存在を知らなかった。距離目盛のところが透明など、
なかなか凝った作り。解像力はあまり期待できないけど、使っていて楽しそうである。
AB (30D/EF100-400mmf4.5-5.6L)